忘れられがちな91、92年ごろに光を…クイズ「アタック25年前」がアツかった!

2017/3/15 14:50 DJGB DJGB




問題:
91年12月にレギュラー放送開始の「ダウンタウンのごっつええ感じ」。第1回放送で、オープニングにてSTARRINGと表記された番組レギュラーは全部で15人。

まずは1人お答えください。


(松本人志、浜田雅功、、今田耕司、、、篠原涼子、、、えっ、、、15人もいた?)

※正解15人はこの記事のラストに!

こんばんは、バブル時代研究家のDJGBです。

先月、東京・下北沢で、その名も「アタック25年前」というイベントが開催されました。



事前告知によれば、平成元年~5年(1989年~1993年)をクイズでふりかえり、優勝者には「91,2王(=クイ・ズ・王)」の称号が与えられるとのこと。

一年を通じて、80年代後半~90年代前半のことばかりを思い出している私にとっては、真ん中高めに落ちないフォークボールが入ったようなもの。これは、勝負を挑むしかありません。


いざ、下北沢の会場へ。




受付でまず名前を記入。バブル時代研究家として、あえてハードルを上げての参戦です。




入場の際に、「ま」と書かれた謎の紙を2枚渡されましたがコレは…。






■出題されるのはすべて89~93年までに起きた出来事!

このイベントの主催者は、クイズ作家としてご活躍中のマサルさん(@1day1quiz)。

ふだんから「クイズを、もっと身近にカジュアルに楽しんでいただく」ことを目的に活動されており、これまでも推理小説に関するクイズだけを出題する「D坂の推理問答」や、カレーを一皿食べるとヒントが追加される「カレーのちクイズ」など、ユニークなクイズイベントを数々企画されています。



マサルさん: 「最近は気楽に参加できるクイズがブームで、『大学生や20代前半を優遇』というイベントはあるのですが、逆に20代後半~40代だからこそ楽しめるクイズがあったらいいのに、という思いから、あえて懐かしいことだけのクイズイベントを発案したんです」


今回のイベント参加者は約30名。マサルさんのイベントの常連クイズ愛好家の方もいらっしゃる一方、私のようにはじめて参加されたと思しき方も。

出題されるのはすべて89~93年の出来事や、当時常識だったこと。
さまざまなクイズを勝ち抜いたポイント獲得上位者のみの優勝決勝戦で「91、2王」が決定します。



マサルさんがこの日のために準備したクイズは約200問。スムースな進行が不可欠です。

が、ただでさえ知識欲旺盛な参加者のみなさん。

“半分はムダ情報でできている”バブル時代研究家の私も、当時のことを語りたい。いや、むしろここで語らずしてどこで語るのか。

そんな参加者の気持ちを見越したマサルさん、今回、秀逸なシステムの導入を決断します。




それがこの「ま」カード。



「ま」は、「ちょっと待った!」の「ま」。

出題されたトピックについて「ウンチクを言いたい」「いやその話には続きがあって…」という場合、「ねるとん紅鯨団」よろしく「ちょっと待った!」の掛け声とともにカードを提示することで、カード1枚につき20秒まで語ってOK。知識だけでなく、トークをコンパクトにまとめるスキルも求められる、という絶妙な仕掛けです。

バブル時代研究家としては、どこでこのカードを切るかの戦略性も問われてきます。



■いよいよクイズに挑戦、わかってるのに出てこない!

いよいよクイズ本番です。まずは参加者ひとりひとりに1問ずつクイズが出題されるウォームアップ。記念すべき第一問はこちら。

問題:
「平成教育委員会」

「クイズ 世界はSHOW by ショーバイ!!」

「FNS1億2,000万人のクイズ王決定戦!」などの番組で、

名司会を務めたアナウンサーは誰?




