「ホームレスの人」に「人生ゲーム」やりながら「人生」語ってもらおう!
「人生ゲーム」
人の一生をなぞったイベントが多々配置されたこのゲーム、子供の頃から何故か大好きで何度も何度も遊んでいました。
就職、結婚、不幸、ラッキー、様々なイベントが起こりますが、
実際「人生」に色々起こった人が「人生ゲーム」やりながら自分の人生について語ったら面白くない?
と思ったので、
ホームレスの人と人生ゲームやりに行ってきます

なぜホームレスかというと凡百の人間より、はるかにその「人生」が波瀾万丈でドラマティックで話聞いてて面白いからです。
(あと、僕自身がホームレスになってもおかしくない人生を歩んできており(実際1歩手前どころか半歩手前だったこともある)、ホームレスという人生が人ごとでないため)
そんなわけで、さっそくホームレスのメッカ、上野公園にGO!

※なお今回画像が極端に少ないですがご了承ください(ほとんどの人に撮影拒否されたから)
見かけたホームレスの人にガンガン声をかけていきます。
▼A氏の場合
大住「あ、こんにt」
A氏「何も語らないよ!」
大住「あの……」
A氏「何も語らないよ!!」
▼B氏の場合
大住「こんにち…」
B氏「いや無理だから」
大住「……」
B氏「……」
大住「その…」
B氏「無理だから!!」
▼C女氏の場合
大住 「あ、すいません今お時間ありますか」
C女氏「私バカだからわかんないです」
大住 「いえ、人生ゲームを」
C女氏「私バカだから!!」
人生ゲーム以前に会話すらしてもらえない
他者に対する警戒感半端ないです。
それでも諦めず、声をかけ続けること数人。ようやく話を聞いてくれる人が。
人生ゲームみんなに断られて困っててと事情を伝え、一緒にやってくれるように頼んだのですが…。
D氏「オレは丁か半かしかやらない(からNG)。
でも、がんばんなさいよ。
ゲームやるうちは余裕があるって事なんだから」
……。
よくわからんが良いこと言われた気がする!
しかし、本当に誰もやってくれない人生ゲーム。
しかたないので、こうなったらコネ(?)を頼ります。

大住「どもお久しぶりです!」
●●「???」
大住「3年ぶりになります。以前震災1周年で色々な人に話をうかがうという企画でお話を聞かせていただいた大住といいます」
●●(以下N氏)「ああ!あの時の」
実は私大住、以前ニコニコニュースにいた時、震災1周年の「各界の著名人に震災の話を聞く」という企画で「ホームレスの人がみた震災」というネタで記事を書こうとして取材したことがあって、その時色々お話聞かせて下さったホームレスのご夫婦なのです。(なお記事は諸般の事情でボツになりました!)
まずは場を温めるため、人生ゲームの話はせずに現代社会、日本について聞かせて頂きました。
(お二人は新聞をよく読んでラジオを聞き、上野公園を通り過ぎる人を日々定点観測しているので、仕事に追われてニュースもあまり見ない人よりはよっぽど「ニュース」に接してます)
色々話してもらったんですが、とりあえず川崎中1殺人の18歳容疑者の週刊新潮の顔出しに関しては賛成だそうです。
N氏「大人と子供の区別なんてのは時と場合によっては引き下げてもいいんだから。(今回の18歳容疑者は)『殺人』って言葉だって意味分かってる。意味分かってやってるなら子供のやることじゃない。子供じゃないなら問題ない」
他にも色々語ってもらったのですが、本日の目的とズレるので割愛。
ほどよく場も温まったところで、人生ゲームを一緒にやってくれないか頼んでみたのですが……。
N氏「やらない」
N氏妻「(ゲームに)全然興味なくて……」
あっけなく拒否。
そもそも人生ゲームを知らなくてやる気にならない様子。
ぐぅ……。
顔出NGだということは以前うかがっていたので背中越しの画像を撮らせてもらい退散。

