ビルの屋上で茶道して出社する人がスゴイ(連載第二回)

2014/5/5 07:00 日本エクストリーム出社協会 日本エクストリーム出社協会


こんにちは。日本エクストリーム出社協会です。

平日の早朝から登山、海水浴、温泉などのアクティビティをこなして出社する「エクストリーム出社」。本連載「このエクストリーム出社がスゴイ!」では、様々なエクストリーム出社をご紹介していきます。



今回ご紹介するのは、都心のビルの屋上で開催されている「エクストリーム茶会」。出社前に優雅にお茶を点てて飲むというんですが…いったいどういうことなんでしょうか?





都心のビル屋上に和服姿の女性。しかも平日の朝7時



4月某日、朝7時。東京都中央区某所にあるオフィスビルの屋上バルコニーには、ゴザを敷いてお茶の道具を並べる人々の姿が。茶道=畳敷きの茶室というイメージが強いだけにこの光景、なかなか強烈です。



この日のお茶菓子は、朝の5時からオープン(!)という築地市場の老舗和菓子店のお団子。こんな早朝でも和菓子って買えるんですね…





早朝のお茶菓子を堪能する参加者のみなさん。うれしそう



この「エクストリーム茶会」を企画したのは、東京のテレビ番組制作会社・タノシナルの社員有志による「タノシナル茶道部」。「大掛かりな茶室以外でも手軽にお茶を楽しむことはできないか」と、今年春からさまざまな場所でお茶会を開催しています。実はエクストリーム出社協会代表・天谷もそのひとり。





場所こそエクストリームだが、お茶を立てる作法は本格そのもの



お茶を点てるのは日本の茶道流派のひとつ、表千家流の心得を持つメンバー。お茶碗すら初めて見るような状態の参加者も、作法を教わりながら器用にお茶碗を回し、朝日を浴びながら立てたばかりのお茶を美味しそうに味わいます。普段私達がイメージするお抹茶は「薄茶(うすちゃ)」と呼ばれるもので、なんとさらにその上を行くお抹茶があるのだそうです。ちょっと見てみましょう。





水彩絵の具のような、鮮やかな色ととろみ。茶せんの先が染まっている



とろりと点てられたこちらのお抹茶が、「薄茶」の上をいく「濃茶(こいちゃ)」。インパクト十分な見た目です。本当に美味しいのでしょうか。



お茶碗を傾けると、2~3秒時間をおいて、なんとも形容しがたい食感の「濃茶」が口の中へ。通った場所を苦~く塗りつぶしていくような独特の味に、思わずブルブルっと震えが…。しかしその後しばらくすると、口の奥にやさしい甘さが広がってきました。一杯のお抹茶でこんなにもいろんな種類の味を楽しめるなんてびっくり!たしかにこれは目が覚めます!「お茶を一服」という慣用句がありますが、この「お茶」とはこの「濃茶」のことなのだそうです。こんなエクストリームなお抹茶を昔の人は嗜んでいたのか…



ゆっくり口に流れてきて…





口から喉まで苦味に染まったあと…ゆっくり甘みが



目の覚めるお抹茶にまぶしい朝日、眼下に広がるビル街の景色…と、静かな佇まいとは裏腹に刺激が目白押しだった「エクストリーム茶会」。参加者のみなさんは全員スッキリとした表情で出社していきました。それ自体はエクストリームじゃなくても、やる時間と場所次第で立派なエクストリーム出社になりうるのですね。



(日本エクストリーム出社協会)