迷惑だけどニヤニヤしちゃう? アイドルなりすましメールの巧妙な手口

2013/7/3 17:00 柚月裕実 柚月裕実

「亀梨和也です」――6月某日。自分のスマホにこんなタイトルのメールが届いた。送信者は亀梨和也と記され、一瞬で迷惑メールだとわかるのにちょっとニヤニヤしながら読んでしまう悲しいファン心理……。

「な、なんで私が亀梨さんファンだということを知ってるの?」という疑問を持ちつつも、彼のフルネームが自分のケータイに表示されている嬉しさや、数時間おきに続編が送られてくるマメさにしばらく削除できずにいた。これと似たような心境の人がいるのでは? とツイッターでなりすましメールの反応を調べてみると……


迷惑メールに怒りを覚える通常の反応が多くみられました。しかし……



迷惑さと嬉さが入り混じり、ファンの心は揺れます……



そうそう!ファンの心理を突いた内容に、つい引き込まれてしまうんです



似ているような似てないような…



ハイフン(KAT-TUNファンの呼び名)たるもの、ツッコミを入れたくなるのも当然です



逆にリクエストする人も!



ジャニーズに限らずファン魂がうずうず



ついに仙道さんまで! 内容が気になります……




●「あなただけ……」被害総額116億円! 芸能人なりすましメールの手口とは

芸能人を装った迷惑メールで被害者続出。最近では出会い系サイト業者が摘発された事件がありました。



『一人当たり3万1000円あまり。芸能人の「なりすまし詐欺」に遭って、被害者が出会い系に費やした金額だ。被害総額は全国37万人から116億円。』――女性セブン(小学館 7月11日号)では、芸能人なりすましメールの手口を公開していました。

一方的なメールからはじまり、やりとりをする中で出会い系サイトへの登録を促して、最終的には課金や振込みを誘うのが大まかな手口。メールの閲覧や送信のたびに200~300円が課金されるシステムとはいえ、ポイント制なのでお金を支払っている感覚が薄れてしまうのだとか。しかし被害総額は100億円を越える巨額の規模。そこには専門家も驚く手口があったようです。

心理学専門家の分析によれば、文面には「あなただけ」「悩んでいる」と、助けを求める文言が散りばめられており、必要とされることに喜びを感じやすい人間の心理を突いているのだとか。特にメールを使った詐欺に慣れていない40代~50代の女性が一番のカモになってしまうようで、情報に疎いことや少し無理をすればお金を捻出できてしまう立場などが理由として挙げられていました。電話でのオレオレ詐欺には引っかからないけれど、自分のメールアドレスに直接送られてくるメールには疑いの目を向けないことが詐欺の発覚を遅らせることに……。

業者側も騙すことに必死とあれば、タレントの予定をくまなくチェックしてイベントの時間中は絶対にメールをしないという徹底ぶり。『今からドームライブ頑張るよ。一言ちょうだい』なんて文面で騙していたのだとか。残念ながらメールの送信者は時給1000円ほどで雇われているアルバイト。他にも霊能者、金融機関の支店長など、あらゆる人物になりすまして詐欺を働いているそうです。『迷惑メール情報収集委員会。』など、被害を食い止めるためのサイトもいくつかあるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

次第にタレントやグループ名が書かれたメール=迷惑メールという条件反射で、本家本元ジャニーズウェブからのお知らせメールをうっかり削除してしまいそうになるから危ない……。本人から届くはずはないとわかりつつも「桜井翔です」「亀梨です」って文字を目にすれば一通り目を通してしまうのがファンというものかもしれません。正体不明のメールや、課金・振込みを催促するものにはくれぐれもご注意くださいませ。