正解:逸見政孝






マサルさん:「89-93年って、まさにフリーになられた逸見さんが亡くなられるまでご活躍されていた全盛期なんですよね。敬意を払い、一問目にさせて頂きました」


続いて早押しクイズ。参加者は4~5名ずつのグループに分かれて競い、早く勝ち抜けた人にポイントが与えられます。




なんやかんやで私、DJGBのグループの番です。

イベントを仕切りながら、すばらしい滑舌で出題もこなすマサルさん。いよいよ出題です。ドキドキ。




問題:
最近の家電はコンピュータ制御…


(イケる!!)ピンポーン

マサルさん:「おっとGBさんどうぞ!」


「ファジー。」


マサルさん:「正解、お見事!!」




問題:
92年のカレー、91年の中華料理…


(モラッター!!)ピンポーン

マサルさん:「速いGBさん!」


「マクドナルド。」


マサルさん:「正解!!山田邦子やハンバーガーショップなどのキーワードが出る前に正解を導きだせるとは!」



当然です、私にとってはふだんYouTubeで検索しているものばかり。ここまで、ゾーンに入った10.12のラルフ・ブライアント(近鉄、89年)状態

それまで「イベント取材に来た、バブル時代研究家を自称する謎のキャラ」として見られていた私でしたが、会場からのどよめきに、次第に「クイズに正解する快感」を覚え始めます。

クイズはどんどん進行します。当日出題された問題はこんな感じ。

問題:
89年~93年までの5年間で、オリンピックは夏季冬季あわせて何回開催された?


(あれ、冬季五輪が2年おきに開催されたときがあったはず、、、、)



正解:2回




マサルさん: 「2年が最後の夏季冬季同時だったので、その情報をどうやって料理するか悩み、生まれたのがこの問題。 作った後、改めて自分も指折り数えたのですが、5年間で、92年(バルセロナとアルベールビル)しか開催されていないんですよね。面白い発見でした」


問題:
「ねえねえ、車変えた?」

「変えてない」

「だかーらー、車変えてなぁい?」

「何回も乗ってるだろ」

「え? でも調子いいよ」

「ダッシュとパワーが違うんだ」

「あ、わかった。ガソリン変えたでしょ!?」

というCMもお馴染みの、日石こと日本石油が販売しているハイオクガソリンは何?

(知っている、確実に知っている、最初はガイジンのCMだった。が、その一言が思い出せない…)



正解:日石ダッシュ レーサー100




マサルさん: 「これは全セリフを読み上げたいなあと(笑)。

外人の90年版か、大沢たかお&鶴田真由の91年版かで悩みましたが、後者に。正解発表後に「ああ~!」という声があがり、嬉しかったです」



問題:
この後に続く、10文字以上の言葉をお答えください。

「本気で」「ニキビを」


(これは!)

「治したい」「男の子や」「女の子は」「しっかり」「聞いて欲しい」

「ニキビのお薬」「クレアラシルは」「サ、サ、サ…」

さて何処方でしょう?




正解:サルファ・レゾルシン処方



「ちょっと待ったァ!」




昨年、「サルファ・レゾルシン処方」についてのコラムを書いた私としては、ここがカードの切りどころ。マサルさんがストップウォッチを手に「それでは20秒のウンチクをGBさんどうぞ!」

「当時は難解なキーワードがCMにあふれていましたが、その源流となるのは花王メリットの“ジンクピリチオン”配合。ですがこのジンクピリチオン、現在では花王メリットに含まれていません。2006年、ジンクピリチオンに代わって配合されたのは、デンターTのCMでおなじみグリチルリチン酸ジカリウムです!


明日からの仕事や生活に何の役にも立たないムダ情報を、人様と共有できる幸せ。

思えば小学校のころから、AIDSを「後天性免疫不全症候群」、GATTを「関税と貿易に関する一般協定」とスラスラそらんじられることだけがプライドの人生でした。ああ、「ま」カード何枚でも欲しい。

この日は、「たま(ロックバンド)」という正解に対し、2名から「僕の青春でした」「『たまという船に乗っていた』は名著です、ネットで読めるのでぜひ読んで!」という熱いトークが繰り広げられたほか、「早見優のアメリカンキッズ」という正解に対し「僕、この番組出てました」という驚きの告白もありました。





2時間の予定だったクイズ大会はあっという間に時間をオーバー。私もいいところまで行きましたが、残念ながら最終決戦には残れず。上位者による優勝決定戦の勝者、すなわち「91・2王」に輝いた「おーちゃん」さんには、この時代を象徴する賞品「ナタデココ」が授与されました。



■冷遇されている89-93年ごろに光を!

