【かつての栄華が鮮やかに蘇る】ローマ時代の古代都市にタイムスリップ!
こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。
今回は、およそ2000年前の火山の大噴火で一昼夜にして火山灰に埋もれた街、ポンペイのかつての繁栄ぶりを今に伝える特別展「ポンペイ」の様子をご紹介したいと思います。
一昨年秋から去年にかけて、世界最高レベルの古代エジプトコレクションを所蔵するヨーロッパの3つの博物館からミイラや出土された至宝の数々が来日して、一大「ミイラブーム」を巻き起こしました(今年夏まで開催されるものもあります)。
さて今年はといいますと、時代的には古代エジプトの後に繁栄を迎えたローマ時代の一都市、ポンペイの至宝約150点がイタリア・ナポリ国立考古学博物館から一挙来日して国内を巡回するので、「ポンペイブーム」が起こりそうな予感がしています。
さて、すでにSNSでも話題沸騰で、内容充実、見どころいっぱいのポンペイ展ですが、今回は主な見どころを2つに絞って会場内をご案内したいと思います。
そして、会場内をめぐるときにおすすめなのが音声ガイド。
声優の小野賢章さん、小野友樹さん扮するキャラクターが街の見どころを周って、当時のポンペイの文化、人々のと暮らしぶり、作品の見どころを臨場感たっぷりにご案内します。
(音声ガイド)
会場レンタル版 1台 600円(税込)
アプリ配信版(iOS/Android) 販売価格 730円(税込)
配信期間 2022年1月14日~2022年12月末 アプリ限定のポーナストラック付
今回の展覧会で特に注目したいのは、ポンペイ市内の大邸宅を含む3軒の一部再現展示。
出土された彫刻やモザイク画が再現展示の中に見事に溶け込んでいて、まるで2000年前の邸宅にお邪魔したような気分になってきます。
シーンその1 「ファウヌスの家」とモザイク
「ファウヌスの家」は敷地面積がおよそ3000㎡もあるポンペイ最大の邸宅でした。
入口の両脇に立派な円柱がそびえるエクセドラ(談話室)は、こんなに広々していても実は邸宅のほんの一部。「ファウヌスの家」がいかに大きかったかが想像できます。
このエクセドラの床に敷かれていたのが「アレクサンドロス大王のモザイク」。
アケメネス朝ペルシャの王ダレイオス3世率いるペルシャ軍にアレクサンドロス大王のマケドニア軍が突撃する場面を描いた「アレクサンドロス大王のモザイク」のレプリカが、かつて栄華を誇った時と同じく床に展示されていて、正面のスクリーンに流れる8K高精細映像で作品の細部が紹介されています。
学校の世界史で習うアレクサンドロス大王といえば、やはりこのお顔です。
「ファウヌスの家」の邸内を彩っていたモザイクや彫刻は次の間に展示されています。
シーンその2 「竪琴奏者の家」の中庭
続いてはポンペイでも屈指の大邸宅「竪琴奏者の家」の中庭の再現展示。
中央の像は「竪琴奏者の家」から出土されたもので、「イヌとイノシシ」と「ヘビ形噴水」。
ヘビやイノシシの内部には水道管が通っていて、口からは水を吹き出すようになっています。
シーンその3 「悲劇詩人の家」のアトリウム
「猛犬注意(CAVE CANEM)」と書かれた犬のモザイク(こちらはレプリカ)のある「悲劇詩人の家」のファウケス(玄関廊下)を見ながら猛犬に気をつけて先に進むと・・・
アトリウムに入ります。
壁面にはギリシャの詩人ホメロスの詩からとられた物語の場面が描かれたフレスコ画が展示されていて、まるでヨーロッパの美術館の中に迷い込んだような楽しい気分になってきます。
展覧会の大きな楽しみの一つは、やはり展覧会グッズ。
特設ミュージアムショップでは、会場限定のオリジナルグッズやコラボグッズが販売されているので、財布のひもがついついゆるんでしまいそうです。
上の写真の右の白いものは円柱を模したものかな、とわかるのですが(「古代遺跡の柱の抱き枕」 税込6,380円)、左の黒い物体は何でしょうか。
近づいて見てみると・・・
なんと、火山灰によって炭化したパンのクッション(税込4,950円)!
