これぞ金メダル級…!日本美術史上最も有名な芸術家兄弟とは

2018/2/27 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)

平昌オリンピック、スピードスケート女子団体追い抜きで見事日本人初となる金メダルに輝いた、高木美帆、高木菜那姉妹。マスコミでは高木姉妹のこれまで歩んできた決して平坦でない道のりについてこぞって紹介しています。

大きな感動の裏に、その何倍、何十倍もの大きな努力があり、下手な小説よりもよほど「物語性」が高く、我々の心を打ちます。



元フィギュアスケート選手の浅田舞、浅田真央姉妹や、女優の広瀬アリス、広瀬すず姉妹など、兄弟姉妹で活躍している人は大勢います。

芸術の世界に眼を向けると、千住博(日本画家)、千住明(作曲家)、千住真理子(ヴァイオリニスト)の三兄弟が現役では筆頭にあげられますが、最も有名な芸術家兄弟と言えば、やはり江戸時代に活躍した尾形光琳(1658~1716年)、尾形乾山の(1663~1743年)一択でしょう。


国宝「燕子花図屏風」尾形光琳筆 6曲1双 紙本金地着色
日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵


兄の尾形光琳が描いた、国宝「燕子花図屏風」(根津美術館)、国宝「紅白梅図屏風」(MOA美術館)は切手になったり、教科書にも必ず掲載されているまさに日本を代表する名画です。

金メダルに勝るとも劣らない派手な金地に大胆な描写と、巧みなデザインセンスをフルに発揮し一度観たら忘れられない作品を数多く作り出しました。

一方で、弟の乾山は兄に比べると一般的な知名度は低いと思います。絵画もてがけましたが、乾山は専ら、重要文化財「白泥染付金彩芒文蓋物(サントリー美術館)、重要文化財「銹絵滝山水図茶碗」(個人蔵)など、焼き物を多く残しています。


重要文化財「銹絵染付金彩絵替土器皿」尾形乾山作 5枚 施釉陶器
日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵


ところが、冒頭の高木姉妹がそうであったように、尾形兄弟もそれぞれの存在があったからこそ日本一の芸術家ブラザーズとなったのです。京都の超高級呉服商「雁金屋」の御曹司として呱々の声をあげた二人は何不自由することなく成長し、それぞれの道に進みました。

光琳が30歳の時に父親が他界し、莫大な遺産を手にした二人。兄は放蕩三昧、まさに湯水のごとく金を遊興費に費やしたのに対し、弟の乾山は仁和寺門前に隠居し、文人隠士として慎ましい生活を送りました。同じ親から生まれたとは思えないほど性格の違う兄弟が世の中にはたくさんいるもので、尾形家の二人はまさにその好例といえます。


重要文化財「銹絵寒山拾得図角皿」尾形乾山作・尾形光琳画
  2枚 施釉陶器 日本・江戸時代 18世紀 京都国立博物館蔵


そんな二人でも、芸術を愛する心は一致したらしく、二人で共に手掛けた作品も多く残されています。乾山の器に光琳が絵付けした焼き物は、合作でしか得られない趣を有しており「物語性」を垣間見ることが出来ます。

さて、毎年、GWの前後に国宝「燕子花図屛風」を公開している南青山にある根津美術館で、2018年4月14日~5月13日に特別展「光琳と乾山―芸術家兄弟・響き合う美意識」が開催されます。5月8日(火)~13日(日)は特別に午後7時まで開館しているのも嬉しいですね。


根津美術館 夜間開館

日本美術史上最も、メジャーな光琳・乾山兄弟の作品を存分に堪能できる好機です。世界を見渡してもこんなに息の合った芸術家兄弟は他にいません。まさにアート界の金メダリスト兄弟の作品世界にどっぷり浸ってみましょう。

また根津美術館の敷地内にある都心とは思えない庭園内の池には毎年4月下旬から5月初旬にかけ、本物のカキツバタが花を咲かせます。


根津美術館 庭のカキツバタ

※庭園のカキツバタの咲き具合は毎日、根津美術館の公式サイトにアップされます。お出かけの前に確認できるのは嬉しいですね。因みに根津美術館の庭園は専属の庭師さんが毎日欠かさず手入れしています。

今年の初夏の予定に、根津美術館の特別展「光琳と乾山―芸術家兄弟・響き合う美意識」を今からしっかりと予定に入れておきましょう!




特別展「光琳と乾山―芸術家兄弟・響き合う美意識」
開催期間:2018年4月14日(土)~5月13日(日)
休館日:月曜日
開館時間:毎週月曜日 ただし4月30日(月)は開館
(入館は午後4時30分まで)
夜間開館:5月8日(火)~13日(日) 午後7時まで開館
(入館は午後6時30分まで)
会場:根津美術館 展示室1・2・5



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