【着色映像で見る100年前の日本】1920年の女性たちの娯楽シーンが美しい
どうも服部です。昔の動画を紐解いていくシリーズ、今回はオランダの映像博物館である「eye」がYouTubeに投稿している「JAPNEESCHE DAMES」という元タイトルの映像をピックアップしました。
YouTubeに記載されている映像説明(英語とオランダ語)によると、1920年(大正9年)にフランスの映画会社、パテ社(Pathé Cinéma)によって撮影されたもので、それを手作業で着色したものだとのこと。
フランスの映像となると、タイトル「JAPNEESCHE DAMES」の訳は「日本の淑女たち」ということになるでしょうか(JAPONAISEではないんですね)。早速見ていきましょう。
※動画はページ下部にあります。
まずは飛石の上を歩いて行く2人の女性の姿を捉えています。こんな綺麗に色付けが施されていると、とてもほぼ100年前の映像とは思えません。
ちなみに1920年(大正9年)は、第1次世界大戦が終結した2年後であり、戦中・戦後に起きた大正バブルが崩壊し、株価が半分から3分の1に大暴落したという年でした。第1回の箱根駅伝が開催された年でもありました。
庭園のお茶屋さんでしょうか。画面左側の女性が手をパンパンと叩くと……、
店員さんと思われる女性がお茶と、
お茶請けのようなものをすぐに運んできました。
場面が切り替わり、YouTubeに記載されているオランダ語の説明によると、象牙の像を買いにきているところのようです。
像を吟味している表情がとてもお美しい。
撮影者に声を掛けられたのでしょうか、カメラを見てはにかみます。
続いては、別の3人が羽子板をしています。優雅ですね。
真ん中の女性が一人羽つきを見せてくれます。2回で失敗してしまうと、「私が代わる」ということなのでしょうか、後ろにいる女の子が走って近づいてきます。カワイイ(大先輩ですが)。
歌舞伎の押し絵がしてあるこちらは、大きさからして遊戯用ではなく飾り羽子板のようです。
こちらでは梅でしょうか、枝を採っています。
帯の色からして、冒頭に登場したお二人と思われます。家屋に向かっていきます。
先程採った枝は、生花用だったのですね。以上をもって映像は終了します。
色付けされていることも手伝って、約100年前の女性たちの生き生きとした表情、動きが伝わってくる素晴らしい映像だったと思います。1分23秒と非常に短いので、ぜひご覧ください(BGMが挿入されていますので、音量にはご注意ください)。
(服部淳@編集ライター、脚本家) ‐ 服部淳の記事一覧
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