実物はこちら。展示ケースの奥の黒い塊が炭化したパンなのです。
「古代遺跡の柱の抱き枕」の前には、可愛らしい「黒い犬のぬいぐるみ」(税込 1,760円)。
モデルとなった猛犬にはいくつかのパターンがあったようです。こちらは実物の「猛犬注意」のモザイク。
ポンペイの歴史や今回の展示作品の図版や解説、展覧会監修者のエッセイ7本を収録した盛りだくさんの内容の展覧会公式図録(税込2,900円)もおすすめです。
表紙はポンペイレッドで、裏表紙は、噴火前のヴェスヴィオ山が描かれた「バックス(ディオニュソス)とヴェスヴィオ山」と「ファウヌスの家」のモザイク「ネコとカモ」の2パターン。
さて、みなさんはどちらがお好みでしょうか?
「バックス(ディオニュソス)とヴェスヴィオ山」にはブドウの実をまとったワインの神バックスが描かれています。
ポンペイではワインの生産が盛んに行われていたのです。
そういう話を聞くとワインが飲みたくなってくるのは自然のなりゆき。
会場入口ではイタリアワインも販売しているので、まさに至れり尽くせり(お酒は二十歳になってから!)。
会場に古代ポンペイ人出現!?
・・・ではありません。
フィットネスモデルとして活躍しているAMONさん扮する「#ポンペイくん」です。
特別展「ポンペイ」公式インスタグラムでは「#ポンペイくん」が会場内の”映える”おすすめスポットを紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください⇒特別展「ポンペイ」公式Instagram
紹介が最後になりましたが、会場に入ってすぐの巨大スクリーンに映し出された映像は衝撃的でした。
噴煙を上げるヴェスヴィオ山、迫りくる火砕流、逃げまどう人々、そして噴火が収まったあとに残されたポンペイの街の無残な姿。
近年、東日本大震災をはじめとして、今までの普通の生活が突然途絶え、多くの犠牲者が出た大災害を経験した私たちにとって、ポンペイの災害が2000年前のこととは思えなくなり、ぐっと胸にこみあげてくるものを感じたのです。
展覧会のキャッチコピーは「そこにいた。」。
火山の噴火前には「そこにいた」市民の生活の痕跡を、精巧に再現された邸宅や室内のしつらえの中、出土された彫刻、モザイク、フレスコ画、日々の生活の道具などを見ながら、まるでその場にいるような雰囲気の中で感じとることができる、とても内容の濃い展覧会です。
会場展示風景
今回は、およそ2000年前の火山の大噴火で一昼夜にして火山灰に埋もれた街、ポンペイのかつての繁栄ぶりを今に伝える特別展「ポンペイ」の様子をご紹介したいと思います。
一昨年秋から去年にかけて、世界最高レベルの古代エジプトコレクションを所蔵するヨーロッパの3つの博物館からミイラや出土された至宝の数々が来日して、一大「ミイラブーム」を巻き起こしました(今年夏まで開催されるものもあります)。
さて今年はといいますと、時代的には古代エジプトの後に繁栄を迎えたローマ時代の一都市、ポンペイの至宝約150点がイタリア・ナポリ国立考古学博物館から一挙来日して国内を巡回するので、「ポンペイブーム」が起こりそうな予感がしています。
特別展「ポンペイ」
東京会場
会 期 2022年1月14日(金)~4月3日(日)
※終了しました。現在開催中の会場は下記巡回展情報をご覧ください。
会 場 東京国立博物館 平成館
開館時間 午前9時30分~午後5時
休館日 月曜日、3/22(火)
※ただし、3/21(月・祝)、3/28(月)は開館
観覧料(税込) 一般 2,100円 大学生 1,300円、高校生 900円
※事前予約(日時指定券)推奨。
※展覧会の詳細、日時指定予約等については展覧会公式サイトをご覧ください⇒特別展「ポンペイ」
会場展示風景
巡回展
京都 2022年4月21日(木)~7月3日(日) 京都市京セラ美術館終了しました。
