宝石を科学する展覧会【宝石展】を見逃すな!
こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。
東京・上野公園の国立科学博物館では、原石ができるまでのメカニズム、原石を宝石に変える加工技術など、宝石の魅力に科学的・文化的な視点から迫る特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」が開催されています。

まばゆいばかりに光り輝く宝石はどこから来たのでしょうか?
宝石の原石は地下深く眠っているものなのですが、どこを掘っても出てくるものではありません。
それは長い年月をかけて地底の中で行われる地質の作用が働いて、まれに生み出されるもの。まさに奇跡的に生み出される貴石なのです。
こちらはマグマが冷えて固まった火成岩から見つかるダイヤモンドとペリドット。

右がダイヤモンド、左が8月の誕生石として知られるペリドット(どちらも国立科学博物館所蔵)
しかし・・・どちらも私のような素人が見たら宝石の原石には見えません。まさに「猫に小判」状態。
宝石の原石を見つけるには特別の知識・技術・経験が必要なのです。
こちらは揮発性(水やガス)成分を伴ったマグマが固まって結晶になった特殊な火成岩ペグマタイト。
一度でいいからこんな神秘的な光景にめぐり会いたいものです。

ペグマタイト ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵
まるで人を飲み込んでしまう巨大な二枚貝のような高さ約2.5mのアメシストドームが会場内に出現!

アメシストは「紫水晶」とも言われ、本来無色の水晶の結晶が、鉄を多く含む玄武岩の鉄をわずかに取り込んで紫色に発色するものなのですが、鉄分の取り込み加減によっては色の具合も変わってしまうでしょう。
これぞまさに自然が織りなす奇跡。
ここは絶好の撮影スポットになっているので、写真を撮ってSNSにアップしましょう!
(ハッシュタグは #日本最大級 #国立科学博物館 #宝石展)
光り輝く宝石は古代から人々を魅了してきました。
今回の展覧会の見どころの一つは、古美術コレクターの橋本貫志氏(1924-2018)が国立西洋美術館に寄贈した約870点の指輪(橋本コレクション)のうち約200点を、紀元前2000年から現代まで4000年の年代順に並べた「宝石史年表」。
ここでは人類が宝石とともにたどってきた軌跡に思いをはせることができます。

「宝石史年表」展示風景(部分)
少しだけご紹介すると、最初に登場するのは古代エジプト時代のスカラベ(昆虫のフンコロガシ)や、鷹の姿をした天空神ホルスの眼をかたどった宝石群。

「宝石史年表」展示風景(部分)
古代エジプトでは、スカラベは、獣糞を球状にしてころがす様子が太陽が天空を東から西に運ばれる姿になぞられ神聖視され、これをかたどったものは護符、印章、装飾品として用いられました。
宝石の魅力は、もちろんその美しい輝き。
その美しい輝きを出すためには、それぞれの宝石は、その特性に応じてカットされています。
カットスタイルは、大きく分けて多数の研磨面(ファセット)で囲まれた多面体に仕上げるファセットカットとファセットをつけないカットの2つのタイプがあって、例えば透明度が高いダイヤモンドはファセットで光を反射させて最大限に輝かせるのです。
こちらは代表的な7種類のカットスタイルが展示されているので、それぞれの美しさと違いがよくわかります。

「宝石の代表的なカット」展示風景
暗室のように仕切られた小部屋の中には何があるのでしょうか。

部屋の中には普通に宝石が並んでいるようにも見えますが、しばらくして室内が暗くなると、このとおり。
紫外線を照射すると発光するフローライト(蛍石)の幻想的なショーが始まります。

「紫外線で光る宝石(蛍光)」展示風景
さて、いよいよ第4章、第5章ではお待ちかね、うっとりするようなジュエリーのワンダーワールドが展開されます。
第4章は、フランス・パリに本店を構えるヴァン クリーフ&アーペルと、兵庫・芦屋発のジュエリーグランド、ギメルの競演。
同じ宝飾品でも、ヴァン クリーフ&アーペルの作品からは落ち着いた気品あふれる風格が感じられ、ギメルの作品からは細部にこだわった繊細さや、可愛らしさが感じられ、それぞれの良さが引き立つとても素晴らしい取り合わせです。

ヴァン クリーフ&アーペル作品展示風景

アメンタ ネックレス 〈アトランティド〉コレクション ヴァン クリーフ&アーペル所蔵
ギメルの日本らしく四季折々の抒情が感じられる「Four Seasons」にも注目です。
ジュエリーの間に飾られている季節ごとの草花もいいアクセントになっています。

