「夢は諦めないで!」韓国で活躍する日本人「高田健太(タカダケンタ)」とは?

2017/8/24 11:00 西門香央里 西門香央里




韓国の芸能事務所には「練習生」と呼ばれる、デビュー予備軍が沢山います。今、表舞台で輝いているアイドルやアーティストたちのほとんどが、このような練習生時代を過ごしてきました。彼らはデビューを目指して日々練習や訓練にいそしんでいるわけですが、誰もがデビュー切符をつかむわけではありません

去年韓国で始まり話題になった「PRODUCE 101(プロデュースワンオーワン)」は、様々な事務所から集まった101人の練習生の中から、11人のデビュー組を決めるという、過酷なサバイバル番組。シーズン1では女性練習生から「I.O.I(アイオーアイ)」が生まれ、人気を博しました。第2弾であるシーズン2は男性練習生が主役



その「PRODUCE 101 シーズン2」には、実は日本人の練習生が1人だけ参加していました

彼の名前は「Takada Kenta(高田健太、タカダケンタ)」


▲「PRODUCE 101 シーズン2」でのTakada Kentaの自己紹介動画

出演するメンバーが発表されたとき、「日本人がいる!」ということで、日本のファンの間でも話題になりました。そのTakada Kentaがこの度、自身のファンミーティングのために日本に戻ってきました!今回は、メディアに向けて行われた記者会見の様子をお伝えしたいと思います。「PRODUCE 101 シーズン2」の話題もいっぱい話してくれましたよ。


■「PRODUCE 101 シーズン2」で映った時間はたったの8分ちょっと!



Takada Kentaは「PRODUCE 101 シーズン2」の全12回放送の中で10回までに登場。その中での放送分量はたったの8分54秒だったというから驚き!最終的には24位ということで、残念ながらデビュー組に残ることはできませんでしたが、たった8分という分量でここまで食い込んだのは、歌とダンスで発揮された彼の魅力にやられた「国民プロデューサー(視聴者のこと)」が多かったからでしょう。

実際、筆者がソウルに行った時には彼の応援広告をいくつも発見し、その人気を実感しました。「こんなに人気があるんだ!すごい!」と、なんだか自分のことのように嬉しい気持ちになりました。

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▲Takada Kentaの応援広告!これこそ韓国ならではの応援の仕方!

8月18日にMnet主催で開催された「PRODUCE 101 シーズン2」ダイジェスト上映会にシークレットゲストとして出演。番組出演時に着ていた「あの制服」で登場したKentaに会場は「キャーーー!」という大歓声で大盛り上がりだったとか。上映会の後に行われた記者会見でも、「PRODUCE 101」の制服でにこやかに登場してくれました。

Takada Kenta(以降、Kenta)「こんにちは。高田健太です。日本では22歳で、韓国の年齢だと23歳になります。体重は56キロで、誕生日は1月10日、B型です。韓国語はまだ勉強中なのですが、これからも頑張っていきます。よろしくお願い致します」

と詳しいプロフィールとともにあいさつ。たくさんのメディアに囲まれて緊張気味でしたが、時折はにかみながらも笑顔でいろんな質問に答えてくれました。


■番組で得たのは「自信」と沢山の「友達」



2015年に一人で韓国に渡ったというKenta。「PRODUCE 101」の番組などの出演などもあったこの2年間で、彼にはどのような変化があったのでしょうか。

Kenta「こうやって仕事をさせていただいている中で変わったことはたくさんあります。特に「PRODUCE 101」に出たことで変わったことがあって、それは『自信がついた』ということです。

それまでは自分に自信がなかったのですが、番組に出て、たくさんの友達たちと同じ夢に向かって一生懸命やっていく中で、だんだんと自信が芽生えるようになりました。そういう部分が今までで一番変わったところかなと思います」

