美術史に名を残すスターの作品がずらり…「大エルミタージュ美術館展」に行くべし

2017/3/28 14:42 Tak(タケ) Tak(タケ)


六本木ヒルズ森タワー52F 森アーツセンターギャラリーで「大エルミタージュ美術館展」が開催されています。もう観に行かれましたか?



帝政ロシアの首都、サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館から美術史に名を残すスター的存在の画家の作品がやってきています。

世界の名だたる美術館から名品をセレクトし日本で展覧会を開催すること、年に何回もあります。ルーヴル、オルセー、メトロポリタン…少々食傷気味かもしれませんが、悪いことは言いません「大エルミタージュ美術館展」は観に行っておいた方が良いですよ。



単なる海外のメジャー美術館の引っ越し展ではなく「大エルミタージュ美術館展」では、16世紀ルネサンスから 17-18世紀のバロック・ロココのオールドマスター、巨匠たちの名画を国、地域別に紹介します。←ここが大きなポイントです!

つまり、西洋美術の歴史を女帝エカテリーナ2世(在位1762-1796)が蒐集した名画で探っていく「極上の西洋美術の教科書」を具現化したのがこの展覧会なのです。

展覧会で紹介していている国や地域は以下の通りです。各章ごとの絶対に見逃せない名画中の名画も掲載しておきますね。


第1章:イタリア:ルネサンスからバロックへ
第2章:オランダ:市民絵画の黄金時代
第3章:フランドル:バロック的豊穣の時代
第4章:スペイン:神と聖人の世紀
第5章:フランス:古典主義的バロックからロココへ
第6章:ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で


第1章:イタリア:ルネサンスからバロックへ

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》1538年
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18


第2章:オランダ:市民絵画の黄金時代

レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《運命を悟るハマン》1660年代前半
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18


第3章:フランドル:バロック的豊穣の時代

ヤーコプ・ヨルダーンス《クレオパトラの饗宴》1653年
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18


第4章:スペイン:神と聖人の世紀

フランシスコ・デ・スルバラン《聖母マリアの少女時代》1660年頃
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18


第5章:フランス:古典主義的バロックからロココへ

ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール《盗まれた接吻》1780年代末
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18


第6章:ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で

ルカス・クラーナハ《林檎の木の下の聖母子》1530年頃
©The State Hermitage Museum, St Petersburg, 2017-18


取り上げた6点だけでもお腹いっぱいではないですか。ティツィアーノ、クラーナハ、ルーベンス、ヴァン・ダイク、レンブラント、スルバラン、フラゴナール…美術に詳しくない方でも何度も目にしているオールドマスターたちが勢揃いしています。

ロシアへ行かずとも六本木で西洋絵画の巨匠たちの極上の作品に会えます。そしてそれらを通して自然と美術史の流れが身についてしまうのです。一石二鳥どころかそれ以上の効果がある展覧会なのです。

また、ロシアと言えば「チェブラーシカ」。チェブラーシカ・コラボグッズや選べる音声ガイド、六本木ヒルズのコラボメニューで盛り上げてくれます。


「大エルミタージュ美術館展」×チェブラーシカ・コラボグッズ
©2010 CMP/CP



音声ガイドはピースの又吉さんがナレーションを務める通常版の他にチェブラーシカ版が用意されています。


「チェブラーシカのオレンジパフェ」52階のカフェで3月31日まで販売。
©2010 CMP/CP


最後に、世界の名だたる美術館の開館した年を古い順に列挙してみると…エルミタージュ美術館(1764年)、ウフィツィ美術館(1769年)、ルーヴル美術館(1793年)、プラド美術館(1819年)、ロンドン・ナショナル・ギャラリー(1824年)、メトロポリタン美術館(1870年)、オルセー美術館(1986年)

圧倒的な歴史の長さを誇るのがエルミタージュ美術館であることが分かります。

西洋美術の歴史を世界に誇る名画と共に学べる展覧会「大エルミタージュ美術館展」は6月18日までです。新年度を迎え慌ただしい時かもしれませんが、そんな時こそ芸術にどっぷりひたってみてはいかがでしょう。


「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」


「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」
会期:2017年3月18日(土)~6月18日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー
(東京・六本木ヒルズ 森タワー52階・港区六本木6‐10‐1)
  http://www.roppongihills.com/museum/
主催:エルミタージュ美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、BS日テレ、森アーツセンター
公式サイト:http://hermitage2017.jp/


展覧会とリンクして、4月29日(土)より映画「エルミタージュ美術館 美を守る宮殿」(Hermitage Revealed)も劇場公開となります。



映画『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/hermitage/

※映画「エルミタージュ美術館 美を守る宮殿」試写会のお知らせ。
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4662


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