メディアアートとテクノロジーが体験できる無料スペース「SusHi Tech Square」

2023/9/19 22:10 yamasan yamasan

こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。

今年(2023年)8月30日にメディアアートとテクノロジーが体験できる無料スペースがオープンしたので、さっそく行ってきました。
場所はJR有楽町駅前「SusHi Tech Square」の1階Spaceです。



この日は仕事が一段落してから行ったのですが、平日は夜9時まで開館しているので、仕事帰りにもふらりと入れるのがうれしいですね。
現在開催中の展覧会は「わたしのからだは心になる?」展。11月19日まで開催されています。

※休業日:月曜日(ただし10月9日は開場)、10月10日
 開場時間:平日11時~21時、土休日10時~19時(入場は閉場の30分前)
 開催概要は展覧会公式サイトをご覧ください⇒「わたしのからだは心になる?」展

展覧会のタイトルからして謎かけのようですが、はたしてどのような内容なのでしょうか。
考えてもわからないので、まずは実際に体験してみることにしました。


会場内は写真、動画撮影OK。ハッシュタグ #からだ展 で感想をポストしましょう!

会場は<機械と身体><バーチャルな身体><社会のなかの身体><環境と身体>という4つのゾーンに分かれていて、8組のクリエーターによる作品が展示されています。
それではそれぞれのゾーンでどんな体験ができるのか、いつくか紹介してみたいと思います。

まずはZONE1 機械と身体「わたしのからだは〈モノ〉になる」(小鷹研究所as注文の多いからだの錯覚の研究室)


小鷹研理《ボディジェクト指向#03〈変身〉》

ここで体験できるのは、魂が体から抜けだして自分を見下ろいるように感じられる「幽体離脱」。
上の写真後方のベッドに横たわって体を動かすと、鏡とディスプレイの仕掛けで自分の体が奇妙な形になって映し出されて、まるで自分の体が自分の体でないような感覚になるのです。

続いて、「わたしのからだに〈あの子〉がいる」(ソンヨンア+鳴海拓志+新山龍馬+勢井彩華)



家族や友人、さらには飼い猫まで、遠くにいる存在の動作や会話を伝えてくれるのが、ウェアラブル分身ロボット《Puff me up!》。
《Puff me up!》を身に着けると、空気でふくらんで自宅にいる猫の動きにあわせて動いてくれたりするのでとても可愛いらしく感じられます。




次はZONE2 バーチャルな身体「わたしのからだは〈不要〉になる」(ノガミカツキ)《仮想支配》へ。



この《仮想支配》は、自分の姿を自由に変えて楽しむことができるはずのVR(ヴァーチャル・リアリティ)の世界なのに、実際には壁にぶつかったり、腕が曲がらなかったりと物理的な制約を受けるため、次第に生身の体をジャマだと感じることもあるノガミカツキさんご本人の姿が登場します。




ZONE3 社会の中の身体「わたしのからだは〈誰か〉になる」(花形槙)に向かいます。


花形槙《Uber Existence》

フードデリバリーサービスの会社に似たロゴが出てきましたが、ここでデリバリーするのはフードではなく「存在( Existence)」。

たとえばユーザーから「お祭りに行きたい」という指示が入ればアクターは帽子にカメラを付けてお祭りを訪れます。ユーザーはそのリアルタイムを見てまるで自分がその場に「存在」しているような感覚を体験することができるのです。
もし自分がアクターになり、たとえば「浅草のサンバを見たい」という指示が入り浅草に行ったとすると、浅草にいる自分の体ははたして誰のものなのでしょうか。
まさに「わたしのからだは誰かに」なっているのかもしれません。


最後はZONE4 環境と身体「わたしのからだは〈生態系〉になる」(Alternative Machine)



人間がインターネットで遠隔での交流を実現したように、植物同士も実は意思疎通をしていることに驚かされました。
ここにある《Enabling Relations》とは、別々の場所で生息する植物同士がネットワークをつくる実験を行うプロジェクト。
さらには人間の活動がそれらの生態系と関わり合うことができるのか、新たな接続の在り方を模索するというのですから驚きです。
さて、植物たちはどのような会話をしているのでしょうか。そして、人間とコミュニケーションができるようになるのでしょうか。とても興味があります。


TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展東京自然いきもの展も同時開催中です。
トーチを持って撮影ができるので、来館記念に撮影してみてはいかがでしょうか。




「わたしのからだは心になる?」展はメディアやテクノロジーで不思議な体験ができるとても楽しい展覧会です。

無料で楽しめて気軽に入れるアートスペースがまた一つ増えました。
「SusHi Tech Square」で展開される今後の取組みも楽しみです。