アラ、今日はどちらへ? 2022年も【旅するクリムトおじさん】の日々を追いかけたい!
かつて清少納言は『枕草子』の中で、こう記しました。
小さな子ども、小鳥や草花。その身にぎゅっといのちを宿す様子は愛おしく、こちらの心を動かします。
そしてそれは、実際に生命を持つものでなくとも同じこと。
近年シルバニアファミリーの人気が高まっていますが、シルバニアやぬいぐるみなどがいきいきと写された写真を見ていると、その「小さきいのち」に、つい頬がゆるんでしまうという人も多いのではないでしょうか。
そんな中で、ひときわ異彩を放つ小さきものがこちら。
画家であるグスタフ・クリムトをモチーフにした「クリムトおじさん」です。
こんにちは、クリムトおじさんです。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) May 23, 2019
これからこのアカウントで旅先の思い出とかをトゥイートしていこうと思ってるヨ。 pic.twitter.com/rP5XLsgf5V
2019年5月、突如としてTwitter界に舞い降りたクリムトおじさん。
彼は美術館へ行き、様々な土地を旅し、美味しいものを楽しむとてもアクティブなおじさんなのです。
クリムトおじさんは、もともと2019年4月に東京都美術館で開催された「クリムト展 ウィーンと日本 1900」のオリジナルグッズで販売されていたソフビ人形でした。(※展覧会はその後、豊田市美術館へ巡回)
クリムト展 グスタフ・ソフビ人形
— 株式会社East (@TeamEastest) April 26, 2019
予算(販売価格)を考えなければ、精巧に作ることは、出来る。でも、一部のマニアの為だけでなく、多くの方達に楽しんでもらいたいのです。そうなると、精巧さと、簡略のラインの上げ下げを繰り返し、ようやくこのカタチに辿り着きました。#クリムト展 #クリムト2019 pic.twitter.com/Xw5GHpVmNK
生みの親は、さまざまな展覧会で革新的なミュージアムグッズを制作している株式会社Eastさん。クリムト展のグッズでは黄金色の付箋なども話題となりましたが、ほぼデフォルメがされていないグスタフ・クリムト人形の斬新さに、多くの人が惹きつけられていました。
東京のモノづくりの技術が生きる、ソフビのグスタフ(クリムト)人形が、大人気です。 pic.twitter.com/ADe76S235X
— 株式会社East (@TeamEastest) April 26, 2019
クリムトおじさんはクリムト展の公式アカウントではありませんが、そのユーモアのセンスは徐々に広まっていき、いつしかEastさんにも届きます。
クリムト展で、Eastが限定制作したスフビ人形が、命を吹き込まれ、展覧会から足かけ二年もの間、旅をし続けているらしい。ちなみに僕たちはグスタフさんと呼んでいたけれど、クリムトおじさんと、親しみを込めて呼ばれている彼も幸せそうに見える。 https://t.co/gZOKk2VAX0
— 株式会社East (@TeamEastest) March 28, 2021
そしてついに2021年11月22日、株式会社East代表・開 永一郎さんとクリムトおじさんが、奇跡の邂逅を果たしたのです!
すみマセーン、コンスタブルさんのグッズください…
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) November 22, 2021
あら!ステキなミュージアムグッズを作っている、ワタシの産みの親の会社の方!
えぇっ、ワタシのツイートを見てくれていたの?ありがとネ☺️💞
これからもステキなグッズでたくさんミュージアムを盛り上げてネ🥳🥳🥳 pic.twitter.com/qzaQhzkrw9
そんな胸が熱くなるエピソードを持つクリムトおじさん。フォロワーの間では、足繁く展覧会へ通うことでも知られています。
面白そうな展覧会ネ! pic.twitter.com/SSd1Tu4UxN
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) July 24, 2021
その姿たるや、アートアカウント顔負けのフットワーク!