特に番組に出てからは、「最初と最後では顔が変わった」とよく言われたそう。それは、「自信」がついたことで得たものの一つだとか。

そして、もうひとつ番組に出たことで得たものがあるそう。

Kenta「もう1つ番組で得たものが「友達」ですね。「PRODUCE 101」では100人の韓国の友達と一緒にやれたということが大きかったです。

僕が最初に韓国に行った時は一人だったんです。だから、ずっと友達がいない中で1年間練習生生活をしてきました。番組に出て同じ夢を追いかける友達に出会って、一緒に一生懸命頑張れたということが、今回得たことの一つかなと思っています」


■「PRODUCE 101」で常に支えあってきた仲間たち



「PRODUCE 101」は、前述したとおり「デビューできる11人を決めるサバイバル番組」。ついついバチバチのバトルを想像してしまいますが、実はそんなことはなかったそう。そんなエピソードを教えてくれました

Kenta「番組出る前まではすごい緊張して、『友達できるのかな』とか、『みんなと仲良くできるかな』とか、『バチバチなのかな』とか思ってたんですが、実際はそういうことは一つもなくて、本当にみんな『お互いのために頑張る』というところがすごくありました。お互いが辛い時期だったり、怪我したりとか、体調が悪いとか、そういう時はみんなでカバーするということが多かったです。こういう時に、チームワークということを強く感じました

みんな同じゴールに向かって進んでいるので、その途中で感じる辛いことはみんな同じなんです。その気持ちを分かち合える分、みんなでカバーしあえる力も大きかったのだろうと思います。」

番組放送期間中は、お互いを助け合っていたというエピソードはとてもいいですね。逆にKentaの方から他のメンバーに与えられたものがあったのでしょうか?

Kenta「僕が出演者に与えられたことの一つで、特に大きかったのは日本語じゃないでしょうか(笑)

メンバーには日本に興味のある子達がとても多くて、僕に『日本語を教えて~』とか、『日本ってどうなの?』とか聞いてくる子が沢山いたんですね。そういう子たちに対して、日本の文化だったり、日本語だったり教えられたというのは、良かったなと思っています。

それともう一つ、僕は常に『大変でも明るくいよう』という気持ちがあるんです。それを友達たちが『いつも明るくていいね』と言ってくれたので、それはいい意味で与えられたのかなと、思っています」

Kentaの明るさは、今回の記者会見でもとても強く感じました。彼が前向きでポジティブであったことは、周りのメンバーにもいい影響を与えていたのではないでしょうか。


■「WANNA ONE」のことは心から応援している!



番組内から選ばれた11人で結成されたのが「WANNA ONE(ワナワン)」。8月7日に正式デビューを果たし、リード曲である「Energetic」は、8月23日時点で7冠を達成!また、デビューミニアルバム「1×1=1(To Be One)」の音盤の売り上げもEXOや防弾少年団に続く枚数を達成したとか。


▲Wanna One「Energetic」

最近では、海外公演のために仁川空港からの移動の際に、あまりの人気で空港がマヒするということで、別ルートを通って出国したということでも話題になりました。韓国における「ワナワンブーム」は一種社会現象のようになりつつありますが、日本でもCDショップでの完売が続出したりと、人気ぶりを発揮しています。いま、韓国では一番勢いのあるグループになっています。

この「WANNNA ONE」について、Kentaはどのように感じているのでしょうか。

Kenta「もちろん僕もWanna Oneになりたくて「PRODUCE 101」でやってきたわけですが…。他の出演者たちも僕と同じだと思うんですけど、彼らのことは本当に心から応援しています。

さっきもお話しした通り、みんな一つの夢に向かって頑張った仲間なんです。だからこそ、お互いが競争相手ではありながらも、応援する気持ちというのがあるんです。お互いがお互いを応援する気持ちは、普通に活動している人たちよりも、すごく大きいんじゃないかなと思います。だから、僕は彼らの活躍が心の底から嬉しいです!