ギメル「Four Seasons」展示風景

右下 ”一輪車にのって” ピンズ 左上トラピチェ・エメラルド亀ピンズ ギメルトレーディング所蔵
そして最後の第5章では、世界的な宝飾コレクションを誇るアルビオン アートから、珠玉の芸術品約60点が一挙公開。
古代メソポタミアやエジプトから現代まで、人類が追求してきた美の歴史をたどることができる絢爛豪華な展示でクライマックスを迎えます。

アルビオン アート・コレクション展示風景

アルビオン アート・コレクション展示風景
「宝石展」なので展覧会オリジナルグッズも宝石にちなんだゴージャスなラインナップ。

本物の宝石を総柄にしたリバティプリントAlexandraトートバッグ(税込 3,080円)(上の写真左上)、宝石のように様々な色があって、見た目も楽しい「石チョコ」(税込 864円)(上の写真右下)、アルビオン アート・コレクションのデザインがおしゃれな「サクマドロップス(アルビオンアート)」(税込 540円)(上の写真左下)はじめ盛りだくさんの内容です。
大人も子供も楽しめて、リッチな気分にもなれる展覧会です。
ぜひお楽しみください!
東京・上野公園の国立科学博物館では、原石ができるまでのメカニズム、原石を宝石に変える加工技術など、宝石の魅力に科学的・文化的な視点から迫る特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」が開催されています。

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」
終了しました。
名古屋会場 7月9日(土)~9月19日(月・祝) 名古屋市科学館
会 期 2022年2月19日(土)~6月19日(日)
会 場 国立科学博物館 地球館地下1階 特別展示室
開館時間 9時~17時(入場は16時30分まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館)
※ただし3月28日、5月2日、6月13日は開館
入場料(税込) 一般・大学生 2,000円、小・中・高校生 600円
※ご入場される方は、オンラインでの日時指定予約が必要です。
※展覧会の詳細、日時指定予約等については展覧会公式サイトをご覧ください⇒https://hoseki-ten.jp

会場展示風景
展覧会構成
第1章 原石の誕生
第2章 原石から宝石へ
第3章 宝石の特性と多様性
第4章 ジュエリーの技巧
第5章 宝石の極み
音声ガイド
貸出料金 一般・大学生600円、高校生以下550円(1台/税込)
ナビゲーター カズレーザーさん、ナレーター 早見沙織さん
終了しました。
名古屋会場 7月9日(土)~9月19日(月・祝) 名古屋市科学館
会 期 2022年2月19日(土)~6月19日(日)
会 場 国立科学博物館 地球館地下1階 特別展示室
開館時間 9時~17時(入場は16時30分まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館)
※ただし3月28日、5月2日、6月13日は開館
入場料(税込) 一般・大学生 2,000円、小・中・高校生 600円
※ご入場される方は、オンラインでの日時指定予約が必要です。
※展覧会の詳細、日時指定予約等については展覧会公式サイトをご覧ください⇒https://hoseki-ten.jp

会場展示風景
展覧会構成
第1章 原石の誕生
第2章 原石から宝石へ
第3章 宝石の特性と多様性
第4章 ジュエリーの技巧
第5章 宝石の極み
音声ガイド
貸出料金 一般・大学生600円、高校生以下550円(1台/税込)
ナビゲーター カズレーザーさん、ナレーター 早見沙織さん
私たちを魅了する宝石はどこから来たのか?
まばゆいばかりに光り輝く宝石はどこから来たのでしょうか?
宝石の原石は地下深く眠っているものなのですが、どこを掘っても出てくるものではありません。
それは長い年月をかけて地底の中で行われる地質の作用が働いて、まれに生み出されるもの。まさに奇跡的に生み出される貴石なのです。
こちらはマグマが冷えて固まった火成岩から見つかるダイヤモンドとペリドット。

右がダイヤモンド、左が8月の誕生石として知られるペリドット(どちらも国立科学博物館所蔵)
しかし・・・どちらも私のような素人が見たら宝石の原石には見えません。まさに「猫に小判」状態。
宝石の原石を見つけるには特別の知識・技術・経験が必要なのです。
こちらは揮発性(水やガス)成分を伴ったマグマが固まって結晶になった特殊な火成岩ペグマタイト。
一度でいいからこんな神秘的な光景にめぐり会いたいものです。

ペグマタイト ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵
まるで人を飲み込んでしまう巨大な二枚貝のような高さ約2.5mのアメシストドームが会場内に出現!