今年もすでにトーハク詣を済ませていました。
いつ見てもいいわネ…… pic.twitter.com/DJjj0n69lU
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) January 8, 2022
ちなみに2021年の鑑賞納めは「柚木沙弥郎 life・LIFE」(PLAY! MUSEUM)だったようです。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) December 30, 2021
秋には根津美術館へも。
落ち着くネ…#nezumuseum #南青山で紅葉狩り pic.twitter.com/bY9iYWzXAx
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) December 3, 2021
現代美術もよく観に行かれています。
マーク・マンダース「マーク・マンダ ースの不在」(東京都現代美術館)。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) June 16, 2021
千葉県佐倉市にある「DIC川村記念美術館」や、金沢の「鈴木大拙館」にも足を延ばしていました。
あら白鳥さん、こんにちは☺️ pic.twitter.com/JpVIzUjF2g
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) July 18, 2021
これがZEN…
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) June 29, 2019
雨の音も心が落ち着いて良いものネ
水面の波紋もビュリホーね pic.twitter.com/exQz7mW3GA
思わず笑ってしまう「ヴァンジ彫刻庭園美術館」での様子。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) February 1, 2020
それだけではありません。「旅するクリムトおじさん」というだけあって、さまざまな場所にも旅しておられます。
奈良の東大寺にある二月堂や、京都の桂離宮。
あら~良い眺め❣️風が気持ちいいネ pic.twitter.com/5JFteUmRgp
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) October 6, 2020
カツラインペリアルヴィラにも行ってきたヨ。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) March 1, 2020
お忍びで行ってきたからワタシの写真これしかないけど、創意工夫が見事で、ワビ・サビを感じたネ… pic.twitter.com/9qvoUKbM0c
秋田の酒蔵にも(クリムトおじさんは結構呑む人です)。
昨日は酒蔵にちょっとお邪魔したのヨ pic.twitter.com/fPurZo3Ra8
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) September 23, 2019
極めつけはこちら。ウィーンへ里帰りもしているのです!
Guten Morgen!
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) July 27, 2019
そうなの、ワタシ実は今ウィーンに来ているの。#クリムトおじさん里帰り pic.twitter.com/fU39g2oOvn
ベルヴェデーレ宮殿に来たヨ。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) July 29, 2019
ここにもワタシの作品があるの。
お庭も綺麗ネ。
#クリムトおじさん里帰り pic.twitter.com/2KgsuLRzO7
ふふ…見てる見てる
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) July 29, 2019
作者うしろにいまーす#クリムトおじさん里帰り pic.twitter.com/vvRwhRuXiV
残念ながらおじさんが旅を始めた1年後にはコロナ禍となってしまい、あまり遠出はできていないよう。
それでも身近な場所を旅するように巡る姿は、閉塞的な空気を吹き飛ばしてくれます。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) May 3, 2021
……はい。もう多くの方がお気づきかと思われますが、クリムトおじさんはとにかく写真が良い! 人形なのでポーズや表情は一定なのですが、それを感じさせない表情豊かなカットはお見事!
人形ということを忘れます。
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) March 11, 2020
まるで芸術作品のようネ… pic.twitter.com/kEiaYs18a4
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) January 6, 2022
加えて おじさんによる絶妙なひと言が実に味わい深い‼
いつか旅行会社の旅コラムあたりで、おじさんがナビゲートする記事が紹介されたらいいのに……と願っているのは私だけではないでしょう。
ケーキがワタシのほうに寄ってきてるネ pic.twitter.com/ZQM8fxYSY1
— 旅するクリムトおじさん (@kurimushi_yokan) October 31, 2021
百聞は一見に如かず。私があれこれ言うよりも、実際にクリムトおじさんのアカウントをチェックした方がその魅力を存分に楽しめると思いますので、ぜひおじさんのツイートを見に行ってみてください。
ここで紹介した以外にも、素晴らしい日々の記録がたくさんあります。
そして今回、紹介記事を書くにあたり、なんとクリムトおじさんご本人より「2022年の抱負」を伺うことができましたので、ご紹介したいと思います!
うんうん、ほんと……。ほんとよネ……。
感染症による雲行きのあやしさに身構えてしまいますが、なんとかこれ以上拡大せず、クリムトおじさんおよび我々が自由に旅できる日々が戻ってきてほしいですね。
日々の時間を「旅」するように楽しむクリムトおじさん。その1年を、私も楽しみに追いかけたいと思います!