上映中の映画『リコリス・ピザ』は小林亜星と西城秀樹が親子を演じた『寺内貫太郎一家』に似ている?意外な共通点とは

2022/7/22 18:30 龍女 龍女

今回のテーマは、先週に引き続き映画『リコリス・ピザ』(7月1日公開)から取り上げた。
主役はアラナ・ハイム(1991年12月15日生れ)と


(『リコリス・ピザ』のアラナ・ハイム イラストby龍女)

ハイム一家である。
モルデハイ・ハイム(1954年生れ)
ドナ・ハイム
次の頁で詳しく紹介する長女エスティと二女ダニエルとアラナの3人姉妹の5人家族である


(ハイム家の家族写真から引用。右上から長女エスティ、二女ダニエル、三女アラナ。右下から父モルデハイ、母ドナ イラストby龍女)

筆者が今回注目したのは、このシーンである。



ロサンゼルスのサンモニュメント・バレーの高校の体育館の廊下。
25歳の写真家のアシスタントのアラナ・ケイン(アラナ・ハイム)は、卒業写真の撮影のために来ていた。
そこで15歳のゲイリー・ヴァレンタイン(クーパー・ホフマン)に出逢い、熱心に口説かれた。
アラナはゲイリーに連絡先を渋々渡した。

ゲイリーは子役の俳優だ。
ニューヨークで収録されるバラエティ番組に出演することになった。
しかし、ゲイリーは未成年のために、成年の保護者がいないと出演の許可が下りない。
あいにく第一の候補の母親は、仕事の都合で同行が出来ない。
保護者の代理として、先日知り合ったばかりのアラナを頼った。

ロサンゼルスからニューヨークへ向かうジェット機の機内。
同じ子役だがゲイリーより年上のユダヤ人のイケメン俳優ランス(スカイラー・ギソンド)に口説かれた。

アラナの実家であるケイン家は、ユダヤ教徒の家庭である。

ニューヨークから帰った数日後、ユダヤ教の安息日の晩餐。
アラナはランスをボーイフレンドとして自宅に呼んだ。
無神論者のランスは食事前の祈りに同調せず、その場の空気を凍り付かせてしまった。

ランスが帰り、食事の片付けの最中に喧嘩は起きた。
熱心なユダヤ教信者の父モルデハイと三人姉妹の末娘アラナの口論が、先程の短い動画である。


筆者はこのシーンが持っている、空気感、別の言い方をすると、間にシビれてしまった。
『リコリス・ピザ』の舞台は1973年である。
実は翌年1974年に放送された『寺内貫太郎一家』の印象的なシーンと、似たような空気感を発見した。
何故そう思ったのか?その正体を詳しくみていこう。

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