なぜ、主役一筋だった織田裕二は準主役に廻ってまで『シッコウ!!~犬と私と執行官~』で伊藤沙莉と共演したのか?彼女のブレイクの伏線になった作品に秘密があった!?

2023/7/14 17:10 龍女 龍女

伊藤沙莉は『ひよっこ』の前に重要な抜擢をされていた。
初主演ドラマとなったフジテレビの土ドラ
『トランジットガールズ』(2015年11月~12月)である。
この作品のもう1人の主役が佐久間由衣(1995年3月10日生れ)である。

『ひよっこ』は『あまちゃん』(2013年4月~9月)で、ヒロイン天野アキ(のん)の母親・天野春子(小泉今日子)の少女時代を演じてブレイクした
有村架純(1993年2月13日生れ)にオファーで
ヒロイン谷田部みね子役が決まっていた。
これは朝ドラでよくある実在のモデルがいる内容ではなかった。
脚本担当の岡田惠和(1959年2月11日生れ)は
明確な時代背景(戦後の高度経済成長期)はあるが、無名の庶民のヒロインが活躍するドラマにしたかったので、日本の平均的な美人顔の有村架純がふさわしかった。
それ以外の若手キャストをオーディションで決める形式だったのである。


(岡田惠和 イラストby龍女)

伊藤沙莉が狙っていた役はみね子の幼なじみ助川時子であった。
しかし、この役には伊藤沙莉は合っていなかった。
それは既に決まっていた時子の母親・君子を演じる
『ひよっこ』のヒロインの故郷の茨城県出身の俳優
羽田美智子(1968年9月24日生れ)の娘にみえなかった。
時子役は同じ役を狙っていた羽田美智子に似ている『トランジットガール』の共演者
佐久間由衣に決まった。
しかし選考に立ち会っていた岡田惠和は、伊藤沙莉の実力は認めていた。
どうしてもドラマに出て欲しかったが、この時点のプロットでは彼女にふさわしい役がなかった。
そこで急遽もう1人の幼なじみ角谷三男(泉澤祐希)の就職先
安部米店の一人娘安部米子(自称・さおり)と言う役を作った。
父親の安部善三は斉藤暁(さとる)(1953年10月28日生れ)が演じている。
斉藤暁の代表作は『踊る大捜査線』のスリーアミーゴスの1人、秋山晴海役である。


(『ひよっこ』より斉藤暁、泉澤祐希、伊藤沙莉 イラストby龍女)

ドラマ好きで知られるNHKの朝の情報番組『あさイチ』の司会の1人
博多華丸(1970年4月8日生れ)は
番組でゲストに出た伊藤沙莉を
「バイト先で出逢った彼女演じさせたらNo1」
と紹介して、的確な表現過ぎて、笑ってしまった。


こうしてみていくと、どうして織田裕二が伊藤沙莉と共演したかったか?
業界内での評判を聞いていた織田裕二がオファーを受けた理由がみえてくるのである。


1990年代半ば生れの30歳前後の主演として、俳優業界の誰もが共演したい
男性なら菅田将暉、女性なら伊藤沙莉
そんな人だと筆者は納得した。

この2人が共演していたドラマの劇場版
『ミステリと言う勿れ』が9月15日に公開される。
菅田将暉が主人公の久能整、伊藤沙莉は刑事の風呂光聖子を演じている。
実は月9放送時(2022年1月~3月)では観ていなかったが、公開日前になんとかまとめて観ておこうと、予告編を観て決めた。

実兄の伊藤俊介は妹を「天才」と称していたが、以前は理解できなかった。
どんなジャンルでも「天才」と周りから言われる人には大きな共通点がある。
それは「負けず嫌い」だ。
伊藤沙莉の過去の発言をネット記事で探していたら、「負けず嫌い」を窺えるエピソードがいくつも発見できた。
そういう性格が身についている人は自分の能力を伸ばそうと努力が自然と出来てしまう。
しかもその負けず嫌いの度合いが尋常ではなく、幼少期泣き虫だった人も多いのである。
「天才」それは兄から見た親馬鹿発言ではないと今は納得している。



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