スター・ウォーズが大好きなお寿司屋さん「美奈吉」がスゴイ!

2017/10/16 16:40 吉村智樹 吉村智樹

▲きゅうりを彫ってつくられたダース・ベイダーやストームトルーパーなどスター・ウォーズのキャラクターたちが「スシ」の前に集結!


こんにちは。
関西ローカル番組を手がける放送作家の吉村智樹です。
今週から、僕が住む関西の耳寄りな情報をお伝えしてゆきます。
今回はその第1回目となります。




さて、映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の予告編が公表されましたね!
一般公開は12月15日
ファンの方々にとっては、待ち遠しい日々なのではないでしょうか。


全世界に星の数ほど熱狂的な愛好家をもつ「スター・ウォーズ」
関西にも、マニアたちがたくさんいます。


大阪の門真市(かどまし)にあるお寿司屋さん「美奈吉」(みなよし)の大将も、スター・ウォーズが大好き
そして、料理人ならではの技法で、宇宙へ向けてスター・ウォーズへの熱い想いを表明しているのです。


■大阪にスター・ウォーズが大好きなお寿司屋さんがあった!


京阪本線「大和田」駅を降りて南へ歩くと、住宅がひしめくなかに、ぽつんと一軒のお寿司屋さんが現れます。



▲かなり入り組んだ住宅地。この道を進むと目指すお寿司屋さん「美奈吉」がある



▲いなせなのれん。お寿司屋さんらしい外観。特に変わった様子もない


「御寿司 美奈吉」と染め抜かれたシンプルな暖簾。
こていで飾らない造り。
一見して「ご近所にあるとうれしい、端正に握られたおいしい寿司がいただけるお店」という雰囲気。
外観からは、よもやスター・ウォーズ・ラヴァ―が営むお寿司屋さんだとはとうてい思えません。


ところが、お店に入ると!


……あれ?
やっぱり外観の通り、ごく普通な、清潔で整然としたカウンター式の内装。



▲手前にBB-8がいる以外、シンプルな店内。スター・ウォーズ・マニアらしい雰囲気はまだ感じられない


かろうじてBB-8をあらわした缶のオブジェが置かれているのみ。
ネタケースのなかには確かに新鮮な魚’sが並んではいますが、スター・ウォーズのグッズがところ狭しとずらり!……というわけでもない。


■お寿司屋さんの大将は知る人ぞ知るパフォーマー


この方が、1973年創業「美奈吉」二代目ご主人、角興継(かど・おきつぐ)さん(45歳)。
寿司を握って二十年。
先代から受け継いだ腕で、江戸前の握りも浪花の押し寿司もともに味わわせてくれる実直な職人さんです。



▲江戸前も大阪寿司も味わえる「美奈吉」二代目ご主人、角興継(かど・おきつぐ)さん


そして、もうひとつの顔が、スター・ウォーズの熱狂的なサポーター



▲寿司からライトセーバーへ、握るものがチェンジ!


幼少期にテレビ初放映のスター・ウォーズを観て以来、のめりこみ、「人生の半分を捧げた」というほどの熱狂ぶり。
ファンコミュニティ「ジェダイ・オーダー・ジャパン」のヘッドを継承。
自らもコスプレをし、映画館や各種イベントに登場しては、スター・ウォーズ仲間たちから指導を受けた殺陣や寸劇まで披露する、知る人ぞ知るパフォーマーでもあります。


▲作品公開時にはオビ=ワン・ケノービに扮して駆け付けた



▲「ジェダイ・オーダー・ジャパン」の仲間たち


とはいえ、店内からはそういったスター・ウォーズへの信奉の様子は見受けられません。

そう、角さんは、店内にグッズを飾ったりするのではなく、和食の神髄である野菜の「むきもの」をお寿司に添えることで、スター・ウォーズ愛を表現しているのです


■野菜でスター・ウォーズへの愛を表現


まずは、これまでお寿司に添えられたスペイシーな作品の数々をご覧ください。



















































▲野菜だけではなく、ちらし寿司で表現することも


すごいでしょう?
スター・ウォーズに登場する人気キャラクターや乗り物が、見事に野菜で表現されています。
野菜彫刻をプラスすることで、お寿司が一気に銀河へ。
シスの暗黒卿ならぬスシの桃源郷ですよこれは。


