羽生連覇なるか?今日開幕「グランプリシリーズ2015」ファイナルの切符を手にするのは誰?

2015/10/24 15:17 東谷好依 東谷好依


浅田真央 スケーティング・ミュージック 2015-16(DVD付)
浅田真央 スケーティング・ミュージック 2015-16(DVD付)/ユニバーサルミュージック


いよいよ、今シーズンのグランプリシリーズが幕を開けた。

フィギュアファンにとって最もエキサイティングな国際大会ともいえるグランプリシリーズ。アメリカ・カナダ・中国・フランス・ロシア・日本の6カ国で大会が催され、成績上位者だけが12月11〜13日に行われるグランプリファイナルに進むことができる。

今回は、グランプリシリーズの仕組みと今シーズンの見どころをご紹介しよう。


■グランプリシリーズの日程とファイナルへの切符

グランプリファイナルを含めて、全7回の大会から成るグランプリシリーズ。今シーズンのスケジュールは次の通りだ。(日付は日本時間)

第1戦アメリカ大会:10月24日(土)〜26日(月)
第2戦カナダ大会:10月31日(土)〜11月2日(月)
第3戦中国大会:11月6日(金)〜8日(日)
第4戦フランス大会:11月14日(土)〜15日(日)
第5戦ロシア大会:11月20日(金)〜22日(日)
第6戦日本大会:11月27日(金)〜29日(日)
グランプリファイナル:12月11日(金)〜13日(日)


選手が出場できるのは最大2大会。昨シーズンの世界選手権の1位から6位までの選手はシード選手として、くじ引きによって2大会が割り当てられる。また、過去10年間の世界選手権で上位6位に入った選手が復帰する場合は、2枠の出場枠を得ることができる(ただしチャンスは一度だけ)。

出場した大会の順位に応じてポイントが付与され、その合計点が高かった上位選手がグランプリファイナルに出場。ポイントの割り当ては以下の通りだ。

優勝:15点
2位:13点
3位:11点
4位:9点
5位:7点
6位:5点
7位:4点
8位:3点

ちなみに、昨シーズンの羽生結弦選手は衝突事故の影響などもあり、中国大会2位、日本大会4位の合計22ポイントで6位。ギリギリで出場を果たしたファイナルで優勝し、見事な逆転劇を演じた。


■新旧女王対決!女子は日本大会に注目

「早くリンクに飛び出したくてしかたがない」
10月3日に行われたジャパンオープンでの、浅田真央選手のそんな表情が印象に残っている。試合直前になると引き締まった表情に変わったが、トリプルアクセルを見事着氷して、演技を終えた浅田選手の表情には、リンクに戻ってきた喜びがあふれていた。

浅田選手は今回、中国大会と日本大会に出場予定。特に注目したいのが、「新女王」である宮原知子選手との戦いが見られる日本大会だ。昨年の全日本選手権で優勝した宮原選手は、今季のフリーで「初恋」をテーマにしたプログラムを滑る。

ジャパンオープンでは、思い焦がれる「彼」の存在を確かめるような目線の動きが、映画『初恋のきた道』のチャン・ツイイーのような可憐さといじらしさを感じさせた。今シーズンの試合で、このプログラムがさらに大きく花開くことを期待したい。

女子の日本選手では、ここ数年で実力をのばしてきた本郷理華選手や今井遥選手のほか、加藤利緒菜選手や中塩美悠選手などの若手も出場する。


■羽生3連覇なるか?チャンとの戦いが楽しみなカナダ大会

3連覇の期待がかかる羽生選手は、10月13〜14日に行われたオータムクラシックで優勝を飾り、順調なシーズンの滑り出しを見せた。今回は、カナダ大会と日本大会に出場予定。なかでもパトリック・チャン選手とのハイレベルな戦いが予想されるカナダ大会は見逃せない。

ソチ五輪では調整がうまくいかず、メダルを逃したチャン選手。しかし、一度波にのるとどこまでも点数を伸ばしてくる本格派のスケーターだ。オータムクラシックでは2度目の4回転を転倒し、「正直、悔しい」と語っていた羽生選手。チャン選手とともに、パーフェクトな演技を披露して、フィギュア史に残るような激戦を繰り広げてほしい。

また、ジャパンオープンでシーズン初戦にもかかわらず高い完成度を見せた宇野昌磨選手にも期待がかかる。今シーズンからシニアに本格参戦する宇野選手のフリーの曲目は、『トゥーランドット』。ジャパンオープンでは冒頭の4トゥループを成功させ、続く3アクセルは2.00の加点がつく出来ばえ。

さらに客席を驚かせたのは、演技後半のコンビネーションジャンプだ。演技開始から3分以上経過してからの、4トゥループ+2トゥループ。グランプリシリーズでもこれを決めることができれば、大きなポイント源となる。会場の雰囲気に呑まれないように、1つ1つの演技を丁寧にこなして、ファイナルへとつなげたい。

中国大会に出場を予定していた小塚崇彦選手は、左足首腱鞘炎のため出場を断念。ロシア大会に望みをつなぐ。


■果たしてファイナルに進むのは……

各国の実力派がそろうため、どの演技も「見逃せない」のは毎年のこと。しかし、今季は特に混戦を極めそう。

浅田選手やカナダのパトリック・チャン選手など「王者」の復活に加えて、難度の高い技をこなす若手選手が次々と台頭。勝負の行方は最後まで読めない。思わぬ番狂わせが生じる可能性もある今季のグランプリシリーズ、ファイナルへ進むのは果たしてどの選手か。全7回の大会を、しかと目を開いて見届けたい。


(東谷好依)