ネズミ退治から人気者へ。猫の魅力を見出した画家ルイス・ウェインの生涯に迫る

2022/11/24 17:40 明菜 明菜


©2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

猫、可愛いですよね。今では飼い猫ちゃんを家族の一員として可愛がるのはいたって普通のことですが、実は、そうでもなかった時代があります。

時は19世紀末のイギリス。当時、犬はペットとして可愛がられていましたが、猫はネズミ退治のために飼う動物という認識でした。


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その認識を覆し、猫の愛らしさを世に知らしめたのが、イラストレーターとして活躍したルイス・ウェインです。彼は擬人化したようなユーモラスな猫を描き、猫人気に火をつけました。

そんなルイス・ウェインの人生を描いた映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』が、12月1日(木)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開される予定です。



主人公ルイス・ウェインを演じるのは、映画『ドクター・ストレンジ』やドラマ『SHERLOCK/シャーロック』に主演する人気俳優、ベネディクト・カンバーバッチです。(筆者は映画『イミテーション・ゲーム』が大好き)


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ルイスは変わった言動が目立つのですが、ときおり背中に寂しさを滲ませるんです……カンバーバッチの背中、良いですよね……。

本作は、社会や家庭に翻弄されたひとりの画家の人生を描いた作品です。運命の人と出会い、周囲の反対を押し切って身分違いの結婚をし、ようやく最愛の女性と結ばれたと思ったら、彼女は末期ガンを宣告されて余命わずか……。


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猫の絵が人気となり名声を得ても、むしろ名声を得るほど、彼の精神は不安定になっていきます。ルイスの描く絵は彼の苦しみを映すように、童話の絵本のようなタッチから毒々しい色彩に変わっていきました。

それでも、最愛の妻と過ごした短い時間は彼の頭の中で何度も反芻されるし、猫はいつも彼のそばにいます。人生のほとんどは暗く苦しいものだけど、わずかの光があれば生きていける――そんなメッセージを感じる作品でした。


©2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

良質な映画は、劇場の大きなスクリーンと最高の音響で鑑賞したいもの。ぜひ、映画館に足を運んでみてください。

■作品情報


©2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』
12月1日(木)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

配給:キノフィルムズ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、クレア・フォイ、アンドレア・ライズボロー、トビー・ジョーンズ andオリヴィア・コールマン(ナレーション)
監督・脚本:ウィル・シャープ 原案・脚本:サイモン・スティーブンソン
©2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

公式Twitter:https://twitter.com/louis_wain_film
公式HP:louis-wain.jp