松潤「濃密な作品になった」松本潤と有村架純が登壇、映画「ナラタージュ」レッドカーペット&完成披露試写会

2017/8/23 19:19 柚月裕実 柚月裕実





8月23日、TOHOシネマ六本木ヒルズにて、映画「ナラタージュ」レッドカーペット&完成披露試写会舞台挨拶が行われ、 主演を務める嵐の松本潤、有村架純、そしてメガホンをとった行定勲監督が登壇。ファンの歓声を浴びながら映画の完成を報告した。

3人の姿が見えると黄色い声援が飛び交う会場。レッドカーペットが敷かれた大階段を前に、有村の手をとってしっかりとエスコートする松本。ゆっくりと階段を降りる3人、晴れやかな笑顔を見せた。

松本潤から一言ずつ挨拶が始まる。
「みなさんに見ていだけるタイミングになりました、ワクワクしています。たくさんの人に愛していただく、そんな作品になったらいいなと思います」


大人の色気たっぷりの黒いドレス姿の有村は、
「本当にこの日がくるのが楽しい反面、不安反面だったのですが、見ていただいたみなさんに何か心に残るものがあればいいなと願っております」

「1年間経ちまして、やっとみなさんに見ていただく機会をいただきました」と、感慨深げに語る行定勲監督。

原作は島本理生、2006年「この恋愛小説がすごい」で第1位を獲得した純愛物語。撮影は去年の夏に行われたが、映画化の話が出たのはなんと12年前だという。そこからキャスティングなど構想10年をかけたと話す。

「この映画は10年間粘りに粘ってやっと映画化した。ここにいる松本潤くんと有村架純さんに出会うことで素晴らしい映画になったと思います。自信をもっとお届けできると思いますので、ぜひともたくさんの方に見ていただきたいと思います」


■映画「ナラタージュ」完成披露舞台挨拶


Photo by 映画「ナラタージュ」オフィシャル

松本が演じる葉山の役どころは、高校で演劇部の顧問を務める教師役。
「暑い中お越しいただきありがとうございます。去年の夏に撮っていて、今日は楽しんで行ってください」
深々とお辞儀をした。


演劇部の元部員で葉山の教え子役の泉を有村が演じる。
「大人の恋愛を23歳で演じられたことは一生忘れない」と力強く語った。

10年かかった理由として。キャストがうまくハマらなかったと行定監督。
「10年待って、ここにいる二人と出会いました。この作品はある種リスクの高い部分もあると思うんですけど、この映画を一緒に作ってこくれることを受け入れてくれて今日を迎えられたと思っています。2時間20分あるんですけど、あっという間だと思います。濃密な時間を楽しんでいって欲しいと思います」

出演が決まった時の感想を聞かれると松本は、
「嬉しかったです。行定監督の作品でお声がけいただけたことすごく嬉しかったですね。以前、プライベートでお会いしたことがあって、いつか面白い作品があった時にやれたらいいねって言ってくださったのを思い出して、本当に声をかけてくださったんだなと思ってすごく嬉しかったのを覚えています」

それと同時に、台本を受け取ったときに戸惑いもあったと話す。
「葉山っていう人物の描写があまりにも少なかったので、どういう風に演じるか、それを読む限りでは意図があまりわからなかったので監督とプロデューサーの小川さんにお会いして、そこで話を聞いたときに、こういう風にやりたいんだ、葉山ってこういう人物したいんだっていう言葉がすごく素敵で。その言葉を聞いたときに同時に楽しみになり、やらせていただけたことが嬉しくなります」

有村は、
「監督とご一緒できるんだって思ったことにすごく感激して、それから行定さんが作る大人の純愛ラブストーリー、ナラタージュと言う作品がどのように展開していくのか楽しみもあり。とっても難しい役でもあったので、緊張してましたねクランクインするまでは」

現場に入ってからは気は抜けなかったものの、肩の力は抜けたと微笑む。



Photo by 映画「ナラタージュ」オフィシャル

ーー構想10年、作品のどこに惹かれましたか?

