「真田丸」「ブラタモリ」でも注目!“本当の大坂城”から発見された犬の土人形がカワイすぎる(2/2)

2016/12/9 10:00 いまトピ編集部 いまトピ編集部


■犬の土人形(犬形土製品)
まずは兵庫県猪名川町の広根遺跡から見つかったワンコ。


これは…見た目が完全に一致!時代も「織豊時代」とのことなので大坂城から持ち帰ったものと考えていいんじゃないでしょうか。やっぱりカワイすぎ!

奈良県桜井市内で見つかったものはちょっぴりシュッとした形ですが「秀吉が見た土人形」コラムで紹介されている「Bタイプ」とそっくりです。



栃木県宇都宮市の藤岡神社遺跡のワンコはだいぶ見た目が違う…どうやら豊臣時代より遥か昔、縄文時代後期(約4000年前)の作のよう。縄文時代の出土品は土人形ではなく「土製品」と総称されるみたいです。



オマケにもうひとつ縄文の犬!確かに意匠が時空を超えて現代と通底してる感ハンパないです。


こちらの縄文ワンコは慶應義塾大学民族学考古学研究室にいるらしい…。一度本物を見てみたいですね。


■馬形の土製品(土馬)
奈良・平安時代の水辺の跡からは雨乞いの儀式などに使われた馬形の土製品がたくさん見つかるらしく、それらを「土馬(どば)」と呼ぶそう。


右の土馬は首がポロリしてますが、ボディーラインが妙に艶めかしく、ポージングにも現代のグラドルっぽいセクシー感が漂います。


ずっと愛でていたいゆるカワなお馬さんですね。


■甲虫、シャチ…イカ!?の土製品


虫を模して笛を作るセンス、子供の頃に吹いた鳩笛とか、てんとう虫デザインのカスタネットを思い出しました。



どう見ても魚ですが「シャチ」だそうです…。



「イカめし」にしか見えないメシテロ的な逸品!でも縄文時代後期前半のれっきとした祭祀用の道具で、全国でもここでしか出土していないのだそう。


■猿、熊、イノシシの土製品


こちらは山梨県南アルプス市で発見された、全国でも珍しい猿の形の土製品。


※出典:南アルプス市 文化財Mナビ「鋳物師屋遺跡のサル形土製品」

顔の部分だけで体はなく、サイズは縦4.5cm×横5.8cm、幅4.3cmのミニチュアサイズ。ゆるいながらもなかなかリアルです。


青森県弘前市の尾上山遺跡から発見されたのは、お口ポカーンなツキノワグマさん。青森県立郷土館による説明を読むと、何と「尻には肛門を表した小穴があります」とのこと。びっくり!


こちらは秋田県北秋田市の藤株遺跡から見つかった縄文後期のイノシシ。大坂城のワンコの土人形に直接通じているような、シンプルなゆるカワイさがたまりません。


北海道~北東北には縄文時代の遺跡が多く、当時も多数生息していたのか、熊やイノシシ形の土製品がたくさん出土するようです。中でもゆるカワすぎる土人形&土製品の頂点に立つ大傑作は、こちらのイノシシさんではないでしょうか!


青森県弘前市の十腰内遺跡の出土品だそうですが、見よこの突出した完成度!
このセンスにはフレネシさんも「縄文時代のおねんどおねえさん」「和製リサ・ラーソン」と大絶賛。納得のカワイさですね。


さらに、イノシシと犬のコラボ!2つの土製品で当時の狩猟を再現したGIFアニメも。


これは先述の慶應義塾大学民族学考古学研究室所蔵のワンコのようですね。ますます実物を見てみたい…。


■番外編~キノコとか、ムササビとか~

縄文のゆるくてカワイイ土製品は、動物の他に「キノコ」をかたどったものもたくさん出土しているそう。用途は「毒のない食べられるキノコを示すため」などの説があるようです。




最後に、こちらは埴輪(古墳時代の副葬品)で、ミニチュアサイズの動物形土製品よりだいぶ大きそうですが、あまりにカワイかったので。「ムササビ」と「魚」だそうです。


いかがでしたか。日本人の「ゆるカワ好きDNA」は縄文時代後期からだとして4000年間…もう筋金入りですね。

そんなカワイすぎる土人形や土製品たち、興味をもたれた方はもしかしたらご近所の「歴史資料館」や「埋蔵物文化財センター」なんていう施設に行くと実物に出会えるかもしれませんよ。


(いまトピ編集部/鈴木)

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