知的好奇心と早押しのスリリングさに加え、20秒という制限でアツいウンチクが飛び交った「アタック25年前」。あらためて、イベントを企画されたマサルさんにお話を伺います。


―なぜ、25年前、特に91、92年ころにフォーカスしたのですか?


マサルさん: 第一に自分の青春時代だったからです(笑)。ちょうど「25年前」=四半世紀という節目でしたので、ここをテーマにしたら面白いなと。 バブル全盛期(87~89)と95年以降(阪神大震災とオウム事件)はなにかと取り上げられることが多いのですが、なぜか89~93年に関しては冷遇されていると常々感じていました。

テレビなどで「80年代バブル全盛期」がテーマのはずなのに、なぜか93年頃の話とごっちゃになってるのを見ると、「それはちょっと違う年代なんだよなあ」と不満に感じることもあり。


―おっしゃる通りです。よく言われますが、ジュリアナ東京のオープンは91年で、ジュリ扇ふって踊っていたのはバブル崩壊後のことなんですよね。


マサルさん: 「同級生の女子がよく、

『私の年代は、高校生の頃に女子大生ブームが。大学生になるとコギャルブームで、冷遇されている』

と言っていたのが印象的で、ひとつこの時代にフォーカスを当てて、盛り上げたいなあという思いも」



―なるほど!私がバブル時代研究を始めた理由と重なるものがあります。
「ちょっと待った!」のシステムも絶妙ですね。


マサルさん: 「リハーサルではクイズ本編に加えて、そこから喚起されるキーワードのトークが非常に盛り上がりました。クイズの魅力として『答える快感』以外にも『これ知ってる!が周りと通じた時』『補足知識を得られた時』といった意見もあり、そうした要素を入れられないかな、と。

ただ『自由にしゃべってOK』とすると、喋りたい人は止まらずの座談会で終わるので、なんとかシステマティックにしたいなと、このようなルールとなりました」



―アツいトークが多かったですよね


マサルさん: 「うまいなあと思ったのは、『国連のPKO』という正解に対して、『阪神のPKO(パチョレック、郭李建夫、オマリー)』の話題をかぶせた方。ともに時代を代表するフレーズですよねえ~。

『ストリートファイターII』の問題で総勢7名から『ちょっと待った!』があがったことも印象的でした。四半世紀を経ても、“好き”というパワーは衰えることはないんだなあと」



―主催者としての手ごたえはいかがでしたか?


マサルさん:「『楽しい』、特に『答えられなくても楽しい』という反応があり、嬉しく思っております!
参加できなかった方からも『参加したかった!』『是非、またやって!』の声がいつになく多いのが印象的です。

第二回もぜひやろうと思っています!

東京以外でも、手軽に借りられる施設などあれば、真剣に第二回やリバイバル開催(?)を検討しています。記事をご覧のかたで、参加したくなった方、場所貸してもいいよという企業さまなどありましたら、是非ご連絡ください!」



―期待してます、そして第二回は必ず勝ちます!


マサルさんはこのほかにもユニークなクイズイベントを日々企画されてます。3月25日には東京・銀座でこんなクイズも!


冒頭の問題の正解はこちら。




浜田雅功、松本人志、YOU、今田耕司、130R板尾創路、130R蔵野孝洋、西端弥生、松雪泰子、吉田ヒロ、サンプラザ中野、パッパラー河合、奥田民生、阿部義晴、篠原涼子、伊藤美奈子(会場内にはパーフェクトで答えられた人もいたというから驚き!)

(バブル時代研究家DJGB)

※コラムのタイトル画像の答えは「フラワーロック」です。