【なぜ独特と言われるのか?】カズレーザーの強み「良い意味で変わっている」

2018/3/2 11:00 はやしちひろ はやしちひろ





~みんなを生きるな。自分を生きよう~
先月、デジタルハリウッド大学の卒業制作展にて「メイプル超合金・かもめんたるお笑いLIVE ~みんなを生きるな。自分を生きよう~ やってる人!」という素敵なキャッチコピーのイベントが開催されました。
このメッセージを体現しているゲストが招かれたということで、カズさんほんとにピッタリ!

かつて放送されていた『カズレーザークリニック』の中で紹介された処方箋に、”自分を生きている”片鱗をたくさん見ることができるので、今回も1つご紹介したいと思います。


記憶力が良すぎてメモを取るのが苦痛

『カズレーザークリニック』では、JAPAN MENSA会員や東大生など、「家で勉強しなくても常に100点」みたいな超人がゴロゴロ登場していました。相方のなつさんが「ナニナニの実を食べたらそうなるの?」と聞いてしまうほど。そんな中でも、ひと際高度な相談を受けた回がありました。

それは、「記憶力が良すぎて会社でメモを取らなきゃいけない習慣が苦痛」というお悩み。 どのくらい記憶力がいいかというと、バラバラに崩したルービックキューブの色の配置と完成までの経路を記憶し、目隠しで揃えていくという競技で、連続18個を達成できるくらい…。常軌を逸した記憶力!

新入社員は特に、「メモを取る人=仕事ができる」という評価基準がある中、一番重要なのは仕事ができるかできないかであり、覚えられることはメモしない、というのが相談者のスタンス。人の当たり前と自分の当たり前がズレていて出世に響くのが気になる、というものでした。

このお悩みに対するカズ院長の処方箋は以下の通り。
「(ルールだから皆ネクタイを締めているように)周りに流されることは悪じゃない。でも、文字書くのがすげーしんどく感じるなら俺はやめた方がいいと思うの。別に紙とペン持ってサラサラって書いた振りでもメモ取ったと思う(見える)じゃん」

“書く振り”でも苦痛!という相談者に、カズ院長の最終的な処方は…
「もう会社を立ち上げるってことだよね。出社時間とか決められている時点でルールに従わなきゃいけないからね」でした。


変わっている、独特≠奇をてらう、過剰なことを狙う

過度に我慢する必要もないけれど、敢えて波風を立てる必要もない、という意味で、「周りに流されることは悪じゃない」というのは非常に興味深い言葉でした。多くの人が「普通」と思っていることを「こう思ってる人が多いけど、こういう考え方もあるでしょ」と、上手く抜け穴を見つけられる人だと感じます。視聴者にとっては、「あ、そういう風に考えてもいいんだ」と、価値観の揺らぎが起こるのが心地良い。

「常識を疑ってみよう」と言われたところで、当たり前と思っていることは無意識が故に、なかなか気付けないもの。そこで、カズさんの視点から繰り出される「価値観の崩壊」が痛快で面白いんです。 カズレーザークリニックは最初生放送で、カズさんがその場で思いついたことを言っているんじゃないか、と思うくらい軽いタッチで小気味よく答えていたのも理由の1つかもしれない…。

カズさん本人は自分ルールの中で自然にやっているから、それが普通の感覚だと思っているように感じます。作り飾った姿ではなく、「良い意味で変わって見えること」こそが、カズレーザーの強みではないかと。目に見えない同調圧力に屈することなく、かつ抗うことなく、自然体でずっといられることが、今の時代に刺さるのだと思います。

正に「みんなを生きるな、自分を生きよう」!
常識を知らずにハチャメチャやっているなら「あぁ、この人は知らないのね」で終わる所を、常識や礼儀を知った上で突破できるのが不思議な所です。