街で見つけたヘンな看板70点を展示した「街(まち)がいさがし展」

2018/3/12 18:40 吉村智樹 吉村智樹

▲目には目を。駐車には注射を。こういった、全国の街で見つけたちょっと奇妙な看板ばかり70点を一挙掲示した写真展「街がいさがし展」が大阪にて開催中。新聞などさまざまなメディアに採りあげられ、話題となっている


こんにちは。
関西ローカル番組を手がける放送作家の吉村智樹です。


この連載では、僕が住む関西の耳寄りな情報をお伝えしてゆきます。
今回はその第15回目となります。





■街は「街(まち)がい」でいっぱい。街の珍看板70点が集結


今回は3月18日(日)まで、大阪市此花区のギャラリー「シカク」にて開催されている写真展「街(まち)がいさがし展」を紹介します。



▲大阪市此花区のギャラリー「シカク」にて開催されている写真展「街(まち)がいさがし展」。会場には自分自身がヘンな看板になれる顔ハメパネルも設置



▲接骨医が無断駐車に対して怒る警告看板。接骨医だけに「運転者の骨はバラバラに致します」という言葉にただならぬ本気を感じる


ひったくり犯に「彼女が出来ないぞ!!」と警告する看板。
無断駐車をする者に対して「運転者の骨はバラバラに致します」と訴える接骨院の看板。


そんな、街で見つけたヘンな看板の写真およそ70枚を展示した、ひじょうにケッタイな写真展。
そして、これらの写真をいったい誰が撮影したのかというと、不肖わたくしです。




「街(まち)がいさがし展」

街には不条理文学が溢れている。

「街(まち)がいさがし展」とは、ライター・放送作家の吉村智樹が、関西を中心に全国の路上で撮り集めた、思わず「それ、街(まち)がってますよ!」と突っ込んでしまう「ヘンなことば」が書かれた看板や貼り紙の写真展だ。

街は「ことば」で溢れている。
店名、キャッチコピー、そして警告。

歩きながら、それらをつぶさに読んでいくと、ときには不思議な文章に出くわすことがある。
まるで三次元が裂け、四次元の入り口を指し示すかのような超常的なことばに。

これらは総称して「VOW系」と呼ばれ、多彩な路上観察のジャンルのなかでも「文章をおもしろがる」という極めて奇特なジャンルに属する。

日頃ことばを使って仕事をしている僕だが、どれもこれも、とうていたどり着けないハイレベルな言語感覚。

街の人たちが放つ無手勝流で自由極まりないことばの飛沫を浴び、いつもひれ伏す想いになる。

「街がいさがし」とは、すなわち市井に埋もれた天才文藝作家たちと出会い、隠れすぎた名作を掘り起こす行為。

すなわち、街に潜む“不条理文学探し”なのである。





▲落書きよりそっちの方が罪が重いのでは。


僕が看板写真の撮影に開眼したのは15歳の頃。
当時8ミリ映画をつくりたくて(8ミリ映画っていまも通じるのか?)、ロケハンのため母親がかったポケットカメラを借りて街をさまよいはじめ、そのとき住民や店主らが手書きした味わい深い看板の存在に気がつき、目を奪われたんです。
カメラを持つことで改めて気がつく風景って、あるんですよね。



▲「かみますけど、なにか?」と言いたげな犬


それから30年以上経ったいまも飽きることなく撮り続けており、数冊の本を出版するなど完全にライフワークに。
そういうわけで関西を中心に全国津々浦々で撮影した看板を「厳選公開してみよう」と思い立ち、個展を開く運びになりました。



▲このヒーロー、ぜったいタイツもっこりさせてるよな


僕は面白い看板は、まちにひそむ不条理文学だと思っています。
街に潜む、無名・無意識の作家たちが生み出した珠玉の言葉の数々を楽しんでほしいです。



「街(まち)がいさがし展 街で見つけたヘンな看板」

会場:シカク
開催期間:3月18日(日)まで
入場料:無料
住所:大阪市此花区梅香1-6-13
開場時間:13時〜19時
定休日:火と水
電話:06-6225-7889
アクセス:
阪神「千鳥橋」駅から徒歩5分
各線「西九条」駅から徒歩15分




特設サイト
http://uguilab.com/exhibition/201803/


僕は3月18日(日)に在廊しております。
皆様とお会いできたら幸いです。



▲先日、生まれて初めて「作家在廊」を経験しました。作家って、自分の個展のオブジェと化すよりほかに、なんにもやることがないんですね……


(吉村智樹)
https://twitter.com/tomokiy