死ぬまでに行きたい絶景…を超える絶体絶命景!?日本三大火祭りが焼き討ち級で大炎上
「え?冬のこんな寒い時期に祭りなんてないでしょう」だって?いやいやいや。
むしろ、この寒い時期だからこそという祭りも確かに存在するのです。例えば冬に行われる火祭りなんて、そうですね。
どうも。奇祭ハンターのMacです。
というわけで、今回は福島県、須賀川市の奇祭にして日本三大火祭りが一角、
福島の「松明(たいまつ)明かし」 をご紹介。
日本【三大】と言っても、ほかはお松明(京都府)、向田の火祭り(石川県能登島町)、鬼すべ(福岡県)と諸説あり(3つ以上あるがな!)だったりするのが常なのですが…。
とにかく、「松明あかし」とは、長さ10メートル・重さ3トンを誇る「大松明」を始めとする約30本の松明を立てて、勢いよく燃やすという豪快なオマツリです。
早速、行ってみましょう。新宿からバスに乗ること3時間。福島県の須賀川市にやってきました。
法被を着た人が集まっていますが、松明なんてどこにも見当たりません…。何気に消防車が停まっているのが、不穏な空気を醸し出しています。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2057-640x480.jpg)
人がいる中心へと向かうと……、ありました!今日の祭の主役である「大松明」さんです。 どうやら大松明はまだ寝かせた状態。これから運ぶようです。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2059-640x480.jpg)
正面から見ると、こんな感じ。幅は約1.5メートルくらいでしょうか。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2061-640x480.jpg)
先導役を上に乗せ、人といっしょに松明を担ぎます。事前申込で一般参加も可能だったため、何気に私も担がせていただきました。お神輿ならまだしも、松明を担ぐなんて初めての経験です。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2070-640x480.jpg)
こちらは女神輿じゃなかった、女性チームだけで担がれる「小松明」です。小松明と言っても、十分デカいです。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2083-640x480.jpg)
松明明かしの由来にちなみ、伊達政宗の軍勢と戦った二階堂軍の様子のパフォーマンスも行われました。
さあ、それではいよいよ大松明を運びましょう!ワッショイ、ワッショイ…運んでいるシーンはご想像にお任せします。
さて、松明を運ぶこと約1時間。ようやく会場の五老山に着きました。
(松明を支える木材を直接肩に当てると痛いので、タオル持参をおすすめします)
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2088-640x480.jpg)
!!!
大松明以外の松明はすでに設置されていました。その数、約30本。というか、大松明以外の松明も十分大きいです。手にもって明かりの代わりとする普通の松明ではありません。
奥にあるイタリア国旗は、地元の中学生が勢いで立てたものではなく、イタリアのアブルッツォ州との友好の証のようです。
何とイタリアのアブルッツォ州でも似たような祭をやっていることが近年になって偶然、発覚した模様。イタリアのほうは、聖アントニオ祭(Festa delle Farchie)と言います。それまではお互い「こんな奇妙な祭り、やっているのはウチの町だけにちがいない」と思い込んでいたんだとか。世界は広いですね。
一方、その頃運んできた大松明はと言うと…。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2102-640x480.jpg)
串刺しにされた大怪獣のような様相を呈していました。角材で押して徐々に角度を上げつつ、梯子を指して固定していきます。倒れないように、ゆっくり、慎重に。この作業に実に1時間を要しました。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2100-1-640x480.jpg)
松明の根本はこんな感じ。わらがギッシリ詰まっていて、なるほど、これはよく燃えそう。
段々と風が凍てつく寒さとなり、日もどっぷりと暮れたそのころ点火作業が始まりました。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03405-640x360.jpg)
降りかかる火の粉をよけながら、聖火ランナーのように、頂上を目指して火をつけます。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03427-2-640x360.jpg)
点火作業も大方終わり、松明から勢いよく炎があがってきました。そんな中、炎をジッと見つめる男たちの姿が…これはもしや
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03442-640x360.jpg)
ブワァァァっと放水が始まりました。勢いが出過ぎた炎は即、鎮火作業に入るようです。 (冒頭写真の消防車の伏線はここで回収か!)
