もう緊張しない!初心者が美術展を10倍楽しむ5つのヒント

2017/12/19 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)


美術館で開催されている展覧会(美術展)に出かけるのって初めてだと何かと緊張するものです。

本来、美術館はあまり気取らず気軽にぶらりと訪ねる場所ですが、映画やコンサートに比べると敷居がとても高いように感じてしまいます。



美術館が縁遠く感じてしまう人は、難しく堅苦しいマナーが存在していると思い込んでいるのではないでしょうか。でも大丈夫です。そんなものはありません。

ただ、展覧会をより楽しむために知っておいた方がよいことは幾つかあります。老婆心ながら美術館初心者向けに、自分が実践していることを含めご紹介しますね。

その1:自分のアンテナに引っかかる展覧会に行こう。

よく「どの展覧会がおススメですか?」と聞かれるのですが、正直答えに窮してしまいます。こちらが良いと思って推した展覧会であっても、他人が観たらちっとも面白くなかったなんてこと十分にあり得ます。

レストランだったらそこまで迷うことなく、自分の好きなお店を勧められるのですが、展覧会となると相手の好みが分からないと何とも致しかねません。



他人に聞くよりもサクッと「#美術館」「#展覧会」でTwitterやインスタで検索かけてしまいましょう。そして直感的に「これ観たい!」と自分にビビッときた展覧会に行きましょう。そうすればハズレはありません。

服を選ぶ時や、人との出会いもよくよく考えてみれば「自分の直感」勝負です。美術館に行くときもそれを存分に生かして下さい。

2:予習はする派?しない派?

観に行く展覧会がきまったら、その展覧会について予習をどれくらいするのが良いでしょう。

これは人によって好みが分かれる問題です。事前に美術館や展覧会の公式サイトやブログなどの情報に目を通したり、関連する本を図書館で読み漁ったりする「予習派」ですか。

それとも、情報は完全にシャットアウトしてノー勉で会場入りする「非予習派」ですか?



個人的には全く予習していかないよりも、ある程度知識は入れておいて行ったほうがより深く楽しめると思います。ただそれがマストというわけでもありません。

それでも、受験前に赤本の一冊は目を通すように、ある程度の事前準備は必要でしょう。なにもお金や時間をかける必要はありません。ネットの情報だけでも十分事足ります。

展覧会の内容だけでなく、混雑状況などの情報も含めて。

3:身軽になって観よう。

展覧会会場に入る前に、美術館には無料のコインロッカーコインロッカーが必ずあります。そこへまず荷物や上着(特に冬場はコート類など)を預けましょう。

会場内は絵の保存の観点から一定の温度・湿度に保たれています。長袖のシャツ一枚くらいがちょうどよく感じる室温です。間違ってダウンジャケットなどを着たままで入ると、途中で気分悪くなりかねないので要注意です。

また、最近はリュックや肩掛けタイプのバッグが流行っていますが、それらも人の多い展示室では邪魔となります。それよりも何よりも重い荷物を持ったままだと気持ち的にリラックスできず折角美術館に来ても絵に集中できません。



少し出来る人を装うなら、財布やiPhoneだけを小さなトートバックに入れ替えて、近所を散歩ついでに展覧会を観に来たような身軽さで会場入りしましょう。

因みに、海外の美術館だと荷物をクロークに預けないと会場に入れないところも多くあります。いつの日か海外美術館デビューを果たす日に備えておく意味でも、身軽になって作品と向かい合うようにしましょう。

4:会場では自由に動き回ろう!

展覧会は作品(絵や彫刻)がバラバラに展示されているわけではなく、展覧会の趣旨に沿って学芸員さんが知恵を絞って作り上げた「叙事詩」のようなものです。

基本的には初めから順番に観て行くのが良いのだと思いますが、それがマストではありません。

例えばある絵の前に観るための順番待ちが発生しているのに、隣の次の作品はガラガラだったとしたどうします?自分は迷わず空いている方から観ます。



観る順番はほぼ考慮しなくて良いのです。

会場内を順序よく(礼儀正しく)鑑賞するよりも、自由に動きながら観ましょう。「これいいな~」と思えた作品があれば何回でも観ても良いのです。

2フロアに会場が分かれている展覧会で、1階の初めに観た作品がどうしてもまた観たくなって、それだけを見るために2階から下がるなんてこともしばしばです。

日本人って変なところで律儀なので、順番通りに列に並んで観ている方多いのですが、それに倣う必要は全くありません。

5:感動を記録に残そう。

折角観に行った展覧会です。感想を記録に残しましょう。

何も一枚一枚詳細な感想をメモ帳に記せと言っているわけではありません。そんな面倒なことバイト代もらってもやりたくありませんよね。

ここで提案している「記録に残す」とは、気に入った作品や何か知らないけど心に引っ掛かった作品をマーキングしておくことです。

展覧会会場入口付近に必ず「展示作品リスト」が無料配布されています。これに書き込んで行くだけ簡単な作業です。


「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」(東京都美術館)作品リスト

美術評論家ではないので、「超よかった」とか「全俺が惚れた」とか普段使いの言葉でOK!それすら書くのが面倒なら、作品リストの番号に〇や◎など印をつけておくだけでも十分です。

何らかの形で記録に残した作品を、帰宅後ネットで調べてみましょう。会場で分からなかったことが山ほど出てくるはずです。これがまた知的好奇心を刺激するのです!

こうして、何回か展覧会に足を運ぶうちに、いつの間にか美術館なしでは生活できない立派な「美術ファン」に成長します。



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美術展の手帖

美術展覧会に日常的に足を運び、その楽しみが人生に欠かせなくなっている人のための、展覧会をきちんと記録しておくための手帖。展覧会名、展覧会場はもちろん、展覧会に足を運んだ日時・天候・印象に残った作品・同行者を記載できる欄を設け、展覧会チケットの半券を貼ることができるようにする。さらには購入したグッズ、その日の食事など、展覧会に出かけた日にまつわる項目が丸ごと記録できるような欄を設けて、かけがえのない一日が、あとから見返したとき、きちんと思い出せるような作りにする。