アートで夜の植物園を彩る『チームラボ ボタニカルガーデン 大阪』ついにスタート!
風の中の散逸する鳥の彫刻群
チームラボの新たな展示が大阪の長居植物園でスタートしました。常設展となる『チームラボ ボタニカルガーデン 大阪』では、夜の植物園を彩るチームラボのアートを、いつでも観に行くことができます。
大池に浮遊する呼応するランプ
チームラボは、デジタルテクノロジーを活用した作品などで知られるアート集団です。
東京・豊洲の『チームラボプラネッツ TOKYO DMM』(~2023年末)や、お台場の『森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス』(~2022年8月31日)など、作品や展示を発表するたびに大きな話題を巻き起こしてきました。
大池に浮遊する呼応するランプ(部分)
今回の展示の面白いところは、アートが自然や植物と共存していること。四季折々の草木と調和した展示が見どころです。
例えば、チームラボの代表作としてすっかりお馴染みの、卵型のovoid。人が押しても倒れずに起き上がる、起き上がり小法師のような作品です。
ツバキ園の呼応する小宇宙 - 固形化された光の色, Sunrise and Sunset
ひとつのovoidが動くと光の色が変わり、周囲のovoidもその色に変化していきます。上空から見ると水面の波紋のように、光が広がっていくのです。
人が手で押したときだけでなく、強風に揺れたときも、ovoidの光は変化します。ovoidにとっては、人も風も平等なのですね。
ツバキ園の呼応する小宇宙 - 液化された光の色, Sunrise and Sunset
チームラボは、デジタルテクノロジーによって自然を破壊することなく、「自然そのものが自然のままアートになる」というプロジェクトを行っています。長居植物園での展示は、プロジェクトのコンセプトが強く反映されていると感じました。
具象と抽象 - 二次林の入口
テクノロジーは私たちの暮らしを便利にする一方、環境を破壊してきた側面があります。
しかし、長居植物園で人工のアート作品と植物が共存している様子を目の当たりにして、これはある種の祈りかもしれないと思いました。分断された人間と自然の境界をアートが溶かし、テクノロジーのあり方を示唆しているように見えたからです。
光色の草原 - カピラリス
もちろん、人の手が入った植物園は、純粋な自然とは異なります。それゆえに、人間が本物の自然の内側で生きることの難しさを痛感し、祈ることしかできない無力さを感じました。
チームラボの作品は見て楽しみ、触って遊ぶ面白さがありますが、私のような考察大好き人間の大好物である「深み」もあるんですよね。四季折々の植物に合わせた期間限定の展示もあるので、何度でも訪れたい素敵なスポットです。
自立しつつも呼応する生命の森 - ユーカリ
チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
会場:長居植物園
会期:常設
公式チケット販売サイト:https://botanicalgarden.ticket.teamlab.art/#/
長居植物園:http://botanical-garden.nagai-park.jp