東京の六本木にあるデザイン関連サイト「21_21 DESIGN SIGHT」。今までもデザインに関する興味深い展覧会を数多く開催してきていますが、2023年3月から開催される展覧会「The Original」がこれまた面白そうです。


オリジナルという言葉には最初とか原型という意味の他にも独創的な、伝統の殻を破ったなどの意味があるそうです。この展覧会ではこの「The Original」のタイトルの意味を以下の様に記しています。

本展では、世の中に深く影響を与えるデザインを「The Original」と定義し、紹介します。ただし、ここでいう「The Original」は必ずしもものづくりの歴史における「始まり」という意味ではありません。多くのデザイナーを触発するような、根源的な魅力と影響力を備え、そのエッセンスが後にまで繋がれていくものです。

「The Original」HPより引用

創造の原点となる様なものをセレクトして100点以上のプロダクトを展示すると言うこの展覧会、面白そうです！皆さんもこんな家具が欲しい、こんなインテリアに憧れる、これはずっと使っている、などそれぞれの「The Original」なものがあるのではないでしょうか？そこで、私も自分にとっての「The Original」なものってなんだろう？と考えてみました。



ちなみにこの「The Original」展のチラシに使われているのはイタリアの家具メーカー ドリアデで生産された「ローリーポーリー」と言う椅子です。デザイナーはフェイ・トゥーグッド。一度、見たら忘れられないかわいらしいフォルムは確かに「The Original」なのでしょう。


ROLY POLY（driade社HPより）
https://www.driade.com/it_it/roly-poly-poltrona-rosso-mattone-d28478a278037.html



さて、私にとっての「The Original」、一つ目は柳宗理デザインの椅子「バタフライチェア」。天童木工から発売されています。


バタフライスツール（天童木工HPより）
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000030/stool/page1/recommend/

デザインインテリアとして超有名どころではありますが、やはり素晴らしいです。独特なフォルム、それなのにしっかりとした機能性をキープしています。柳宗理のデザインをしたものはヤカンやスプーンやフォークなどの身近な物に至るまで「The Original」と言っても良いと思います。



二つ目は彫刻家 イサム・ノグチがデザインしたコーヒーテーブル「ノグチ・テーブル」。


コーヒー テーブル by Isamu Noguchi（vitro社HPより）
https://store.vitra.co.jp/products/coffee-table

こちらも有名なプロダクト。彫刻的なフォルムの美しさと機能が同居しているものです。ノグチが手掛けたものは、照明器具の「あかり (Akari)」シリーズや広大な面積の公園全体のマスタープランを手掛けた「モエレ沼公園」まで、こちらもどれをとっても「The Original」と呼べるものたちばかり。



三つ目、ネフ社から復刻製造されている積み木「バウハウス バウスピール」。デザインはドイツのデザイン学校 バウハウスで学んだアルマ・ジートホフ・ブッシャー。


Bauhaus Bauspiel（neaf社HPより）
https://ch.naefspiele.ch/de/produkt/bauhaus-bauspiel/

子供ができたら是非一つ欲しい、と思ってたら、友人たちが出産祝いに送ってくれたのがとても嬉しいおもちゃです。パーツが細かいので少し大きくならないと遊べませんが、とにかく普通の積み木とは違う発想で遊べるおもちゃ。木の製品というのも嬉しいですね。これぞバウハウスの色と形というデザインです。



今回私が挙げた3つは有名どころばかりではありますが、それでも「The Original」と呼ぶのにふさわしいものばかりだと思います。「The Original」展にこれらのものが展示されるかどうかはわかりませんが、人それぞれの「The Original」があっても良いですよね。

世界の流行や潮流（トレンド）に適応することではなく、目の前にあるデザインの参照点であり、すべての端緒となる「The Original」をたどること。そしてあらためて見つめなおすことは、デザインの時間を超えた文脈と、それらを生み出したデザイナーたちとのつながりをもたらすでしょう。

「The Original」HPより引用

さて、皆さんの「The Original」はどんなのものがあるでしょうか？それぞれに「The Original」を考えてみて、展覧会にそれがあるかどうか、確認しに行っても面白いかもしれませんね。