宮城 2022年7月16日(土)~9月25日(日) 宮城県美術館終了しました。
福岡 2022年10月12日(水)~12月4日(日) 九州国立博物館
※特別展「ポンペイ」(東京展)では、個人利用に限り展示室内で写真撮影ができます。
東京会場
会 期 2022年1月14日(金)~4月3日(日)
※終了しました。現在開催中の会場は下記巡回展情報をご覧ください。
会 場 東京国立博物館 平成館
開館時間 午前9時30分~午後5時
休館日 月曜日、3/22(火)
※ただし、3/21(月・祝)、3/28(月)は開館
観覧料(税込) 一般 2,100円 大学生 1,300円、高校生 900円
※事前予約(日時指定券)推奨。
※展覧会の詳細、日時指定予約等については展覧会公式サイトをご覧ください⇒特別展「ポンペイ」
会場展示風景
巡回展
福岡 2022年10月12日(水)~12月4日(日) 九州国立博物館
※特別展「ポンペイ」(東京展)では、個人利用に限り展示室内で写真撮影ができます。
さて、すでにSNSでも話題沸騰で、内容充実、見どころいっぱいのポンペイ展ですが、今回は主な見どころを2つに絞って会場内をご案内したいと思います。
そして、会場内をめぐるときにおすすめなのが音声ガイド。
声優の小野賢章さん、小野友樹さん扮するキャラクターが街の見どころを周って、当時のポンペイの文化、人々のと暮らしぶり、作品の見どころを臨場感たっぷりにご案内します。
(音声ガイド)
会場レンタル版 1台 600円(税込)
アプリ配信版(iOS/Android) 販売価格 730円(税込)
配信期間 2022年1月14日~2022年12月末 アプリ限定のポーナストラック付
見どころ1 再現展示と実物のコンビネーションがリアル!
今回の展覧会で特に注目したいのは、ポンペイ市内の大邸宅を含む3軒の一部再現展示。
出土された彫刻やモザイク画が再現展示の中に見事に溶け込んでいて、まるで2000年前の邸宅にお邪魔したような気分になってきます。
シーンその1 「ファウヌスの家」とモザイク
「ファウヌスの家」は敷地面積がおよそ3000㎡もあるポンペイ最大の邸宅でした。
入口の両脇に立派な円柱がそびえるエクセドラ(談話室)は、こんなに広々していても実は邸宅のほんの一部。「ファウヌスの家」がいかに大きかったかが想像できます。
このエクセドラの床に敷かれていたのが「アレクサンドロス大王のモザイク」。
アケメネス朝ペルシャの王ダレイオス3世率いるペルシャ軍にアレクサンドロス大王のマケドニア軍が突撃する場面を描いた「アレクサンドロス大王のモザイク」のレプリカが、かつて栄華を誇った時と同じく床に展示されていて、正面のスクリーンに流れる8K高精細映像で作品の細部が紹介されています。
学校の世界史で習うアレクサンドロス大王といえば、やはりこのお顔です。
「ファウヌスの家」の邸内を彩っていたモザイクや彫刻は次の間に展示されています。
シーンその2 「竪琴奏者の家」の中庭
続いてはポンペイでも屈指の大邸宅「竪琴奏者の家」の中庭の再現展示。
中央の像は「竪琴奏者の家」から出土されたもので、「イヌとイノシシ」と「ヘビ形噴水」。
ヘビやイノシシの内部には水道管が通っていて、口からは水を吹き出すようになっています。
シーンその3 「悲劇詩人の家」のアトリウム
「猛犬注意(CAVE CANEM)」と書かれた犬のモザイク(こちらはレプリカ)のある「悲劇詩人の家」のファウケス(玄関廊下)を見ながら猛犬に気をつけて先に進むと・・・
アトリウムに入ります。
壁面にはギリシャの詩人ホメロスの詩からとられた物語の場面が描かれたフレスコ画が展示されていて、まるでヨーロッパの美術館の中に迷い込んだような楽しい気分になってきます。
見どころ2 展示作品と展覧会グッズのコラボレーションが楽しい!
