夜の植物園をチームラボが彩る!五感を研ぎ澄ませてアートと戯れる夏

2022/5/12 21:05 明菜 明菜

夜の学校。夜の公園。夜のスイミングプール。夜の交差点。

卑近なものでも、「夜」という単語が頭にくっつくと艶めかしい魅力が立ち上るのは、何か不思議なことが起こりそうな気がするから。



数多くのアート作品でそんな魔性の夜を彩ってきたのが、アート集団チームラボです。

彼らが次に手がけるのは、夜の植物園。2022年夏、大阪府大阪市の長居植物園で、夜の常設展『チームラボ ボタニカルガーデン 大阪』がオープンします。

昼間は植物園であるその場所は、夜になるとそのまま作品空間に。自然の風や雨、この場所を訪れる鳥たちや人々の影響を受け、作品はインタラクティブに反応します。


チームラボ《呼応する小宇宙 - 液化された光の色, Sunrise and Sunset》©チームラボ

例えば《呼応する小宇宙 - 液化された光の色, Sunrise and Sunset》は、大人の腰くらいの高さのovoid(卵形体)をたくさん用いたインスタレーション作品です。

ovoidを人が押したり風が倒したりすると、ovoidは自ら起き上がるとともに音を響かせます。それに反応した周りのovoidも同じ音色を響かせ、水面に起きた波紋のように周囲の空間に広がっていきます。

チームラボが自然の中に設置した作品に人が干渉することで、人と自然は溶け合い、作品の一部になります。

私たちは作品と戯れて遊んでいるつもりでも、人と自然と作品の境界があいまいになった状態でアートに身を委ねている、と言えるのですね。


チームラボ《Untitled》©チームラボ

チームラボは、「人間は、自分の人生より長い時間を認知できないのではないか、つまり、長い時間の連続性に対する認知の境界があるのではないか」と考えているそうです。

「人と自然との営みが続くことによる造形、その形が、長い時間を知覚できる形そのものであると考え、それらによって、長い時間の連続性に対する認知の境界に対する模索をしたいと思っています。」

この言葉のとおり、チームラボはデジタルテクノロジーの力と造形美を借りて、ひとりの人間に与えられた時間と空間の限界を超越する作品を目指している……と、私もひとりの鑑賞者として感じています。


チームラボ《具象と抽象》©チームラボ

風が木々を揺らす音や花の香りに、昼間よりもずっと敏感になれる夜の植物園では、何か不思議なことが起こりそう。

チームラボの作品は、五感を研ぎ澄ませる私たちにその手伝いをしてくれるかもしれません。オープン予定は今年の夏。展示が始まるのが楽しみです。


チームラボ《浮遊する呼応するランプ - ワンストローク》©チームラボ

チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
2022年夏オープン予定
botanicalgarden.teamlab.art

会場:長居植物園 (大阪市東住吉区長居公園1-23)
https://botanical-garden.nagai-park.jp/