2016年に「30周年」を迎えるアレコレをまとめてみた

2015/12/30 11:00 DJGB DJGB




まもなく2016年…ですが。
何かにつけて過去をふりかえるこのコラム。今日は2016年のトレンドを探るため、あえて30年前の1986年にプレイバックです。来年“30周年”のアニバーサリーイヤーを迎える商品は意外と多く、中にはすでに記念プロジェクトの企画が進行しているものも。まだのメーカーさん、気づいてなければ今からでも間に合いますよ!


■商品
写ルンです(富士フィルム)発売から30周年



レンズ付きフィルムという新ジャンルの開拓者が登場したのは1986年7月。90年代には小中学生の遠足の必需品となり、デーモン小暮閣下のCMも話題となりました。いっぽうこの年、キヤノンが一般向けに初めてのデジタルカメラ「RC-701」を発売していることも指摘しておくべきでしょう。


ブルーレットおくだけ(小林製薬)発売から30周年




生活が変われば、トイレも変わります。トイレ洗浄剤「ブルーレット」が発売されたのは1969年ですが、設置がかんたんなこの”おくだけ”タイプの発売により、市場での認知が一気に高まります。


モルツ(サントリー)発売から30周年




トウモロコシや大麦といった副原料を使用しない「麦芽100%」のビールとして1986年に誕生。郷ひろみ&二谷友里恵夫妻などを起用した「私は、ドライではありません」のCMが始まるのは、翌1987年からです。


■ゲーム
ドラゴンクエスト(エニックス)発売から30周年

「ファミコン」が新語・流行語大賞(銅賞)に選出されるほどの旋風が吹き荒れた1986年。ゲーム史上に輝くRPGの第一作も発売されていました。村人に話を聞くのにも、いちいち東西南北を指定しなければいけないのがちょっと面倒でした。すでに公式サイト では、30周年記念プロジェクトのカウントダウンが始まっています。

それにしてもこのCM、「なんかすごそう」な感じだけは伝わりますが、ゲームの内容がまったく不明ですね。


ディスクシステム(任天堂)発売から30周年

ファミコンのカセットが1本5,000円前後だった当時、わずか500円で新しいゲームに“書き換え”ができる仕組みは衝撃的でした。この年の7月には、カセットとディスクが1台で楽しめる「ツインファミコン」もシャープから発売。当時から、「目のつけどころがシャープ」でした。


■メディア
「ファミコン通信」(アスキー)創刊から30周年


ブームを受け、ファミコン雑誌も続々登場。3月には「ファミコン必勝本」(JICC出版局)、4月には「マル勝ファミコン」(角川書店)が発売。現在まで続く「ファミ通」の創刊は最も遅い6月でした。


「メンズノンノ」(集英社)創刊から30周年


現在まで続くメンズファッション誌の創刊も1986年、表紙は短パン姿もまぶしい阿部寛(当時22歳)でした。ほかに「ダイム」(小学館)、「フラッシュ」(光文社)「ターザン」(マガジンハウス)、「ファインボーイズ」(日之出出版)といった雑誌の創刊もこの年です。


ミュージックステーション(テレビ朝日)放送から30周年

前年に開始した「ニュースステーション」の好評を受け、ステーションつながりで始まったのがこの番組。30年間、粛々と同じトーンで司会を続けるタモリにも驚きですが、同じくテレビ朝日の「タモリ倶楽部」はさらに長寿(1982年開始)です。


■できごと・事件
ビートたけし「フライデー」編集部襲撃事件から30周年

12月9日、ビートたけし(当時39歳)は、写真週刊誌「フライデー」の行き過ぎた取材に抗議するためが、たけし軍団のメンバー11人とともに出版元の講談社に押し掛けました。たけしらは「フライデー」編集部員にケガを負わせ、現行犯逮捕。12月22日の記者会見を最後に、たけしは半年間の芸能活動自粛期間に入ります。

ファミコン史上に残る迷作「たけしの挑戦状」(タイトー)が発売されたのは、事件翌日の12月10日のことでした。つまりコレも30周年。




神田正輝・松田聖子 女児出産から30周年

のちの神田沙也加の誕生もこの年。それにしても、神田正輝が金屏風前で出産会見に応じ、しかも渡哲也も同席とは…。扱いがロイヤルベビー級。


■スポーツ
秋山幸二(西武)初のバック宙ホームインから30周年

のちに西武黄金時代を支えることになる秋山が、公式戦で初めて“バック宙ホームイン”を披露したのは、1986年の広島との日本シリーズでした。秋山のこのホームランで同点に追いついた西武は、第8戦までもつれたシリーズを制し日本一に。年末には清原和博、渡辺久信、工藤公康の3人が「新人類」という言葉で新語・流行語大賞を受賞するおまけ付きでした。


マラドーナ「神の手ゴール」「5人抜き」から30周年

海外サッカーの試合結果を(ほぼ)リアルタイムで知ることができるようになってきたのもこのころ。とんねるずが「マラドーーーナ!」と叫びたくなる気持ちもわかるというもの。一方の「プラティーーーニ!」はその後、FIFA副会長にまで上りつめましたが、先ごろあえなく資格停止処分に。


北尾光司(双羽黒)、横綱昇進から30周年

日本人離れした体格と運動センスで番付を駆け上がった北尾の横綱昇進もこの年。優勝経験がないままの綱とりには異論もあり、「仮免横綱」と揶揄されることもありました。周囲の不安は的中し、翌1987年には部屋を飛び出して失踪、そのまま廃業。プロレスラーへと転向となりました。


■バブル直前、1986年の空気はいかがでしたか?
この年は、男女雇用機会均等法の施行、土井たか子女史の日本社会党(当時)の委員長就任など、女性の活躍に注目が集まるいっぽうで、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発事故、120才とも言われた泉重千代さんの死去、アイドル岡田有希子さんの自殺といった悲しい出来事もありました。
あれから30年。モルツはプレミアムモルツに、ドラクエはオンラインゲームに、ビートたけしは世界のキタノに、神田沙也加はディズニー歌手に、富士フイルムは化粧品会社へと変わりました。そりゃ、北尾光司もナイフ評論家になろうというものです。

2016年、アラフォー、アラフィフたちの話題をにぎわせてくれるのは、いったいどの「30周年記念」でしょうか。いや、新製品にも期待してますけどね。


(バブル時代研究家 DJGB)