展覧会の大きな楽しみの一つは、やはり展覧会グッズ。
特設ミュージアムショップでは、会場限定のオリジナルグッズやコラボグッズが販売されているので、財布のひもがついついゆるんでしまいそうです。
上の写真の右の白いものは円柱を模したものかな、とわかるのですが(「古代遺跡の柱の抱き枕」 税込6,380円)、左の黒い物体は何でしょうか。
近づいて見てみると・・・
なんと、火山灰によって炭化したパンのクッション(税込4,950円)!
実物はこちら。展示ケースの奥の黒い塊が炭化したパンなのです。
「古代遺跡の柱の抱き枕」の前には、可愛らしい「黒い犬のぬいぐるみ」(税込 1,760円)。
モデルとなった猛犬にはいくつかのパターンがあったようです。こちらは実物の「猛犬注意」のモザイク。
ポンペイの歴史や今回の展示作品の図版や解説、展覧会監修者のエッセイ7本を収録した盛りだくさんの内容の展覧会公式図録(税込2,900円)もおすすめです。
表紙はポンペイレッドで、裏表紙は、噴火前のヴェスヴィオ山が描かれた「バックス(ディオニュソス)とヴェスヴィオ山」と「ファウヌスの家」のモザイク「ネコとカモ」の2パターン。
さて、みなさんはどちらがお好みでしょうか?
「バックス(ディオニュソス)とヴェスヴィオ山」にはブドウの実をまとったワインの神バックスが描かれています。
ポンペイではワインの生産が盛んに行われていたのです。
そういう話を聞くとワインが飲みたくなってくるのは自然のなりゆき。
会場入口ではイタリアワインも販売しているので、まさに至れり尽くせり(お酒は二十歳になってから!)。
東京国立博物館「ポンペイ展」オリジナルグッズ数多ある中いちばん心惹かれたのがこいつ。https://t.co/pt5ExrqIUa 青、赤、黄色の色使いは魔物。 #ポンペイ展 pic.twitter.com/j3DWykRoTA
— Tak(たけ) @『いちばんやさしい美術鑑賞』 (@taktwi) January 15, 2022
会場に古代ポンペイ人出現!?
・・・ではありません。
フィットネスモデルとして活躍しているAMONさん扮する「#ポンペイくん」です。
特別展「ポンペイ」公式インスタグラムでは「#ポンペイくん」が会場内の”映える”おすすめスポットを紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください⇒特別展「ポンペイ」公式Instagram
紹介が最後になりましたが、会場に入ってすぐの巨大スクリーンに映し出された映像は衝撃的でした。
噴煙を上げるヴェスヴィオ山、迫りくる火砕流、逃げまどう人々、そして噴火が収まったあとに残されたポンペイの街の無残な姿。
近年、東日本大震災をはじめとして、今までの普通の生活が突然途絶え、多くの犠牲者が出た大災害を経験した私たちにとって、ポンペイの災害が2000年前のこととは思えなくなり、ぐっと胸にこみあげてくるものを感じたのです。
展覧会のキャッチコピーは「そこにいた。」。
火山の噴火前には「そこにいた」市民の生活の痕跡を、精巧に再現された邸宅や室内のしつらえの中、出土された彫刻、モザイク、フレスコ画、日々の生活の道具などを見ながら、まるでその場にいるような雰囲気の中で感じとることができる、とても内容の濃い展覧会です。
会場展示風景