行定監督「恋愛っていうのは非常に曖昧なもので。実際にやっている人間ってどの程度ね自分が激しい感情に絡め取られてるかってのが、わからないもんなんだろうなってことが非常に克明に描かれているですね。激しさ…先生と元生徒という関係なのですごく抑圧している関係なんですね。その中で感情の揺れ動きがものすごく彼女の方にはあって、先生は一向に謎なんですよ。この二つを映像化するっていうのは、非常に共感が得られるんじゃないか」

恋愛のやり方とか今までの恋愛の数をしてきた、恋愛の数を知っている人とか知らない人では見方が変わる映画と監督。

「一番身近に感情がそれぞれの生活の中で、感情が一番揺れ動かされあるのは恋愛だと思うので。いうならばかつて日本映画が、たくさん作っていた堂々とした恋愛劇っていうのはすごくたくさんあって、成瀬巳喜男監督の映画とか。そういう映画に近いものが作れたらいなっていう感じで、それをこの小説ならばできると思ってずっと粘って、なんとか制作にこぎつけたっていう感じです」

「ナラタージュ」の撮影は2016年の夏、主に富山県内で行われたという。

ーー苦労された点は?

松本「苦労はあまりなくて、ワンシーンワンシーン丁寧に撮影できた印象です。富山で撮影をできたことで、絵のオリジナリティというか、すごく独特な世界観が広がっていると思います」
富山じゃなければ成立しない状況はすごいたくさんあると思うと語り、特にラストシーンを強調。
「行けてよかったと思いますし、そこで演じられたからこそ出た空気ってたくさんあると思います」

作品の世界観とロケ地があっていると有村。
「出てくる事物の衣装がちょと今じゃない感じと言いますか、ノスタルジックな雰囲気を持ちながら、作品に力も添えてもらっているんですけど、富山の廃校をお借りして撮影したり海辺とか、ラストのシーンだったり」
ベストマッチな場所がたくさんあったと思いを馳せた。


主題歌「ナラタージュ」はRADWINPSの野田洋次郎が作詞作曲を手がけ、adieuが歌う。
本日初披露となった主題を聞いて、「見終わったみなさんの心をそっと包んでくれるような温かみのあるような、素敵な曲」と松本。
有村も「adieuさんの歌声が、泉の気持ちをすごく表してくれていて、儚くてもろい、でも力強さも感じる」エンディングで聞いたときに思わずうるっときてしまうと主題歌と作品の相性の良さを伝えた。


ここでサプライズ。
8月30日は、松本潤のバースデーということで、会場からお祝いのケーキが運ばれる。
「ナラタージュ」と「潤」をミックスした「ナラタージュンケーキ」が登場。


Photo by 映画「ナラタージュ」オフィシャル


会場からは大きな拍手と、おめでとうと声がかけられ、
「まさか、タイトルと僕の名前でギャグができるなんてね。このタイミングで完成披露があって、祝っていただけて嬉しい」と笑顔を見せた。

監督からは
「松潤おめでとう。34ですけどね、大人のかっこいい男だなと覆ってるんで、大人ぶりを見せてもらって 正義感強すぎるくらい強いんで、かっこいいい松潤でいて欲しいと思います」

続いて撮影に入るときに、スタッフがケーキをいじると……
「ジュンの『ン』は抜くんですか!?刺しておいてくださいよ!(笑)」

これには会場からも笑いが漏れる。「そりゃそうですよね」と撮影に望んだ。

完成披露と誕生日のお祝いとダブルでおめでたい日となった松本、晴れやかな表情で最後に締めくくった。
「昨年の夏に、心血注いで参加させていただいた作品です。とっても素敵で、とっても苦くて、とっても濃密なラブストーリーが出来上がったという風に思っています。たくさんの人に長く愛される作品になったらいいなという風に思っています。ぜひよろしくお願いします」

4年ぶりの映画主演を務める松本潤と、NHK朝ドラに映画にと女優として圧倒的な活躍をみせる有村架純。 人気俳優の共演でみせる純愛物語、注目を集めそうだ。
公開は10月7日(土)全国ロードショー。


映画「ナラタージュ」
出演:松本 潤 有村架純
坂口健太郎
大西礼芳 古舘佑太郎 神岡実希 駒木根隆介 金子大地/市川実日子 瀬戸康史

監督:行定勲

原作:島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊)
脚本:堀泉杏
音楽:めいなCo.

配給:東宝=アスミック・エース


(柚月裕実)