まるでハリウッド映画のワンシーン(大ピンチ!)のような。目の前の光景が現実だとはとても信じられません。これはまさに絶景を超える、絶体絶命景。
ドラクエIVで言うところの、魔王によって焼き討ちにされた勇者の村みたい。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03474-640x360.jpg)
火事場ではなかった、祭を見に多くの見物客が集まってきました。やはり流石、日本三大火祭りというだけあります。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03467-640x360.jpg)
今にも焼け落ちそうな松明、いやこれはもはや火柱です。
あまりの炎の勢いに魅入られていた時、私はハタと気づいたのです。いや、薄々気づいていたことをハッキリと認識したと言うべきでしょう。
「松明明かし」は鎮魂祭。犠牲者を弔う祭りです。かつて東北の平定を企んだ伊達政宗の軍勢に対し、この地を治めていた二階堂氏の軍勢は勇猛果敢に戦い、多くの命が失われました。
この合戦で須賀川城は焼け落ち、町は火の海に包まれたのです。そう。この祭りはそんなありし日の再現に他ならないのです。
当時、二階堂氏に代わってやって来た新しい城主の前で、犠牲者の弔いを堂々とすることはできませんでした。そこで生き残った人々はムジナ狩り(!)と称して祭を続けたそうです。それから続くこと実に420年(過去を忘れていない!)。
(詳しい由来は下記をご覧ください)
http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/2727.htm
「焼き打ち」に「火攻め」。日本史好きなら一度は目にしたことがあるであろうそれらの言葉も、実際に眼前の光景として見せられると…。口に出す言葉が見つかりません。
「おのれ、魔王・伊達政宗め。許すまじ!」しかし、そんな感傷にふけっていたとき、事態はシュールに急展開します。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03495-640x360.jpg)
爆炎の前に現れたのは、地元の中学生と思しき応援団。男子に混じって女子部員の姿も見受けられました。燃え盛る炎に負けじと、熱いエールを送ります。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03514-640x360.jpg)
さらに、焼け渡る炎に向けてたなびく団旗まで登場!こんな所で男塾名物「大塾旗”喝魂旗”」が見られるとは。
燃え盛る炎をバックに団旗がたなびく異風景はまさにマッド・マックス!遠くから太鼓を叩く音も聞こえます。
そうか! 「マッドマックス 怒りのデスロード」のジョージ・ミラー監督は、これを見て火を吹くギターと太鼓隊のシーンを思いついたに違いない!(そんなわけない!)
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03527-640x360.jpg)
公園を離れ、遠くから見た光景は最早「山火事」そのもの。ほかの地域ではまず実行不可能でしょう。
日本三大火祭りにして、火祭りのなかでも最大級の観客動員数を誇る「松明明かし」。火の粉がかかると燃えそうなナイロン系の服は避けた上でぜひとも参加してみては?
■須賀川 松明(たいまつ)あかし
日程:11月第2土曜日
場所:福島県須賀川市五老山(翠ヶ丘公園内)
http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/taimatsu/
【この奇祭がスゴい!オマツリジャパンの他のレポート】
◆組体操のルーツはグンマーにあり?! 月夜に裸でもつれ合う、みなかみの「ヤッサ祭り」
◆「こ、殺す気かぁ~~」と聞こえてきたあなたはもはや中毒者。大森の水かけ祭り・水止舞
◆見るなよ!絶対に見るなよ!ランチタイムに会社で絶対に見るなよ!天下の奇祭・珍祭かなまら祭り
(オマツリジャパン)
むしろ、この寒い時期だからこそという祭りも確かに存在するのです。例えば冬に行われる火祭りなんて、そうですね。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03467-640x360.jpg)
どうも。奇祭ハンターのMacです。
というわけで、今回は福島県、須賀川市の奇祭にして日本三大火祭りが一角、
福島の「松明(たいまつ)明かし」 をご紹介。
日本【三大】と言っても、ほかはお松明(京都府)、向田の火祭り(石川県能登島町)、鬼すべ(福岡県)と諸説あり(3つ以上あるがな!)だったりするのが常なのですが…。
とにかく、「松明あかし」とは、長さ10メートル・重さ3トンを誇る「大松明」を始めとする約30本の松明を立てて、勢いよく燃やすという豪快なオマツリです。
早速、行ってみましょう。新宿からバスに乗ること3時間。福島県の須賀川市にやってきました。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2040-640x480.jpg)
法被を着た人が集まっていますが、松明なんてどこにも見当たりません…。何気に消防車が停まっているのが、不穏な空気を醸し出しています。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2057-640x480.jpg)
人がいる中心へと向かうと……、ありました!今日の祭の主役である「大松明」さんです。 どうやら大松明はまだ寝かせた状態。これから運ぶようです。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2059-640x480.jpg)
正面から見ると、こんな感じ。幅は約1.5メートルくらいでしょうか。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2061-640x480.jpg)
先導役を上に乗せ、人といっしょに松明を担ぎます。事前申込で一般参加も可能だったため、何気に私も担がせていただきました。お神輿ならまだしも、松明を担ぐなんて初めての経験です。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2070-640x480.jpg)
こちらは女神輿じゃなかった、女性チームだけで担がれる「小松明」です。小松明と言っても、十分デカいです。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2083-640x480.jpg)
松明明かしの由来にちなみ、伊達政宗の軍勢と戦った二階堂軍の様子のパフォーマンスも行われました。
さあ、それではいよいよ大松明を運びましょう!ワッショイ、ワッショイ…運んでいるシーンはご想像にお任せします。
さて、松明を運ぶこと約1時間。ようやく会場の五老山に着きました。
(松明を支える木材を直接肩に当てると痛いので、タオル持参をおすすめします)
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2088-640x480.jpg)
!!!