実は角さん、野菜彫刻のヨーロッパ選手権大会で4位という好成績をおさめた、世界に名を馳せる野菜アート作家
角さんの野菜彫刻のすごさは、スター・ウォーズに挑戦したことで、よりいっそう可視化することとなりました。


たとえば、さといもの一種「セレベス」で彫った「ミレニアム・ファルコン」。
あの尋常ではない複雑な造形を野菜で表現できる料理人には、そうはいないでしょう。



▲さといもの一種「セレベス」で彫った「ミレニアム・ファルコン」


■「スター・ウォーズ野菜彫刻のお代はいただきません」


見ているだけでワクワクしますが、心配になるのがお値段。
これらをお願いするのには、おいくらかかるのでしょう。



「営利目的でやっているのではないので、スター・ウォーズの野菜彫刻のお代はいっさいいただいていません。ただ急には造れないので、ご予約をいただいてからお出ししています


え! 料金を受け取らないって、角さん、天使なの?



▲お寿司に添えるだけではなく、宴席に供する煮物の具材も予約可。相談に乗ってくれる











■友情から生まれたスター・ウォーズ野菜彫刻


それにしても、なぜ野菜でスター・ウォーズを表現しようと思われたのですか?



「2005年の『エピソード3』公開時に、スター・ウォーズ好き仲間『ジェダイ・オーダー・ジャパン』のメンバーが10人ほどでうちの店に遊びにきてくれたのがきっかけです。『これはなにか作ってお返ししなければ!』と、大慌てで冷蔵庫の中を探したら人参があったので、R2-D2を彫りました。その時のみんなの爆発的な反応がうれしく、忘れられず、今もその日の続きを作っている気がします。ですので僕のスター・ウォーズ・カービングは、友人たち抜きには生まれなかったものなのです


スター・ウォーズの魅力は、友情の真価を問い、絆の強さが描かれていることにあります。
角さんが手がける野菜彫刻も、単にスター・ウォーズのキャラクターを彫っているだけではなく、仲間たちとの絆のなかで誕生したものだったのです。



▲想いをともにする友人に喜んでもらいたくて始めたスター・ウォーズ・カービング。その後、その手のひらから、奇跡が起きることとなる





■本国で認められたスゴい技術


こうして、角さんが彫る野菜のスター・ウォーズのスターたちはファンの間に口コミで広がり、遂にルーカスフィルム主催のイベント「スター・ウオーズ・セレブレーション」に招かれ、アメリカ本国にてスター・ウォーズの野菜彫刻を披露したのです
これは和食帝国の逆襲と呼んで大げさではない快挙!



▲角さんが彫る野菜彫刻の噂は本国へも伝わり、「スター・ウオーズ・セレブレーション」へ招かれ、世界中のファンの前でその腕を披露することとなった



▲アメリカのプレスの取材を受ける角さん



▲披露した作品群



「スター・ウォーズは人生の一部になっているので、いまさらやめられないですね。2005年から2015年にかけて10年の空白期間がありましたが、その間もまったく想いは褪せることなく、ずっと憧れ続けてましたから。スター・ウォーズには人生の悲喜こもごもがすべて詰まっている。学ぶことが本当に多いんですよ


『スター・ウォーズ』シリーズの第1作目が公開されたのが1977年。
ほぼ40年の歴史をたたえる、親子で語り合える作品です。
カウンターで大将が握るお寿司をつまみながら、親と子が新作の感想をのべあうなんて、素敵じゃないですか。


フォースと共にあらんことを願いつつ、おいしいお寿司を囲みましょう。



寿司ビストロ「美奈吉」
住所●大阪府門真市野里町39-3
営業時間●12:00~14:00 18:00~22:00
電話●072-882-3355
定休日●木曜日
URL● http://minayoshi.net/


というわけで今回から始まりました「関西大紀行 気になるウエスト!!」
関西・近畿(ウエスト)エリアの気になるお店、スポット、人、シーンを取材してまいります。
ぜひとも情報などをお寄せください。
馳せ参じます。



(吉村智樹)
https://twitter.com/tomokiy