まるで水墨画!京都・嵐山の雪景色が絶景すぎる

2023/1/29 09:00 明菜 明菜

京都に大雪が降りました。

生活や交通、物流への影響が出ており状況は深刻ですが、それとは別に、京都の雪景色は美しいです。1月27日に別件の取材でたまたま嵐山へ行き、水墨画のような風景に見惚れておりました。



嵐山には四季折々の表情があり、春は桜、夏は緑、秋は紅葉と色彩が移ろっていきます。鮮やかな風景を見せてきたのに、冬の雪の日には完全なモノクロになるのですね。山だけでなく空すらも真っ白で、目に映るものすべてから色の情報が抜け落ちて、白から黒の濃淡だけが存在しているのが不思議でした。



この景色が水墨画みたい! と感じたのは、景色がモノクロという以上に、遠景の霞み方です。この霞み方がまさに水墨画でして……!


長谷川等伯「松林図屏風」(左隻)安土桃山時代(16世紀)国宝

水墨画の傑作といえば、長谷川等伯が描いた「松林図屏風」です。霧が立ちこめる冬の松林は、等伯の故郷である能登の風景だとか、伝統的な主題である天橋立だとか、場所についてはさまざまに推測されています。

近くの松は濃くはっきりと、遠くの松は薄い墨で描かれています。大量に松が描かれているわけではないのに、どこまでもどこまでも松林が続いていきそうな余韻がありませんか? 画面のずっと奥のほうまで広がりを感じる雄大な絵画です。



先日の嵐山も遠くのほうが霞んでおり、どこが山の縁なのかはっきりしないし、山の連なりがどこで終わるのかよくわかりませんでした。その「はっきりしなさ」「よくわからなさ」がかえって広がりを生み、雄大な景色に感じられたのかもしれません。



そんなわけで、今の京都、とても寒いです。一時期よりも観光のお客さんが随分と増え、雪景色を楽しむ方も大勢いらっしゃるようですが、防寒対策をしっかりしてくださいね!

空気がひんやりと冷たいので、できる限り肌が外気に触れないようにしてください。長袖長ズボンはもちろん、手袋、マフラー、耳当てで指先や顔の細かい所までしっかり守るのがおすすめ(最近は耳当てではなくイヤーマフ?)。感染予防や花粉症対策のマスクもなかなか防寒になりますよ。



あとはスノーブーツ! 雪でも歩ける靴を履いてください。山間部で雪が降っている・積もっているところに行くときはもちろんですが、市街地でも雪が解け残っている場所があります。普通のスニーカーではツルンと行きますが、雪用の靴なら割と大丈夫です。(凍結していると何を履いてもお手上げ状態ですが……)

特に、普段雪が降らない地域からお越しの方は、過剰なくらいの雪対策をするくらいで丁度良いと思います。いたるところで解け残ってますからね、雪!