空飛ぶプーさん、ふなっしーも!秋のフィギュアは演技後のリンクからも目が離せない!
『羽生結弦 カレンダー 2015年』(株式会社 ハゴロモ)
浅田真央選手や羽生結弦選手など、世界で活躍する選手のおかげで、いまやすっかり人気スポーツとなったフィギュアスケート。「テレビ中継していたらなんとなく観てしまう」という人も多いのでは?
秋からのスケートシーズンに向けて、今シーズンの見どころをお伝えするとともに、 ちょっぴり“斜め上”からのフィギュアの楽しみ方をご紹介していきたい。今回は、選手の演技終了後にリンクに投げ入れられる、さまざまなアイテムに注目してみよう。
フィギュアスケートには、選手の演技をたたえて、ファンがリンクにプレゼントを投げ入れるという「お決まり」がある。人気選手が滑ったあとのリンクは、まるでカラフルな花畑のよう!
リンクに花びらや繊維が落ちると、次の選手のミスにつながるおそれがあるため、プレゼントを持ち込む場合は、ビニールの袋でしっかりと覆うのがマナーだ。
投げ入れられたプレゼントが、テレビ画面に映るのは一瞬のこと。けれども、ときに信じられないような光景がお茶の間に中継されることもある。
■リンクに降り注ぐ“プーさんシャワー”
昨年のグランプリシリーズ中国大会で、羽生結弦選手が大怪我を負ったのは記憶に新しい。その後の試合出場が危ぶまれたが、シーズンの集大成となる世界選手権大会に出場し2位入賞。
連覇は逃したものの、そのタフな精神力は多くのファンの感動を呼んだ。演技終了後には、羽生選手の好きな「くまのプーさん」のぬいぐるみが大量に投げ入れられ、リンク一面が黄色に染まる事態に。「プーさんシャワー」「羽生結弦選手の滑走後が完全にツムツム(※)」などと話題になった。
※ディズニーのぬいぐるみ「TSUM TSUM(ツムツム)」がキャラクターとして登場する、LINEのゲーム
■スター選手のお部屋にまさかの○○
リンクに投げ入れられた花やぬいぐるみは、試合後どのように扱われるのだろうか。基本的に、花は関係者で分けることが多いそう。ぬいぐるみやクッションなどのアイテムは、一カ所に集められたあと、選手の手に渡るようだ。
2014年2月17日に放送されたNHKスペシャル『金メダルへの道』では、プーさんのぬいぐるみがところ狭しと並ぶ羽生選手の自室を紹介。ファンからもらった大量のプーさんに埋もれて、笑顔を見せる羽生選手。か、かわいい……!
海外選手のSNSへの投稿が話題になることも。ロシアのエフゲニー・プルシェンコ選手がインスタグラムに投稿した自室の写真には、「ふなっしー」のぬいぐるみがバッチリ写っている。棚上部のいいポジションを確保しているところを見ると、プル様、案外気に入っている?
ロシアのユリア・リプニツカヤ選手も、自室の写真を公開。歯に衣着せぬ発言から、「兄貴」などと呼ばれることもあるリプニツカヤ選手だが、窓際にずらりとぬいぐるみが並ぶ部屋は、まさに10代の女の子。……と思いきや、なんだか違和感が。よく見ると、ウサギやキティちゃんなど可愛らしいぬいぐるみに紛れて、『キテレツ大百科』の「コロ助」が!
ほかにも、アメリカのキミー・マイズナー選手の部屋に「とっとこハム太郎」のぬいぐるみがあったり、カナダのナム・グエン選手が「くまモン」のぬいぐるみを抱いていたり。画面に映り込む、日本のファンからのプレゼントを探してみるのも面白いだろう。
■小塚選手の性格のよさがみえた「ティッシュケース事件」
先日プーさんティッシュケースに顎のせしてた結弦さんが話題になってましたが、同じようにティッシュBOXに顎のせしてる小塚さんのお写真見つけたので貼っておきますね。 pic.twitter.com/LdXwbTsDtZ
— イニ子 (@goldenboots125) 2015, 4月 22
熱心なファンは、投げ入れるアイテムを自作することも。選手の衣装を着せたぬいぐるみや、イニシャル入りのクッションなど、細部までこだわった作りから、選手への愛情が伝わってくる。
なかでも、2012-2013シーズンのグランプリシリーズアメリカ大会で、小塚崇彦選手の演技終了後に投げ入れられた「ティッシュケース」は、フィギュアファンを大いに賑わせた。
小塚選手はこの年、フリープログラム用に、紺地に金の刺繍が入った衣装を用意。ところどころにスリットが入っており、スピードを上げて滑ると、風をはらんで衣装がフワッとふくらむ仕組みになっていた。フィギュアならではの工夫だが、実はこの衣装、背中にも縦一直線にスリットが入っている。それを見たファンの間で、「ティッシュケース(の取り出す部分)みたい……」と噂になっていたのだ。
さて、衣装そっくりのティッシュケースを贈られた小塚選手。拾い上げた直後に、ティッシュケースをつかんだ手を背中にまわし、「こうでしょ?」とドヤ顔を見せた。お茶目な一面に、ハートをグッとつかまれたファンが多くいたに違いない。
「氷上のエンターティナー」と呼ばれた佐々木彰生選手は、2011-2012年の全日本選手権で、“忍者”をテーマにしたショートプログラムを披露。演技後には、直径50cmほどの、紙製の大きな手裏剣が投げ入れられた。
このように、アイテム1つで選手とファンがコミュニケーションをとれるのも、フィギュアが人気を集める理由だろう。今季はどのような珍アイテムが投げ入れられるか、いまから楽しみにしたい!
(東谷好依)