K-POPの金字塔、BIGBANGの10周年公演最終日レポートとその10年を振り返る

2016/12/31 01:46 小右アキ 小右アキ


12月29日、「BIGBANG THE CONCERT:0.TO.10 -THE FINAL-」が大阪京セラドームで行われました。約5.5万人の公演チケットはファンクラブ会員のみでSOLD OUT。全国166か所の映画館とCS放送で完全生中継され、多くのBIGBANGファンがこのコンサートを見届けました。
そして私はCS放送オンデマンドで参戦!



この日がメンバーT.O.P(トップ)の入隊前の最後の日本公演となるため、ファンは並々ならぬ想いでライブに参戦し、公式からのコメント通り、今までで一番熱い声援を送ったことでしょう。
そんな最高潮の盛り上がりを見せた、笑って泣いた3時間のライブレポートとともに、BIGBANGの10年間を振り返ってみます。


■デビュー曲からスタート!10年の軌跡を集約。

黄色と赤のペンライトが一面に光輝く会場。日本メジャーデビュー曲である「MY HEAVEN」からライブはスタート。過去のツアーでは主に終盤に歌われていたこの定番曲が1曲目から始まるのは珍しく、10年の想いを詰めたライブであることを表しているようでした。

2006年のデビュー当時から、作詞・作曲、ダンス等のパフォーマンスのすべてをセルフプロデュースしているBIGBANG。10年もの間、常にファン達の関心を集める曲を作り続け、トップを走り続けるのは並大抵のことではありません。
デビュー当時、「外見がアイドルではない」などの誹謗中傷を受けて傷ついていたというまだ幼かった10代の彼らが、今では国内コンサート動員力ランキング で1位を記録、2位(嵐)とダブルスコアで大きく差をつけるほどの、圧倒的な人気を誇るまで至りました。

2曲目は 「WE LIKE 2 PARTY」。最新アルバム「MADE」に収録された、ステージパフォーマンスが愛嬌たっぷりの「今を楽しもう!」という内容の楽しい曲です。メンバーの仲の良さが伝わるMVが印象的。

そして、トロッコに乗り込み、地鳴りのようにドームに響き渡る歓声を一身に浴びて、笑顔でファンとのコミュニケーションを楽しみながら外周をまわり、観客のテンションを更にあげるアップテンポなナンバー「HANDS UP」へ。
Tell Me Goodbyeのカップリング曲として2010年にリリースされたこの曲は、メンバーが「ヘイ、ホー」と叫ぶ掛け声に合わせて、みんなで大きく手を振る時の一体感が楽しい楽曲。
因みに2010年は日本で初のコンサートツアー「Love & Hope」が開始された年でした。

そして、高まったテンションをクールダウンさせるかのように、静かに名曲「BAD BOY」へ 。「会えなくなるのは辛すぎる」といった歌詞がファンの心情を映し出しているかのようで、私はここで泣きました。
この曲は2012年にメジャー4枚目のアルバム「ALIVE」からリリースされた曲で、このアルバムを引っ下げてのアジア、北米、南米、ヨーロッパを巡る初のワールドツアーが開催され、「世界のBIGBANG」として活動した年でもありました。

その次は、3年ぶりのカムバック曲となった「LOSER」。成功している彼らも、大衆と同じように自信のない事に対して敗者(LOSER)に感じるといった共感を呼ぶ曲。
ここまでは最近の曲を織り交ぜつつも、過去から現在まで順を追った流れの構成になっていました。

そして、日本でBIGBANG人気に火をつけた曲「ガラガラ Go」(2009年リリース)。日本のテレビ番組に出演しはじめたのもこの頃で、レコード大賞の最優秀新人賞も受賞して話題となりました。ちなみに今年はBIBANGの弟分である「iKON」が同じく最優秀新人賞を受賞しました。

この後、各メンバーのソロ曲が続きます。
特にD-LITEの演歌調「ナルバキスン」は覚えやすい振り付けで会場が一体となって踊る盛り上がり曲。卓越した日本語を操るマンネ(末っ子)ラインD-LITEとV.I(大阪弁)の漫才のようなMCが会場を笑いで満たしました。かと思えば、かっこいいにも程があるGD(G-DRAGON)×TAEYAN(SOL)の「GOOD BOY」で会場の空気をヒップホップ色に一変したり、SOLのバラード「EYES, NOSE, LIPS」で極上のラブソングに酔いしれたりと、それぞれの際立った個性が映しだされたソロ曲。過去、それぞれのソロ活動の成長がBIGBANGにいい影響を与えたと語っていたように、ソロ活動もまたBIGBANGの歴史の一部だと感じました。

そして、ファンにとって思い入れの強い 「HARU HARU」(韓国語で1日1日という意味)では、SNSで拡散されたファンによるサプライズ演出(「HARU HARUの時だけ白いペンライトを点灯)が行われ、ツアー初日に比べて最終日では多くのファンがそれに参加していたのが印象的でした。

