<2017年版>年間200冊の本を読むカズレーザーが思う「おもしろい本」前編

2017/12/26 15:30 はやしちひろ はやしちひろ


こんにちは!カズレーザーさんお薦めの本を少しずつ読み進めている、ちひろです。

カズさんが紹介される本は反響がすごい!というのを聞いたことがある方は多いかもしれませんね。
書店など至る所で「カズレーザーさんオススメ!」と書いてあるpopを見かけますし、増刷が追いつかないと聞くこともあります。

毎日TVやラジオ、営業で忙しいカズさんですが、今でも年間150〜200冊は読むそうで!?
芸人仲間とご飯も行くだろうし、睡眠は7~8時間はちゃんと確保するタイプだし、どうやって時間を捻出しているのだろう…?どれだけ時間の使い方上手なんだ。

しかも、尊敬ポイントは「毎回定価で買って、すぐ処分(売るか譲る)する。もう1回読みたくなったらまた買う」という、このマインド!!

「また読みたくなったらもう一度買います」「作者さんにまた印税が入るのが正しいと思っていて」
カズさんの大好きなさだまさしさんが、かつて同じようなことを言っていた、という話を耳にしたことがあるのですが、さだまさしさんを習っている所もあるのでしょうか。

今回は、2017年11月16日放送の「アメトーーク!本屋で読書芸人」にてカズさんが紹介されていた本を見ていきたいと思います。
※以下、斜体部分がカズさんの発言


■カズさんお気に入りの本

<応仁の乱> 呉座勇一著

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

“室町時代に起きた11年間に渡るでかい戦争で、日本、特に京都がもう焼け野原でボロボロになって、室町幕府が滅びかけて、その後戦国時代が始まるきっかけになったっていう歴史上で結構でかい事件なんですけど、何があったか皆よく分かってないんですよ。教科書に単語は出て来るけど、結局なんだったの?っていう。日本が東軍と西軍に分かれてぶつかってるんですけど、関ヶ原ほどメジャーでもないし。色んな武将がいっぱい出て来るのに三国志ほどファンもいない。なんかよく分からない。それを今まで色んな人が説明しようとしたんですけど、上手く説明できなかったんですよ。ややこしすぎて。初めて皆に分かりやすく説明した本なんですよ。その結果「応仁の乱」って、スゲー地味だったな、っていう。(笑)すごい読みやすいです。”

クイズ番組を見ていると、カズさんは歴史がすごく得意なことが分かります。日本の戦後の歴代総理大臣の名前を全部覚えているし、記憶力がとても高い。クイズでは特に世界史に強い印象があるので、学生時代は世界史専攻だったのかな?と勝手に予想しています。


<サピエンス全史 上・下巻> ユヴァル・ノア・ハラリ著

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

“文化人類学っていうジャンルの本なんですけど、ざっくり言うと、「人間が発展したのは、同じ勘違いを共有してきたから」みたいな。例えば、今社会を形成する上で、重要なのがお金とか国家、宗教。こういうのってみんなもちろん分かってるつもりだけど、実在しないじゃないですか。国って言っても国の国境線なんて実際あるわけではないし、宗教も難しいですけど実際あるわけじゃない。それを共有する能力があるから人間は発展してきた、科学っていうのが生まれてきた。この本を僕、東野(幸治)さんに薦められたんですよ。ずーっとワクワクします。”

東野さんは、上巻の前半で面白さのMAXを迎え、下巻は読んでいないようで、それを知ったカズさんは衝撃を受けていました。(笑) カズさんとしては、下巻も引き続きめちゃくちゃ面白いとのことです。
ちなみに、堀江貴文さんも『多動力』の中で、この本をお薦めしていました。


<ムー公式 実践・超日常英会話> 宇佐和通著

ムー公式 実践・超日常英会話

“出ました!英語の実用書です。例文がすごくかっこいいんですよ。

The symbols of the secret society are drawn on these bills.
紙幣に秘密結社のシンボルが描かれている。

There was a UFO flap in Belgium.
ベルギーにUFOが大量に飛来した。(←この例文を音読した後、「あはっ」と笑ったカズさんが可愛かった)

ムカつくのが、英語もまあまあちゃんとしたの選んでるんすよ。(笑)
勉強になる良い単語を選んでて、ちゃんと実践なんすよ。(笑)”


<妻に捧げた1778話> 眉村卓著

妻に捧げた1778話 (新潮新書)

“眉村先生の奥様が癌に患われて、余命がもう1年だって言われるんすよ。先生は奥様のために毎日1個ずつショートショートを書いて、読ませる。そこから1778話なんで、5年近く奥様生きながらえたんですよ。その中からいくつか話を抜粋していて、その他は奥様とのやり取りとかを書かれてるんですけど、この1778話目、最終回の話を本当に読んで欲しいんです!!
今まで40年くらい連れ添った奥様が亡くなられた日に書いた話が最後載ってるんですよ。もう、何ですかね、夫婦の絆の美しさとか全部詰まった話が最後載ってて、めちゃくちゃ泣けます!とてつもなく泣けます、これは。俺、もう、15年ぶりくらいに泣きましたね。鳥肌がめちゃくちゃ立ちます。”

このカズさんの紹介により、今非常に売れているらしいですね。
カズさん曰く、「(最終話だけ書き方が違っていて)最後だけ読んでも泣けるくらいのパワーがある」とのことで、試しに光浦靖子さんが最後のページだけ見ると、みるみるうちに涙が溜まっていました。

私もその衝撃を感じてみたくてこの本を手にしたわけですが、まだ読まれていない方へ1つお伝えしておきたいことが!

