アラフォーになった男子校出身モデル・椿彩奈が大人の美女に プロ雀士として新境地(2/2)
椿彩奈は、1984年7月15日生まれの38歳。22歳で性転換手術を受け、身体・戸籍ともに女性に。進学校の中高一貫男子校から青山学院大学文学部フランス文学科に進学し、在学中から女優、タレントとして活躍。2008年、自伝エッセイ『わたし、男子校出身です。』(ポプラ社)が話題になり、知的でキュートな美貌で注目を集める。バラエティ番組『サンデージャポン』(TBS系)やシャンプーのCMなど多くのメディアに登場し、後の井手上漠らにも通ずる、「ジェンダーレス女子」の先駆けとして鮮烈な印象を残した。
2017年には椿姫彩菜から椿彩奈に改名しており、近年では女流雀士としても活動。元々「“麻雀プロマニア」だったことも告白しており、プロ試験合格後は、『新春オールスター麻雀大会』(AbemaTV)『すっぴん麻雀』(AbemaSPECIALチャンネル)など多数の番組に出演している。
美人のニューハーフ、オネエタレントは椿以前にも多く存在していたが、女子アナのような知的・清楚なキャラを全面に押し出した売り出し方は当事としては斬新。「特におもしろいことを言わなくてもかわいい」存在感で新しいジャンルを切り開いたパイオニア的存在。麻雀プロとしても自然と「姫キャラ」に収まっており、ふんわりとしたかわいらしさも健在だ。
笑いをとらずとも「かわいい女の子タレント」として充分通用するルックスで売れたということは、逆に「普通の女の子タレント」同様に「若さ」が重視されるデメリットも。そんな中で、若々しさとかわいらしさはキープしつつも、持ち前の知性とオタク属性で独自のキャリアを積み重ねている。
椿同様に、「ギャルファッションモデル」として一世を風靡したジェンダーレスモデル・佐藤かよも、ギャル時代よりいっそう磨きのかかった美貌でSNSの人気者に。黒髪ロングのクールな美貌は、ゆるふわ系の椿とはまた違う魅力で、韓流アイドル風。美容オタクでコスメのプロデュースも手がけけており、インフルエンサーとして女性からの支持を集めている。
生まれた性別は男性で女性として活動するタレントは、シニカルでトーク力が高いネオエ系か、若いギャルか、というイメージがあった時代を経て、「かわいい女の子モデル枠」が生まれ、いつしか「大人のいい女」に進化。オタク的属性や美容知識などそれぞれの強みで新境地を開拓しており、「大ブレイク」時代をすぎてもコアなファンに支持され続けている。
(しんまる子)