■BIGBANGから10年の想いを込めたメッセージ。
そして終盤に差し掛かり、最後のMC。
V.I、兄達に揚げ足をとられステージで愚痴を漏らすと兄達から総攻撃を受ける。

V.I:ほんとBIGBANGてね、大変だからな
G-DRAGON:じゃあ、しょうがないね。
D-LITE:(BIGBANGを)やめます?
G-DRAGON:残念だなぁ

という脱退を勧めるやりとりで、笑いを誘う。
そんな戯れの雰囲気から一変、真剣な面持ちで各メンバーからT.O.PとVIP JAPANへメッセージ。
※注:長いです。

D-LITE:10年間の活動は一 段落しますが、このツアーを周りながら、次はいつ5人で歌えるんだろうと皆さんの顔や空気感を頭や心に記憶しようとしました。今まで10年間、すばらしいプレゼントをみなさんからもらったので心から感謝しています。今はステージを楽しめるようになりましたが、最初、ステージが怖かったです。でもここまでこれたのは皆さんのお陰。みなさんがずっと僕とBIGBANGを信じてくれたからここまでこれました。
これからは僕は命をかけてみなさんのために歌い続けるので、これからもよろしくお願いします。
そしてT.O.Pさん。5人の中で一番心が弱く、赤ちゃんみたいに純粋で優しい人だと思う。
出来るだけそばにいて力になりたいと思って努力したけど、なかなか恥ずかしくて表現できませんでした。でもTOPさんはわかってると思います。暫く会えないけど、体は離れても心はつながっている。T.O.Pさん、僕たちはずっと待ってるから、5人だけど1人、5つだけど1つだから。無事に帰ってきてください。愛しています。

SOL:今日は楽しかったです。僕にとってステージは大切です。今回のツアー、アルバムは僕らにとって、いろんな意味がある。5人が一緒の時間はしばらくないけど、今考えると、僕の人生で一番大切なのは、周りにいるメンバー1人1人。そしてこの4人がいないと今の僕は想像できません。BIGBANになって一番幸せなのはこの4人と一緒の時間を過ごすことです。
そして特別に言います、T.O.P、愛していますよ。このメンバー4人とここにいるみんなはT.O.Pのそばにいます。
だから何も心配しないでください。そして、みなさんにお願いがあります。
BIGBANGが一緒にいられたのはみなさんのお陰でした。ぜひこれからもこの5人が一緒にいられるように見守ってください。愛しています。

G-DRAGON:毎年、今の季節にはいつもここで一緒に最後のコンサートで1年が来るのを楽しみながら待っていましたが、なぜか今日は最後の日がそして来年を迎えるのが寂しいし、時間が過ぎるのがとても早い気がします。今年もBIGBANG5人は休まずに走ってきました。10年前と同じ変わらずに、みなさんといっしょに時間を過ごしてきました。10年後も、20年後もどんな形で一緒にいるかはまだわかりませんが、もっと素敵な姿でもっといい音楽で皆さんと一緒に過ごすことを願っています。毎年、たくさんの方々がくださる愛に心から感謝します。愛するという言葉以外には表現できない。僕ら5人は心を込めてステージの上でがんばって踊り歌います。これからも時間が許す限り、いまのように生きていきたいです。
皆さんの胸の中に、頭の中に、深く残って、お互いを思いながら一緒に未来を描いていける5人になりたいです。
その終わりがいつになっても一緒にいてください。
これからもBIGBANGのこと、よろしくお願いします。

V.I:僕はスタッフから「今日で京セラだけで100万人を超えた」と聞いてとても驚きました。
そんなにたくさんのみんなと一緒にライブしてたの?って感じで、ファンとアーティストの感覚じゃなくて、家族みたいな感じで。僕はステージ上でふざけてばかりですが、すべてVIP JAPANのみなさんがBIGBANGと僕のことを全て理解してくれてるし、僕たまにとんでもないことばかりしているけど、こんなつまらない人間をそれでも傍で一生懸命応援してくださっている日本のファンのみなさんの事を考えると、世界どこの国でもみなさんの顔を潰さないようにがんばんないとダメだなって思う。今でも僕ら5人、どこでもがんばっていられると思う。
日本ファンの皆さんの力がなかったら、こういう個性がとんでもない5人がここまでいられるのはなかったと考えています。今日はBIGBANG5人で揃ってライブをするにはしばらくないと思うけど、会場で涙を見せてくれているファンの子達もいるけど、韓国で生まれて韓国の男の子としてみんなやることなので、ぜひ笑顔でずっとBIGBANGの前にいてほしい。僕はみなさんのことを笑顔にさせることが大好きでこの仕事をしているので。
淋しい気持ちはよくわかりますけど、みんなと再会できることを楽しみにしながら笑顔で待ちましょう。
最後に、いつも迷惑ばかりかけている後輩をいつも応援してくれる兄貴T.O.Pさん。T.O.Pさんがいなかったら僕、迷惑ばっかりかけていたと思う。T.O.Pさんのお陰でしっかりしたと思う。
兄貴が体を壊さずに健康なかっこいい、もっと男前になって戻ってくることを楽しみにしながら、兄貴がいない間も応援していることを伝えたい。ありがとうございました。