Wanna Oneのことは「同じ夢に向かって頑張った仲間として、心から応援したい」と話してくれたKenta。番組内でもWanna Oneのメンバーと過ごすこともあったわけですが、彼が知るメンバーのエピソードをちょこっとだけ教えてくれました。

Kentaカン・ダニエルは、テレビでもその部分は少し出てたと思うのですですが、すごいイラズラ好きだと思います。でも、他の友達にイタズラとかしたりしながらも、『やる時はやる!』みたいな子ですね。リーダー気質もあり、メンバーを盛り上げられる、そんな子です。

▲ヌナ(お姉さん)に人気のカン・ダニエルはいたずら好き

パク・ジフンは、チュッパチャップスが大好きで(笑)。僕もたくさんもらったんですけど(笑)(番組放映中)寝れなくてみんな大変だった時に、200個くらいチュッパチャップスをカバンに入れて持ってきたんですね。それをみんなに分けてくれて。その時はみんなすごく助かってたと思います(笑)」

▲200個のチュッパチャップスを持ってきた、パク・ジフン

そして、Wanna Oneのミニアルバムにも収録されているバラード「Always ( 이 자리에・この場所で)」がとても思い出に残っているとか。

Kenta「この曲は「この場所でまた会おう」という、励まし合うような内容になっているんです。その曲の歌詞と、僕たち練習生が実際に経験したこととリンクしてて、今でもその曲を聴くと番組のことを思い出します。だから、僕はこの「Always ( 이 자리에)」がとても好きな曲なんです」


▲最後のライブで披露された「Always (이 자리에)」

番組の最後のライブで、35人で歌ったという「Always (이 자리에)」。改めて聞いてみると、「PRODUCE 101」のメンバーの関係をもっと深く知れるかもしれませんね。


■オタクからアイドルへ…夢は諦めないこと!



元々、TEENTOP(ティーントップ、ティンタプ)のファンとして有名だったKenta。ファンとしてオタクをしながらも「自分もアイドルになりたい!」と夢見て、日本でもダンスグループに所属していたことも。そして2015年に一人で渡韓して韓国での練習生生活を始めました。

そんなKentaのように、韓国で活躍したいと思っている人もきっといるはず。同じように夢を持った人たちに、「成功したオタク」であるKentaからアドバイスを聞いてみました。

Kenta「僕もK-POPを好きになってから、先輩たちの舞台を見て「ああなりたいな~」という気持ち一つで諦めずにここまで頑張ってきました。だから、「頑張りたい」と思っている方々には、僕も舞台の上での姿で思いを伝えていけたらなと思っています。

僕も諦めかけたりしたこともあったのですが、「諦めない」ということが一番かなと思います。諦めずににいれば、皆さんの夢も絶対に叶うと思うので、頑張ってほしいと思います!」

夢に向かって頑張ってきて、今の場所まで来たKentaだからこそ伝えられる、心強いメッセージですね。

でも、そんな自分のオタク時代の写真を見せれるのが一番くすぐったいのだとか…。

Kenta「僕も(オタク時代)その時は一生懸命だった分、すごいもの(写真や動画)がいっぱい出回っていて…(笑)そういうものをメンバーが未だに見せてきたり送ってきてくれたりするんですけど。見るたびにすごくくすぐったいですね」


■「もっと成長して日本に戻ってきます!」



番組終了してから初めて日本に戻ってきたKentaですが、今回のファンミーティングは多くの日本のファンが集まり大盛況の中で終了。今回の記者会見にも、デビュー前というのに多くのメディアが集まり、彼への注目と期待の高さを感じました。

記者会見の最後には「韓国に帰ってから一生懸命練習をして頑張って必ずまた日本に帰ってきたいと思っていますので、その時にまたお会いできたら嬉しいと思っています」と、彼らしい丁寧で前向きなメッセージをくれました。

「PRODUCE 101」終了後、CMに出演したり、ドラマのOSTに参加されたりと大活躍中のKenta。近々グループでのデビューも予定されているとかで、いよいよ彼の夢が現実になる日が近いのかも?


▲Takada Kenta X NewTownBoyz「Wanna be with you」

次回は「K-POPアイドル Takada Kenta」として大きくなったKentaに会えることでしょう。その日を首を長くして待っていたいと思います♪

それでは、また!アンニョ~ン♪


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(取材・写真:西門香央里)