【関東大震災前】約100年前の東京の繁華街や子供たちの遊びを捉えた超鮮明映像

2016/12/19 20:19 服部淳 服部淳

どうも服部です。昭和の動画を紐解いていくシリーズ、今回はYouTubeに投稿されている「1913-1915: Views of Tokyo, Japan」というタイトルの映像をピックアップしました。タイトル通りの時代で正しければ、和暦に直すと大正2年から4年のこと、100年以上前の映像ということになります。
※動画はページ下部にあります。




まず映るのは、こちらの人混み。映像中に英語の字幕が入ることから、恐らく外国人が撮影しているのでしょう、さらに映画用カメラなど見たことない人が多いと思われる時代、子供たちを中心に興味深そうにカメラの方を見つめています。


場面は変わって、現在もほとんど書体が変わらない「氷」ののれんの前に群がる子供たちを捉えています。男子も女子も皆、和服姿です。


意図と場所は分かりませんが、ゼンマイ仕掛けのおもちゃが映ります。


以前紹介した記事「【ほぼ100年前の日本】1920年代の日常生活を映した超貴重映像」にも登場した風鈴売り。車輪のない屋台なので担いで移動します。


屋台の裏はこの通り。店主がカメラマンの要望に応えて屋台を回転してくれています。


劇場などが並ぶこちらは、演芸の中心地、浅草六区かと思われます。


子供たちの集団は、遠足なのでしょうか。中央にいる男性が引率の先生のようです。




投稿者の情報によると、このシーンから1915年(大正4年)に撮影されたものだそうです。役者名などの幟がひしめくのは、再び浅草六区。画像右端ののぼりは、映画「ノンキナトウサン」などで人気を博した喜劇役者、曾我廼家五九郎のものと思われます。


画像上の方には「階二十(右書き)」の文字が見えます。十二階とは、浅草の名所ともなっていた、文字通り12階建ての凌雲閣(りょううんかく)のこと(下の画像)。1923年(大正12年)の関東大震災で8階以上が折れ、その22日後に危険防止のため爆破・破壊されました。この映像には映っていないのが残念。

Jintan 12kai.jpg
By 不明 - 絵葉書, パブリック・ドメイン, Link




場所は特定できませんが、雨後のようで路面が反射しています。人力車の車夫がやって来ました。


ねんねこ半纏で子供をおぶる女性たち。後ろ電柱には「仁丹」の広告が貼ってあります。


カメラの前で仁王立ちする男の子。左後には「ショール」や「マント」を売るお店が、画像中央にはタバコ屋さんがあるようです。


遠慮気味に端からカメラを覗き込む人たちも。しっかり映ってますけど。


浅草仲見世のようです。ガス灯がまだあり、1923年(大正12年)の関東大震災で全焼する以前の映像だということが分かります。奥には仁王門(現・宝蔵門)が見えます。1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲で焼失、1964年(昭和39年)に再建されました。


仁王門にさらに近づいた映像のようです。上の提灯は「小舟町大提灯」でしょうか。奥には同じく東京大空襲で焼失した本堂が見えます。徳川3代将軍の家光により建立された国宝でした(浅草寺HPより)。現在の本堂は1958年(昭和33年)に旧本堂と同形態で再建されたそうです。


鞠つきをする女の子が捉えられます。途中から手ではなく、足の裏でつき出します。見事なテクニックです。

GIFアニメで切り出したのがこちらです(映像をクリックまたはタップすると再生が止まります)。


こちらでも中央の赤ちゃんをおんぶしている女の子が鞠つきをしています。画像左から2人目の女の子はお手玉をしています。人だかりは、この2人を見物しているようで、カメラ見たさに集まってきているのでしょうか。


ここで、この映像唯一の字幕が入ります。「日本人は、多数設けられている公園を心ゆくまで楽しみます。東京の上野公園は、非常に人気です(特に日曜日の午後は)」。東京のスペルがTokioとなっています。


ものすごく渡るのが大変そうなこの橋は、亀戸神社(現・亀戸天神社)の太鼓橋のようです。上野公園はカットされたのでしょうか。この太鼓橋や社殿は、1945年(昭和20年)の大空襲で焼失。コンクリート製のものに架け替えられています。


続くこちらのシーンは、静止画だと分かりにくいですが、1本縄のブランコをしているところを撮影したもの。手前の男の子たちはカメラが気になってしょうがないようです。

GIFアニメで切り出したのがこちらです(映像をクリックまたはタップすると再生が止まります)。


最後は公園内でしょうか、人々が行き交うシーンにて映像は終了します。



わずか4分ほどと短いですが、挿入されているざわめきや会話などの効果音がとても馴染んでいて(一部英語の会話もありますが)、何度も繰り返して見たくなる臨場感あふれる映像でした。引き続き、歴史の1ページを紐解いていければと思います。

(服部淳@編集ライター、脚本家) ‐ 服部淳の記事一覧

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※参考文献
・モース・コレクション写真編 100年前の日本(小学館 1983)
・彩色絵はがき・古地図から眺める 東京今昔散歩/原島広至(中経出版 2008)
・ビックリ東京変遷案内/石黒敬章(平凡社 2003)
・絵はがきで見る日本近代/富田昭次(青弓社 2005)
・浅草公園 凌雲閣十二階/佐藤健二(弘文堂 2016)

【動画】「1913-1915: Views of Tokyo, Japan (speed corrected w/ added sound)」