念願の東京ドーム!夢を叶えたNEWS

2015/6/13 23:59 柚月裕実 柚月裕実



傘をもたない蟻たちは

3月21日からスタートしたNEWSのライブツアー「NEWS LIVE TOUR WHITE 2015」もいよいよラストを迎える。コンレポを書きたいところだが、もう1日が残っているので、最後まで見届けてから書くとして、その前にNEWSというグループについて書いてみたいと思う。

■笑って泣いて、NEWSのメンバーの魅力

NEWSのメンバーはギャップの大きさも魅力の一つ。小山慶一郎はNEWSのリーダーであると同時に、キャスターとしても活躍している。自ら「平日キャスター週末アイドル」と言うように、平日の夕方放送の『news every.』に出演中。ステージでみせる笑顔と番組での真剣な眼差しはまるで別人。加藤シゲアキはジャニーズ初の小説家。先日も新刊『傘をもたない蟻たちは』を出版したばかりで、これで4作目となる。処女作『ピンクとグレー』は、行定勲監督で映画化されることも発表されている。アイドルであり、文化人としての一面も持つ。

増田貴久はアイドルならではのかわいらしい笑顔をみせる一方で、やわらかくて伸びやかな歌声を武器に、一人の歌手として生放送の歌番組に出演。また今回の衣装も増田がデザインを担当、ステージの構成を考えるなどクリエイティブな分野で才能を発揮している。何かと注目の集まる手越祐也は、バラエティ番組で笑いをとることもあるが、ステージでは「愛してるよ」「ラブラブしようね」と、他のメンバーが恥ずかしがって言えないセリフを堂々と言ってのけるなど、誰よりも「アイドル」を貫く。白いジャケット姿で白いピアノを弾きながら歌う姿はまさに王子様。そんな4人が揃うNEWSは、それぞれの個性が光るユニークなグループだ。


■戻ってきた!夢を叶えたNEWS

当たり前だった東京ドームがいつしか手の届かない夢へと変わった--NEWSの歴史は波瀾万丈。9人でデビューするも、メンバーの脱退に活動休止と人気はあるものの継続的な活動ができなかった。最終的に現在の4人になるが、NEWS自体が存続の危機に晒された。

自分は変わらなくても、目まぐるしく変わる周囲の状況によって環境ががらりと変わってしまう。当時の様子を加藤は「もう自分最後のコンサートは終わったんじゃないか」と、引き際の選択権すら与えられないことの恐怖を明かしたことがある。

新生NEWSの第一弾シングル『チャンカパーナ』で再スタートを切ったNEWS。2012年に4人体制で初のコンサートを秩父宮ラグビー場で行った。初の野外コンサートは青空から夕焼け、ペンライトの天の川と野外ならではの風景を見せてくれた。

復活ということでファンはもちろんメンバーも涙を流し、のちに「伝説」と呼ばれるほどの感動的なステージとなった。しかし「復活は東京ドームで」という願いは叶わなかった。 その翌年、NEWSはグループ結成10周年を迎え、そのお祝いとして1日限定のイベントをドームで開催。そこで「帰ってくる」と誓った東京ドームで今回ツアーのラストを迎える。

5万5千人を収容する東京ドーム。誰もができる場所ではないだけに、ラストをこの場所で飾ることができるのはファンにとっても喜ばしいことだ。

そして存続の危機を乗り越えて念願のステージに立ち、メンバーはどんな気持ちなのだろうか。6月14日がラストと、もう一日残っているので、最後まで見届けたところで詳しくコンレポを追記できたらと思う。

(柚月裕実)