アメシストは「紫水晶」とも言われ、本来無色の水晶の結晶が、鉄を多く含む玄武岩の鉄をわずかに取り込んで紫色に発色するものなのですが、鉄分の取り込み加減によっては色の具合も変わってしまうでしょう。
これぞまさに自然が織りなす奇跡。
ここは絶好の撮影スポットになっているので、写真を撮ってSNSにアップしましょう!
(ハッシュタグは #日本最大級 #国立科学博物館 #宝石展)
古代人たちが宝石に込めた思いは?-橋本コレクションの「宝石史年表」-
光り輝く宝石は古代から人々を魅了してきました。
今回の展覧会の見どころの一つは、古美術コレクターの橋本貫志氏(1924-2018)が国立西洋美術館に寄贈した約870点の指輪(橋本コレクション)のうち約200点を、紀元前2000年から現代まで4000年の年代順に並べた「宝石史年表」。
ここでは人類が宝石とともにたどってきた軌跡に思いをはせることができます。

「宝石史年表」展示風景(部分)
少しだけご紹介すると、最初に登場するのは古代エジプト時代のスカラベ(昆虫のフンコロガシ)や、鷹の姿をした天空神ホルスの眼をかたどった宝石群。

「宝石史年表」展示風景(部分)
古代エジプトでは、スカラベは、獣糞を球状にしてころがす様子が太陽が天空を東から西に運ばれる姿になぞられ神聖視され、これをかたどったものは護符、印章、装飾品として用いられました。
宝石の魅力の秘密とは?
宝石の魅力は、もちろんその美しい輝き。
その美しい輝きを出すためには、それぞれの宝石は、その特性に応じてカットされています。
カットスタイルは、大きく分けて多数の研磨面(ファセット)で囲まれた多面体に仕上げるファセットカットとファセットをつけないカットの2つのタイプがあって、例えば透明度が高いダイヤモンドはファセットで光を反射させて最大限に輝かせるのです。
こちらは代表的な7種類のカットスタイルが展示されているので、それぞれの美しさと違いがよくわかります。

「宝石の代表的なカット」展示風景
暗室のように仕切られた小部屋の中には何があるのでしょうか。

部屋の中には普通に宝石が並んでいるようにも見えますが、しばらくして室内が暗くなると、このとおり。
紫外線を照射すると発光するフローライト(蛍石)の幻想的なショーが始まります。

「紫外線で光る宝石(蛍光)」展示風景
美しき宝飾品(ジュエリー)の競演
さて、いよいよ第4章、第5章ではお待ちかね、うっとりするようなジュエリーのワンダーワールドが展開されます。
第4章は、フランス・パリに本店を構えるヴァン クリーフ&アーペルと、兵庫・芦屋発のジュエリーグランド、ギメルの競演。
同じ宝飾品でも、ヴァン クリーフ&アーペルの作品からは落ち着いた気品あふれる風格が感じられ、ギメルの作品からは細部にこだわった繊細さや、可愛らしさが感じられ、それぞれの良さが引き立つとても素晴らしい取り合わせです。

ヴァン クリーフ&アーペル作品展示風景

アメンタ ネックレス 〈アトランティド〉コレクション ヴァン クリーフ&アーペル所蔵
ギメルの日本らしく四季折々の抒情が感じられる「Four Seasons」にも注目です。
ジュエリーの間に飾られている季節ごとの草花もいいアクセントになっています。

ギメル「Four Seasons」展示風景

右下 ”一輪車にのって” ピンズ 左上トラピチェ・エメラルド亀ピンズ ギメルトレーディング所蔵
そして最後の第5章では、世界的な宝飾コレクションを誇るアルビオン アートから、珠玉の芸術品約60点が一挙公開。
古代メソポタミアやエジプトから現代まで、人類が追求してきた美の歴史をたどることができる絢爛豪華な展示でクライマックスを迎えます。

アルビオン アート・コレクション展示風景

アルビオン アート・コレクション展示風景
オリジナルグッズも超豪華ラインナップ!
「宝石展」なので展覧会オリジナルグッズも宝石にちなんだゴージャスなラインナップ。

本物の宝石を総柄にしたリバティプリントAlexandraトートバッグ(税込 3,080円)(上の写真左上)、宝石のように様々な色があって、見た目も楽しい「石チョコ」(税込 864円)(上の写真右下)、アルビオン アート・コレクションのデザインがおしゃれな「サクマドロップス(アルビオンアート)」(税込 540円)(上の写真左下)はじめ盛りだくさんの内容です。
大人も子供も楽しめて、リッチな気分にもなれる展覧会です。
ぜひお楽しみください!