(左が旦那さんで右が奥さんです)
と、いうわけで上野公園のホームレスの人は全滅(個人的に面白い話は色々聞けたけど)。
そもそも基本的にコミュニケーション自体を拒否されるので、交渉にすらならないという悲しい現実が。(コミュニケーション拒否するからホームレスを続けているとも言える)
しかし、私、大住考えました。
完全路上生活タイプのホームレスが無理なら、ビッグイッシュー売ってる人に人生ゲームやってもらおう!
と。

※ビッグイシューとは
ホームレスしか売ることができない雑誌。ホームレスの社会復帰に貢献することを目指す企業が出している。雑誌(ビッグイシュー)を販売することを通じてホームレスからの脱却を目指している。駅前でよく売ってます。
ビッグイシュー売っている=ホームレスの証明
そして社会復帰意欲が高い=コミュニケーションとれる可能性大
よし、これなら大丈夫なはず!
さっそく駅前を探して突撃!

大住「仕事中すんません!ちょっと話させてもらっていいですか」
X氏「お!?なんや君、関西出身か?」(イントネーションでわかったらしい)
大住「ええ、淡路島出身です」
X氏「そうか!ワシは尼(尼崎)や!」(同じ兵庫県で近い)
大住「ええ?そうなんですか! っていうか、じゃあなんでここでビッグイシュー売ってるんですか? 」
X氏「商売こかして逃げてきたんや!(笑)
○○○○を5件ほどやっててんで!」
大住「そうなんや!でもそれだったらこっちでも商売したらええんちゃいます?」
X氏「いや、これが身軽でええんや。電車賃だけあればやれる。色々やってきたけど、
結局人生身軽なんが一番やで」
人生ゲームやる前に自分の人生語りだしたー!!
こちらが人生ゲームを持ち出す前に自分の人生に付いて色々語ってくれました。
違うねん。面白いけど違うねん!(なお人生ゲームは断られました)
というわけで、別のビッグイシュー売ってる人に突撃。

大住「唐突ですけど人生ゲーム一緒にやってもらえませんか!」
Y氏「!?」
大住「いや人生ゲームやりながら人生について語ったら面白いと思って……」
Y氏「ああなるほど!いや、面白いですね!」
大住「!? あ、じゃあ是非一緒に!」
Y氏「うーん…、最近ちょっと忙しくて」
大住「いえ、今日じゃなくてもいいんで」
Y氏「実はもう少しでアパート借りれそうなんで、今はこれ(ビッグイシュー)に集中したいんですよ」
大住「あ、そうなんですか」
Y氏「間空いたりして何年もかかってしまいましたがようやくです」
この後、色々話してくれたのですが、実はこの方、昔からずっと路上生活者になるのに異常に恐怖を感じてたそうです。その恐怖から逃れるために、がむしゃらに働いて体壊して、でもホームレスになるのが怖いから無理して働く。そんな生活を続けていたそうですが、「このままじゃダメだ!一生この恐怖に追い回されるのは嫌だ!」と一念発起してあえて路上生活者になったそうです。路上生活がわからないから怖い、怯える。それならいっそ路上生活を極めてやろう、と。
そして何年も新宿公園やその他諸々で路上生活して、それがどういうものか、心の底から(体の芯から?)理解できたので戻ろうと。社会復帰しようと思えるようになったとのこと。
大住「え、じゃあ今は路上生活怖くなくなりましたか?」
Y氏「克服できました。もう謎の恐怖感に追われることはないです」
大住「ではホームレス経験は役に立ったんですね!」
Y氏「ええ!これでムリしないで働けます。なんせ急に仕事がなくなっても、今は季節別の快適なネグラから飯の確保の仕方まで全部わかってますからね(笑)」
と、いうわけで、人生ゲームをやってもらうことはできませんでしたが、

(人生ゲームと一緒に自分の人生を語るの図)
人生ゲームと一緒に自分の人生を語ってもらうことには成功
できれば人生ゲームやって欲しかったですが、面白い人生の話も聞けたし、まぁいっか。
やはりホームレスの人の話は面白いと改めて思います。
おまけ
テント村と一緒に。

人生ゲーム
遊び方を自由に選べる!!
実に深いゲームタイトルですね!
(いまトピ編集部 大住 有)