V.I:最後、T.O.Pさんに最後のMCを任せたいと思います。
T.O.P:(緊張の面持ち)
V.I:ちょっと、重い空気じゃなくて、もうちょっとみんなで明るく・・
SOL:僕、はっきり言いたいことがあります。僕ら最後じゃないですよ!笑
何でそんなに悲しくなりますか?僕、泣きたくないよ!笑

ファンを笑顔にしようと明るくふるまうメンバー達の様子が、かえって涙を誘う。

T.O.P:今日、私が世界で一番幸せです。今日も素敵な思い出になりました。
いつも私たちとそばにいてくれてありがとうございます。
今日で私の最後の日本になります。そう思うと胸が痛くて苦しくなります。
(カンペを読んでいるT.O.Pに気づき、観客から笑いが起こる)
なんで笑っていますか?日本語じょうじゅじゃん。
みなさんとの出会いで私の人世は広がり、しばしの別れで私たちの絆は深まると思います。私とみなさんとの絆はこれでさらに固くなるでしょう。とても会いたくなると思います。
また会えるその日まで元気でいてください。みなさん、愛しています。

いつも通りのマイペースT.O.Pのカンペ読みスタイル。
どんな状況でも変わらないT.O.Pにどこか安心する。

そして、残す3曲は「BANG BANG BANG」「Fantastic Baby」「Sober」
何も考えず、声が枯れるまで掛け声を送り、一緒に飛び跳ねながらリズムに乗るダンサブルナンバー。
観客全員に配られた光る指輪がワイヤレス通信でコントロールされ、赤・緑・紫と次々と色を変えて光り輝き、会場の盛り上がりは最高潮に達し、そこで本編が終了。

そしてアンコールは、デビュー曲の「MY HEAVEN」を歌うという慣例があるのですが、声を出して歌うことに抵抗がある人がいるため、大きな声でのコールがなかなか難しいという状況でした。
それを察した運営側は、「せーの」ではじまる字幕を用意。そのお陰で、これまでにない位の大音量のアンコールが実現。5.5万人の大合掌はとても感動的でした。

そして、アンコールはファンが長く愛してきた曲、 「LAST FAREWELL」「LIES」「TONIGHT」「声をきかせて」をトロッコに乗りながら歌い、再びのファンサービス。普段はクールなG-DRAGONが客席一人ひとりに目を合わせて笑顔を返す姿を見て、どこか寂しさを感じているようにも感じました。
最後は「BAE BAE」を歌って閉幕。

ところがモニターにエンドロールが流れるも、鳴りやまないアンコール。
通常、ダブルアンコールは行われないため、これほどのアンコールが叫ばれるのは異例の事態。
そんなファンの熱い思いはバックステージの彼らにも届いていた。


最後に、彼らからのメッセージがステージモニターに映る。

10年間、たくさんの幸せをありがとうございました。
また、笑顔で会いましょう
Thank you VIP JAPAN


これが最後ではない。きっとまた5人揃って最高のステージを見せてくれる。
それでも、彼らを追い続けてきたファンはしばらくの間、BIGBANGロスに悩まされるかもしれません。
いつかSOLが「皆さんが僕達の未来です。皆さん、僕達の未来になってくれますか?」と言っていましたが、 その言葉通り、BIGBANGの未来を作るのがファンだとすれば、これからも彼らをペンライトで照らし続けたい、そんな気持ちにさせてくれた最高のライブでした。


<セットリスト>
MY HEAVEN
WE LIKE 2 PARTY
HANDS UP(JP ver.)
Bad Boy(JP ver.)
LOSER(JP ver.)
-mc-
ガラガラ Go
Let’s talk about You(JP ver.)
STRONG BABY(JP ver.)
古い日記
ナルバキスン(JP ver.)
-mc-
じょいふる
HEARTBREAKER
CRAYON
High High(JP ver.)
-movie-
GOOD BOY
Pretended
DOOM DA DA
EYES, NOSE, LIPS
ONLY LOOK AT ME
RINGA LINGA
IF YOU(JP ver.)
HARU HARU(JP ver.)
-mc-
BANG BANG BANG(JP ver.)
FANTASTIC BABY(JP ver.)
SOBER
~~アンコール~~
LAST FAREWELL
LIES
TONIGHT
声をきかせて
(バンド紹介)
-記念撮影-
BAE BAE