【メトロポリタン美術館展 東京展限定】「すみっコぐらし てのりぬいぐるみ」で学ぶ西洋美術史

2022/2/11 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)

六本木、国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」。

2021年よりオーストラリア、ブリスベン現代美術館、大阪市立美術館と巡回し東京へやってきました。METの世界ツアーも東京が最後となります。


展覧会公式サイト:https://met.exhn.jp/

15世紀の初期ルネサンスの絵画から19世紀のポスト印象派まで、西洋絵画の500年の歴史を彩った巨匠たちの傑作がこのコロナ禍にありながら一挙来日しているまさに空前絶後の展覧会です。

展覧会の内容についてはあらためて「青い日記帳」に書くとして、ここでは子どもから大人まで幅広い層に人気の「すみっコぐらし」とのコラボグッズについて紹介します。

実はこれ東京展だけのオリジナルグッズなのです!



「メトロポリタン美術館展」コラボグッズ「すみっコぐらしシール」

ミュージアムグッズの定番商品である、クリアファイルやシールも注目ですが、何と言っても人気なのは「すみっコぐらし てのりぬいぐるみ」です。

今回の「メトロポリタン美術館展」に出ている巨匠の絵をモチーフにした衣装を身にまとった「すみっコぐらし てのりぬいぐるみ」



SNS上で「キャラクターグッズってそんなに興味がないんだけど、なにこれめっちゃ可愛いー!!」「あっ可愛い……これは可愛い……」などの声が聞こえてくるのも無理がありません。実際に良く出来ています。

ただ、折角仕事を選んでアートなコラボを果たしているのですから、そのモチーフとなった巨匠の絵も知っておきたいところです。

と言うことで、「すみっコぐらし てのりぬいぐるみ」で学ぶ西洋美術史始めて参りましょう。全5種類の中から元絵が描かれた古い順に紹介して参ります。

まずは、楽器を手にした「ぺんぎん?」さんからです。


ぺんぎん?【カラヴァッジョ】「音楽家たち」

元になった作品はこちら。

カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ)「音楽家たち」1597年 油彩/カンヴァス

迫真的な写実描写と劇的な明暗表現により、バロック絵画の立役者となり後世の画家に多大なる影響を与えた17世紀イタリアの巨匠カラヴァッジョの大作です。

滑らかな白い肌の若者たちは両性具有的で、カラバッジョ特有のアンニュイで官能的な雰囲気を漂わせています。

お次は「とんかつ」くんです。


とんかつ【レンブラント】「フローラ」

元になった作品はこちら。

レンブラント・ファン・レイン「フローラ」1654年頃 油彩/カンヴァス

聖書や神話を主題とする歴史画と肖像画の両方のジャンルで活躍した17世紀オランダの巨匠レンブラント。

神々や歴史上の人物に扮装した(コスプレした)肖像画を得意としました。フローラは春、花、豊穣を司る古代ローマの女神です。

続いて「とかげ」くんの登場です。


とかげ【プーシェ】「ヴィーナスの化粧」

元になった絵画はこちら。

フランソワ・ブーシェ「ヴィーナスの化粧」1751年 油彩/カンヴァス

官能的な神話場面や田園での男女が憩う情景をパステル調の色彩で華麗に描いた18世紀フランス、ロココ美術を代表する画家ブーシェ。

ルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人のために描いたこの作品。磁器のように白く滑らかなヴィーナスの裸身とキューピッドと白い鳩。まさに夢のような世界を描いた一枚です。

「しろくま」さんはどんな絵がモチーフとなっているのでしょう。

しろくま【ゴヤ】「ホセ・コスタ・イ・ボネルス、通称ペピート」

元になった名画はこちら。

フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス「ホセ・コスタ・イ・ボネルス、通称ペピート(1870年没)」1810年頃 油彩/カンヴァス

優れた肖像画を数多く手掛けたスペインの宮廷画家ゴヤ。19世紀初頭にスペインで活動した医師の息子を描いた作品です。絵具の塗りむらや筆跡をあえて残した筆遣いはまさにゴヤならでは。

軍服のような衣装を身に纏い、おもちゃの馬や太鼓などが描かれていますが、これは当時ナポレオンの支配に対して行われたスペイン独立戦争の軍の装備に着想を得ているそうです。

最後はお待たせしました!「ねこ」さんです。

ねこ【ルノワール】「ヒナギクを持つ少女」

元になった絵はこちらになります。

オーギュスト・ルノワール「ヒナギクを持つ少女」1889年 油彩/カンヴァス

印象派の巨匠ルノワールは他の印象派の画家たち(モネやシスレー)が風景画を多く手掛けた中で、肖像画や人物画で名声を確立しました。

一時古典的な人物画を描いていましたが、再び印象派風の描き方に戻ることを決意した時期の代表作がこの「ヒナギクを持つ少女」。画面全体の色彩の調和が取れた優品です。



時代もバロックから印象派まで、国もイタリア、オランダ、スペイン、フランスと西洋絵画の歴史をこの「すみっコぐらし てのりぬいぐるみ」でしっかりと学べてしまいます。

単なるコラボではなく、よく考えられている選出であると、今回元となった絵画を確認しながら感心してしまいました。すみにおけませんね、すみっコぐらしたち。


「メトロポリタン美術館展」コラボグッズ「すみっコぐらし マシュマロ」

「メトロポリタン美術館展」東京展特設ショップ限定の「すみっコぐらし」とのオリジナルコラボグッズ。売切れ次第販売終了とのことです。

どの展覧会でもそうですが、会期が進めば進むほど混雑してくるものです。早めに観に行きましょう!巡回は東京展が最後です。

いざ六本木!!


「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」

会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
会期:2022年2月9日(水)~5月30日(月)
主催:国立新美術館、メトロポリタン美術館、日本経済新聞社、テレビ東京、BSテレビ東京、TBS、BS-TBS
後援:米国大使館
開館時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(ただし、5月3日(火・祝)は開館)
展覧会公式サイト:https://met.exhn.jp/


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Pen (ペン) 「特集:メトロポリタン美術館のすべて」〈2022年3月号〉 [雑誌]