アラ、今日はどちらへ? 2022年も【旅するクリムトおじさん】の日々を追いかけたい!

2022/1/17 18:20 虹


「小さきものは、みなうつくし」

かつて清少納言は『枕草子』の中で、こう記しました。
小さな子ども、小鳥や草花。その身にぎゅっといのちを宿す様子は愛おしく、こちらの心を動かします。
そしてそれは、実際に生命を持つものでなくとも同じこと。
近年シルバニアファミリーの人気が高まっていますが、シルバニアやぬいぐるみなどがいきいきと写された写真を見ていると、その「小さきいのち」に、つい頬がゆるんでしまうという人も多いのではないでしょうか。

そんな中で、ひときわ異彩を放つ小さきものがこちら。
画家であるグスタフ・クリムトをモチーフにした「クリムトおじさん」です。


2019年5月、突如としてTwitter界に舞い降りたクリムトおじさん。
彼は美術館へ行き、様々な土地を旅し、美味しいものを楽しむとてもアクティブなおじさんなのです。


クリムトおじさんとは?

クリムトおじさんは、もともと2019年4月に東京都美術館で開催された「クリムト展 ウィーンと日本 1900」のオリジナルグッズで販売されていたソフビ人形でした。(※展覧会はその後、豊田市美術館へ巡回)

生みの親は、さまざまな展覧会で革新的なミュージアムグッズを制作している株式会社Eastさん。クリムト展のグッズでは黄金色の付箋なども話題となりましたが、ほぼデフォルメがされていないグスタフ・クリムト人形の斬新さに、多くの人が惹きつけられていました。

クリムトおじさんはクリムト展の公式アカウントではありませんが、そのユーモアのセンスは徐々に広まっていき、いつしかEastさんにも届きます。


そしてついに2021年11月22日、株式会社East代表・開 永一郎さんとクリムトおじさんが、奇跡の邂逅を果たしたのです!


クリムトおじさん 驚異のフットワーク

そんな胸が熱くなるエピソードを持つクリムトおじさん。フォロワーの間では、足繁く展覧会へ通うことでも知られています。

その姿たるや、アートアカウント顔負けのフットワーク!
今年もすでにトーハク詣を済ませていました。

ちなみに2021年の鑑賞納めは「柚木沙弥郎 life・LIFE」(PLAY! MUSEUM)だったようです。

秋には根津美術館へも。

現代美術もよく観に行かれています。
マーク・マンダース「マーク・マンダ ースの不在」(東京都現代美術館)。

千葉県佐倉市にある「DIC川村記念美術館」や、金沢の「鈴木大拙館」にも足を延ばしていました。

思わず笑ってしまう「ヴァンジ彫刻庭園美術館」での様子。


それだけではありません。「旅するクリムトおじさん」というだけあって、さまざまな場所にも旅しておられます。
奈良の東大寺にある二月堂や、京都の桂離宮。



秋田の酒蔵にも(クリムトおじさんは結構呑む人です)。

極めつけはこちら。ウィーンへ里帰りもしているのです!



残念ながらおじさんが旅を始めた1年後にはコロナ禍となってしまい、あまり遠出はできていないよう。
それでも身近な場所を旅するように巡る姿は、閉塞的な空気を吹き飛ばしてくれます。


……はい。もう多くの方がお気づきかと思われますが、クリムトおじさんはとにかく写真が良い! 人形なのでポーズや表情は一定なのですが、それを感じさせない表情豊かなカットはお見事!
人形ということを忘れます。



加えて おじさんによる絶妙なひと言が実に味わい深い‼
いつか旅行会社の旅コラムあたりで、おじさんがナビゲートする記事が紹介されたらいいのに……と願っているのは私だけではないでしょう。



▲どうしても2コマで見せたかったおみくじツイート


2022年もクリムトおじさんを追いかけたい

百聞は一見に如かず。私があれこれ言うよりも、実際にクリムトおじさんのアカウントをチェックした方がその魅力を存分に楽しめると思いますので、ぜひおじさんのツイートを見に行ってみてください。
ここで紹介した以外にも、素晴らしい日々の記録がたくさんあります。


▲画像クリックで「旅するクリムトおじさん」のアカウントに飛びます


そして今回、紹介記事を書くにあたり、なんとクリムトおじさんご本人より「2022年の抱負」を伺うことができましたので、ご紹介したいと思います!



うんうん、ほんと……。ほんとよネ……。
感染症による雲行きのあやしさに身構えてしまいますが、なんとかこれ以上拡大せず、クリムトおじさんおよび我々が自由に旅できる日々が戻ってきてほしいですね。

日々の時間を「旅」するように楽しむクリムトおじさん。その1年を、私も楽しみに追いかけたいと思います!


▲「SPREAD by SPREAD 明日は何色?」展(スパイラル)にて!