前そで(ブックカバーの折り返しの部分)に、最終話1778話目に書かれている、「ある言葉」が明記されてしまっているのです…!これから読むという方は、ぜひこの前そでの文は飛ばしてすぐに本文に入っていただきたい!

その「ある言葉」とは、カズさんの言っていた感動するポイントとは違うのですが、眉村さん本人しか書けない、締めくくりとなる特別な言葉なので、先に読んでしまうともったいない!というのが私の感想です。


<スティーヴ・ジョブズ> 川上敦志著
こちら、カズさんのコメントはありませんでした。(放送なし)

小学館から出ていて、小学生向けの学習漫画です。漫画で簡単に伝記を読めるので、確かに大人でも勉強になりそうです。


■東野さんへおススメした本

東野さんの希望で、「厚くなくファンタジー過ぎない」という条件の下、カズさんがお薦めした本。

<岳飛伝> 田中芳樹著

岳飛伝(一)<青雲篇> (講談社文庫)

“「岳飛」っていうのは、中国人が想像する1番の英雄。日本人だと、中国の英雄で言う『三国志』とかと一緒なんですけど、それを遥かに上回る人気者なんですよ。同じ『岳飛伝』っていうのを北方謙三先生が最近まで書いていて、それは結構重めのしっかりボリュームある本なんですけど、田中先生はすごいポップなノリで、すごく読みやすいんですよ。これはおもしろいです。”


■読書芸人プレゼン大会にて

“変わったギミックの本。内容ももちろん面白いんですけど、それ以上に本の作りにこだわっているものをいくつかご紹介したいと思います。”

<残像に口紅を> 筒井康隆著

残像に口紅を (中公文庫)

“世の中50音あるじゃないですか。その文字が1文字ずつ消えていく。「あ」って言葉がなくなったら「あ」という言葉が使えなくなる。それと同時に「あ」っていう言葉が入る単語も世の中から消えるんですよ。例えば「愛」とか「明日」、目の前に自分の奥さんがいて、「お」が消えたら「奥さん」もいなくなるんですよ。これね、「幽☆遊☆白書」にそういう話があるんですよ。蔵馬と海藤が戦う(シーン)。それの元ネタなんですけど。あれも1個1個言葉がなくなるだけなんですよ。言葉と共に概念も全部消えていくっていう話。めちゃくちゃ面白いです!筒井先生も相当自信あったみたいで、これ当時の珍しい単行本なんですけど、後半が袋とじになってるんですよ。

“ここまでお読みになって読む気を失われたかたは、この封を切らずに、中央公論社までお持ちください。この書籍の代金をお返しいたします。(書店ではご返金の扱いはいたしません)って書いてあるんですよ。超ケンカごし!!めちゃくちゃかっこいいです。俺の周りで、途中でヤメた奴やっぱいないですね。
後半はもう言葉がなくなってるから、とんでもねえドライブ感で、グイグイ読めちゃうんですよ。”


<生者と死者> 泡坂妻夫著

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)

“これはパラパラっとめくってもらうと、すごいページの少ない短編集なんですね。すごい短い本なんですけど、読み終わった後、この部分が切れるようになってるんです。ちっちゃい袋とじになってるんです。(短編1つ1つが袋とじになっている)

ハサミ入れてパパっと切ると中に5~6ページ入ってるんです。最初読むと短編小説なんですけど、読み終わった後はさみ入れていくと、長編小説になるんです。すげーこだわった作りなんです。上手くできてるんです、それが。

(開封前はページをまたぐと)「美 青年」って読める所が、切ると「美 しい」とかになるんですよ。泡坂先生っていう方は元々マジックが好きなんですよ。どういう発想なのか、マジで分かんないです。”


■そのほか絶賛した本とは?

今回は、カズさん自らが選ぶ面白い本をご紹介いたしました。

世界の原色の鳥図鑑

ちなみに、同番組の”ジャケ買い”コーナーでは、「世界の原色の鳥図鑑」をチョイスしていました。真っ赤なビビッドカラーの綺麗な鳥がアップで写っている表紙で、前から「図鑑が好き」と言っていたので納得です。

次回は、カズさんが番組で用意された本の中でおもしろいと言っていた本をご紹介したいと思います。引き続き、読みたくてうずうずしてくるようなカズさんの見事な書評をお楽しみに!