日本の夏、KTの夏。バブル期の杉山清貴CMが爽やかすぎて辛い。

2017/7/19 12:35 DJGB DJGB


「まるで別人のプロポーション」になっていませんか。

こんばんは、夏の日のバブル時代研究家DJGBです。

今年も暑い夏になりそうです。

サザン、TUBE、湘南乃風、、、夏を感じるアーティストは多いですが、ことバブル期の“夏”アーティストと言えば、KTこと杉山清貴を外すわけにはいきません。あの古舘伊知郎をして「積乱雲の恋人」と言わしめた彼と言えば、スタジオでも頑なに外そうとしないサングラス姿がトレードマークでした。




海辺のハイウェイが脳裏に浮かぶサウンドと、林哲司、売野雅勇といった作家陣が紡いだアダルトな世界観、そしてKTの甘い声は、バブル期のリゾート気分にピタリとハマります。

今日はそんな杉山清貴が起用された、バブル期のCMをふりかえります。



■KTと蜜月関係を築いたJALとダイドー

杉山清貴&オメガトライブの楽曲が初めてCMに採用されたのは85年。「ジャルパック」85年夏のキャンペーンソングとして制作された「ふたりの夏物語-NEVER ENDING SUMMER-」は、オリコン累計38万枚を売り上げる同バンド最大のヒット曲となりました。




続くシングル「サイレンスがいっぱい」もドラマの主題歌としてヒット。ところがこのころ、杉山はバンドメンバーに解散の意向を明らかにします。「夏」のイメージから脱却し、個人として新しいチャレンジを模索したい、という理由からでした。

同バンドの最後のシングル「ガラスのPALM TREE」は、ダイドーの新しい缶コーヒー「ジョニアンコーヒー」のCMソングとして採用。KT本人も、CMに初出演を果たします。

●DyDo「ジョニアンコーヒー」『味がキレイだ』(85年)



デビューからわずか3年。12月のライブを最後に杉山清貴&オメガトライブは解散しますが、ダイドーはソロデビューした杉山を引き続きサポート。曲は、86年5月に発売された「さよならのオーシャン」です。

●DyDo「ジョニアンコーヒー」『味がシャープだ』(86年)



翌87年も「ジョニアンコーヒー」のCMに出演。KTはこの「水の中のAnswer」で初のオリコン1位を獲得。今のオリコン1位とはワケが違います。二日酔いで撮影に臨んだというエピソードが残るCMがこちら。

●DyDo「ジョニアンコーヒー」『オシャレな味だね』(87年)



肝心の「ジョニアンコーヒー」の味がキレイなのかシャープなのかオシャレなのかは永遠の謎です。



■JAL復活を託されたKT

「ふたりの夏物語-NEVER ENDING SUMMER-」がヒットしていた85年の夏、航空史上最悪の事故が発生します。日本航空123便墜落事故です。当然、「JALPAK」のCMも放映自粛となりました。




CMソングに責任は無いとはいえ、あれだけの大惨事。アーティスト側もイメージを気にしそうなものですが、杉山は翌86年もJALのCMを歌い続けます(「最後のHoly Night」)。

大事故、完全民営化を経て、JALが本格的に広告活動を再開するのは87年。ハワイ線のCMに起用されたのは、ドラマ「あぶない刑事」「パパはニュースキャスター」で人気を集めていた浅野温子と、KTの「SHADE~夏の翳り~」でした。

●JAL「ハワイはJALOHA」(87年)



翌88年、JALは、元旦から企業イメージの刷新を図る新CMをオンエアします。キャッチフレーズは「夢に翼を。」。新生JALをアピールするため、整備士や地上職などあえて裏方にスポットをあて、誠実さを前面に出した、航空会社としては斬新なCMでした。

JALはこの重要なCMを、やはりKTのヴォーカルに託します。曲は「僕の腕の中で」。作詞・秋元康、作曲・林哲司、編曲・佐藤準という当代きってのポップスクリエイターが結集し、KTの爽やかなヴォーカルの魅力を存分に引き出します。

●JAL 企業CM 「夢に翼を。」(88年)



この年から刷新されたCA(当時はスチュワーデスと呼ばれていました)のユニフォームをアピールするバージョンも。シングル版とは歌詞やアレンジが異なる「僕の腕の中で」が聴ける貴重な1分CMでどうぞ。

●JAL 企業CM 「夢に翼を。」(88年)





■「この、イオンバランス飲料は、スポエネ、と呼ばれています。」

いっぽうのダイドーは88年、スポーツドリンク「スポーツエネルギー」を「スポエネ」として全面リニューアル。新たなイメージを訴求するため、スポーツ感が皆無のKTをCMに起用します。曲は「渚のすべて」

●DyDo 「SPO-ENE」(88年)



「この、イオンバランス飲料は、スポエネ、と、呼ばれています」 ってそのままじゃん!というツッコミは野暮です。

ダイドーのサウンドロゴが変わった翌89年のバージョン。曲はKT初のLAレコーディングによる「ROCK ISLANDS」

●DyDo「SPO-ENE」(89年)



「風のLONELY WAY」など、実は冬のヒット曲も少なくないKT。彼の夏のイメージは、バブル期に長く彼の曲をCMに使ったこの2社によるところが大きかったのです。



■今年の夏も精力的に活動中なKT

そんなKTは、デビュー31年目を迎えた今年の夏も精力的に活動中です。この夏は日比谷野音、大阪城野音の2つの野外ライブに出演。7月19日には、音楽とドライブをコンセプトとしたニューアルバム「Driving Music」もリリースしました。「スポエネ」のCMもほうふつとさせつつ、モダンさと、成熟した大人の雰囲気も漂うアルバムに仕上がっています。8月からは全国でアコースティックソロツアーも予定(詳しくはオフィシャルサイトで!)。




昨年からはひっそりと公式インスタグラム(@islandafternoon)も開設。音楽活動に加え、グルメ、特にラーメン、蕎麦など麺類への愛情が際立ちます。

!!!ラ・ムーとの貴重なツーショットも発見! そういえば、「モモコの瓶ジュース」もダイドーでした!

風の記憶。MVの一部youtubeで観られます(^ー^)ノ #風の記憶 #杉山清貴 #菊池桃子 #OCEAN

杉山清貴 KIYOTAKA SUGIYAMAさん(@islandafternoon)がシェアした投稿 -



バブル回帰ブームまっただ中の今年、KTの動向にも注目が集まりそうですね!

日本航空さん、杉山清貴、久保田利伸、石井竜也、KATSUMI、チャゲアスら歴代CM起用歌手が勢ぞろいするJAL夏フェス@ハワイとかいかがですか!

サプライズでジャネット・ジャクソン八神純子も登場を期待!


(バブル時代研究家DJGB)