【芸術の秋におススメの名画鑑賞法】〇〇を活用して無料で楽しもう!

2021/9/28 21:55 yamasan yamasan

こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。

芸術の秋がやってきました。

見たい展覧会が各地で開催されていてスケジュール調整が大変、というぜいたくな悩みを抱えているアートファンの方もいらっしゃるかと思いますが(私もその一人です)、今回はおうちで気軽にアートを楽しめる方法をご紹介したいと思います。

と言っても、今回はガチャガチャではありません。
朝日新聞や読売新聞を定期購読している方ならすでにご存じかもしれませんが、今回ご紹介するのは、希望する読者に無料で届けてもらえる「額絵シリーズ」の名画を部屋に飾ることなのです。

さっそく「額絵シリーズ2020」のアンリ・マティス(1869-1954)を飾ってみました。

左、朝日新聞「額絵シリーズ2020 アンリ・マティス-色彩の魔術師-」のうちアンリ・マティス《大きな赤い室内》(1948年) ポンピドゥー・センター/国立近代美術館 ©Centre Pompidou,MNAM-CCI/Bertrand Prèvost/Dist.RMN-GP

右の絵は、以前にドイツ人の友人からプレゼントしてもらった作品で、描かれているのはドイツ南西部のライン川沿いに立つ世界文化遺産のシュパイヤー大聖堂。
作者は不明ですが、これは複製ではなく本物。落ち着いた色合いなので長年飾っていて、すっかり部屋の雰囲気になじんでいます。


朝日新聞の額絵シリーズは毎年7月からスタートします。6月頃には案内のチラシが入っていて、販売店に電話すれば封筒に入った絵を毎月ポストに入れてもらえます。
(額絵専用ファイルやアートフレーム(額縁)は有料で購入することができます。「2020」では、額絵専用ファイルが905円(税別)、アートフレーム(額縁)が965円(税別)でしたが、購入するタイミングを逃してしまいました。)


封筒の中にはB4判の大きさの絵が2枚入っていて全12回なので、1年間で合計24枚のマティス作品が揃うことになります。制作年代も若いころから晩年までまんべんなくセレクトされていて、裏面には詳しい解説があるので、これだけでもマティスの画業の変遷がよくわかる構成になっています。
例えば、この《大きな赤い室内》はマティスが78歳の時に描いた最後の室内画で、この後、マティスの創作活動は切り紙絵が中心となったとのことです。

同封されていた作品は《ダンスⅠ》(1910年) 提供:ALBUM/アフロ。


「額絵シリーズ2018」はエドバルド・ムンク(1863-1944)でしたが、さすがに《叫び》や《絶望》を部屋に飾ると暗い雰囲気になってしまうので、ダイソーで購入したB4クリアブックに入れて、画集として楽しむことにしました。

左 エドバルド・ムンク《叫び》(1910年?)、右 《絶望》(1893-94年)、いずれもオスロ市立ムンク美術館©Munchmuseet

2018年は東京都美術館で「ムンク展-共鳴する魂の叫び」が開催された年で、ちょうどこの展覧会に合わせムンクの作品が配布されたのですが、封筒にはうれしいおまけが付いていました。
ムンク展の100円割引券です。


ムンクのシリーズも、来日作品の中から年代もテーマも異なる作品が選ばれていて、裏面には解説があるので、クリアブックに入れて整理してておくと展覧会のいい思い出になります。


2015年と2016年は2年連続してミュシャの特集でした。


2015年「アルフォンス・ミュシャ 美しきアールヌーボーの世界」(左)、2016年「アルフォンス・ミュシャ スラブの誇りと祖国への思い」(右)の封筒

今回は「アルフォンス・ミュシャ スラブの誇りと祖国への思い」の中から《スラブ叙事詩第20番「スラブ賛歌」》を架けてみました。

アルフォンス・ミュシャ《スラブ叙事詩第20番「スラブ賛歌」》(1926年)©Mucha Trust 2016/coordinated by Studio OZ.Inc.

2017年には国立新美術館で「ミュシャ展」が開催されて、ミュシャの晩年の大作《スラブ叙事詩》全20点が来日しましたが、そのスケールの大きさを間近で実感することができました。
その時は撮影OKの作品もあったので、記念に写真を撮ってきました。

アルフォンス・ミュシャ《スラブ叙事詩第17番「聖アトス山」》


一人の画家にフォーカスを当てるだけでなく、展覧会そのものの特集もありました。
「朝日新聞額絵シリーズ2019」は、2019年から2020年にかけて3館を巡回する予定だった「コート―ルド美術館展」でした。

エドヴァール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》(1882年)コート―ルド美術館 ©Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)

コート―ルド美術館展は、新型コロナウイルスの影響で見ることができなかった展覧会の一つでした。
2019年9月から12月まで東京都美術館で開催されたときには時間が取れなかったので、2020年3月から開催される神戸市立博物館まで遠征しようと思っていたら新型コロナウイルス感染症拡大防止のため開催中止になってしまったのです(1月から開催された愛知県美術館での展示も3月1日で閉幕)。
額絵シリーズの内容は、マネのほか、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、モネ、ゴッホはじめ充実のラインアップなので、今ではこうやって「額絵シリーズ」を部屋に飾って楽しんでます。

読売新聞の「額絵シリーズ」は毎年1月から始まるので、現在は「日本名勝紀行 広重 六十余州名所図会」が毎月配布されているところです。
読売新聞は実家で購読しているので、こちらも現在進行形で揃えています。
別売の専用アルバム(税込1,200円)も注文しました。



最近ではネットで最新の情報が取れることもあって、新聞を購読する世帯が少なくなったと言われていますが、新聞を購読されている方は、アートの特典があるかもしれないので、ぜひチェックしてみてください。