華やかな19世紀末のパリへ!ロートレックとミュシャの展覧会

2022/10/28 19:50 明菜 明菜

19世紀末のパリの空気を吸える展覧会が、大阪中之島美術館で開幕しました。『ロートレックとミュシャ パリ時代の10年』が、2023年1月9日(月・祝)まで開催中です。


展示風景

ロートレックとミュシャのポスターは、アートにあまり詳しくない人でも、どこかで目にしたことがあるはず。本展は二人がパリで活躍した1891年から1900年までの10年間に焦点を当て、その期間に発表された石版画ポスターを中心に展示しています。

当時は「ベル・エポック(美しい時代)」と呼ばれる、芸術の都パリが大いに繁栄した時代。ロートレックとミュシャは、そんな賑やかな時代のパリの街を彩るポスターを数多く手掛けました。


展示風景

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901年)は、《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》というポスターが評判となり、一躍時代の寵児となった画家。ロートレックは「ウキウキ感」を描くのがとても上手で、作品から「ベル・エポックってこんな素敵な時代だったのかな~」というのが伝わってきます。


展示風景

ですが、人の表情は風刺画のように意地悪な誇張がされているようにも思います。ロートレックは心が勝手に躍り出すような楽しい時代を描き出す反面、華やかな街に漂うインモラルな空気も感じ取っていたのではないでしょうか。


展示風景

チェコ出身のアルフォンス・ミュシャ(1860-1939年)は、パリで挿絵画家として活動していました。女優サラ・ベルナールの舞台のポスター《ジスモンダ》を手がけたことで評判となり、一躍売れっ子作家となりました。

ミュシャは植物などの自然をデザインに取り入れたり、シンプルな布をまとっただけの女性を描いたりと、古風なモチーフを好んでポスターに描いていました。19世紀といえばフランスで産業革命が起こり、パリ大改造により街が近代的な都市として整備された時代。工業化・機械化が進み明るい未来を意識した時代です。


展示風景

そんな中、あえて古風なモチーフを多用したミュシャ。彼のポスターが人気になった背景には、デザインの美しさだけでなく、人間の本能に訴えかける何かがあるのではないでしょうか。

二人のポスターなどが所狭しと展示される会場は、ベル・エポックのパリのように楽しい空気が漂っていました。街の喧騒や甘い匂いまで感じられるような展覧会で、作品だけでなく幸せな雰囲気も大きな見どころです。


ロートレックとミュシャ パリ時代の10年

会場:大阪中之島美術館 4階展示室

会期:2022年10月15日(土)~2023年1月9日(月・祝)
*月曜日(1/2、1/9を除く)、12/31、1/1 休館
*11月29日(火)より展示作品の一部が変更

開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)

https://nakka-art.jp/exhibition-post/lautrec-mucha-2022/