大松明以外の松明はすでに設置されていました。その数、約30本。というか、大松明以外の松明も十分大きいです。手にもって明かりの代わりとする普通の松明ではありません。
奥にあるイタリア国旗は、地元の中学生が勢いで立てたものではなく、イタリアのアブルッツォ州との友好の証のようです。
何とイタリアのアブルッツォ州でも似たような祭をやっていることが近年になって偶然、発覚した模様。イタリアのほうは、聖アントニオ祭(Festa delle Farchie)と言います。それまではお互い「こんな奇妙な祭り、やっているのはウチの町だけにちがいない」と思い込んでいたんだとか。世界は広いですね。
一方、その頃運んできた大松明はと言うと…。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2102-640x480.jpg)
串刺しにされた大怪獣のような様相を呈していました。角材で押して徐々に角度を上げつつ、梯子を指して固定していきます。倒れないように、ゆっくり、慎重に。この作業に実に1時間を要しました。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/IMG_2100-1-640x480.jpg)
松明の根本はこんな感じ。わらがギッシリ詰まっていて、なるほど、これはよく燃えそう。
段々と風が凍てつく寒さとなり、日もどっぷりと暮れたそのころ点火作業が始まりました。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03405-640x360.jpg)
降りかかる火の粉をよけながら、聖火ランナーのように、頂上を目指して火をつけます。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03427-2-640x360.jpg)
点火作業も大方終わり、松明から勢いよく炎があがってきました。そんな中、炎をジッと見つめる男たちの姿が…これはもしや
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03442-640x360.jpg)
ブワァァァっと放水が始まりました。勢いが出過ぎた炎は即、鎮火作業に入るようです。 (冒頭写真の消防車の伏線はここで回収か!)
まるでハリウッド映画のワンシーン(大ピンチ!)のような。目の前の光景が現実だとはとても信じられません。これはまさに絶景を超える、絶体絶命景。
ドラクエIVで言うところの、魔王によって焼き討ちにされた勇者の村みたい。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03474-640x360.jpg)
火事場ではなかった、祭を見に多くの見物客が集まってきました。やはり流石、日本三大火祭りというだけあります。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03467-640x360.jpg)
今にも焼け落ちそうな松明、いやこれはもはや火柱です。
あまりの炎の勢いに魅入られていた時、私はハタと気づいたのです。いや、薄々気づいていたことをハッキリと認識したと言うべきでしょう。
「松明明かし」は鎮魂祭。犠牲者を弔う祭りです。かつて東北の平定を企んだ伊達政宗の軍勢に対し、この地を治めていた二階堂氏の軍勢は勇猛果敢に戦い、多くの命が失われました。
この合戦で須賀川城は焼け落ち、町は火の海に包まれたのです。そう。この祭りはそんなありし日の再現に他ならないのです。
当時、二階堂氏に代わってやって来た新しい城主の前で、犠牲者の弔いを堂々とすることはできませんでした。そこで生き残った人々はムジナ狩り(!)と称して祭を続けたそうです。それから続くこと実に420年(過去を忘れていない!)。
(詳しい由来は下記をご覧ください)
http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/2727.htm
「焼き打ち」に「火攻め」。日本史好きなら一度は目にしたことがあるであろうそれらの言葉も、実際に眼前の光景として見せられると…。口に出す言葉が見つかりません。
「おのれ、魔王・伊達政宗め。許すまじ!」しかし、そんな感傷にふけっていたとき、事態はシュールに急展開します。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03495-640x360.jpg)
爆炎の前に現れたのは、地元の中学生と思しき応援団。男子に混じって女子部員の姿も見受けられました。燃え盛る炎に負けじと、熱いエールを送ります。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03514-640x360.jpg)
さらに、焼け渡る炎に向けてたなびく団旗まで登場!こんな所で男塾名物「大塾旗”喝魂旗”」が見られるとは。
燃え盛る炎をバックに団旗がたなびく異風景はまさにマッド・マックス!遠くから太鼓を叩く音も聞こえます。
そうか! 「マッドマックス 怒りのデスロード」のジョージ・ミラー監督は、これを見て火を吹くギターと太鼓隊のシーンを思いついたに違いない!(そんなわけない!)
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/omatsurijapan/DSC03527-640x360.jpg)
公園を離れ、遠くから見た光景は最早「山火事」そのもの。ほかの地域ではまず実行不可能でしょう。
日本三大火祭りにして、火祭りのなかでも最大級の観客動員数を誇る「松明明かし」。火の粉がかかると燃えそうなナイロン系の服は避けた上でぜひとも参加してみては?
■須賀川 松明(たいまつ)あかし
日程:11月第2土曜日
場所:福島県須賀川市五老山(翠ヶ丘公園内)
http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/taimatsu/
【この奇祭がスゴい!オマツリジャパンの他のレポート】
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/kotsubu/20170228_oj101.jpg)
◆組体操のルーツはグンマーにあり?! 月夜に裸でもつれ合う、みなかみの「ヤッサ祭り」
◆「こ、殺す気かぁ~~」と聞こえてきたあなたはもはや中毒者。大森の水かけ祭り・水止舞
◆見るなよ!絶対に見るなよ!ランチタイムに会社で絶対に見るなよ!天下の奇祭・珍祭かなまら祭り
(オマツリジャパン)