「ネシ子が会う」田島ハルコ(連載 第十二回)(3/5)

2016/12/13 11:00 フレネシ フレネシ



―――フ:【質問その21】田島ハルコがポップスターになってやりたいことは?

田:ホームパーティーですね。

―――フ:【質問その22】競演してみたいミュージシャンは?

田:これは毎日考えていますが、いざとなると言うのが恥ずかしいというのと、文脈的に自分とやったら面白くて、かつ競演したい!という人が案外思い浮かばない。

これは私の妄想もあるんですが、国内系だとなんか政治のにおいがしてしまうし、しかしこれが「前座をやりたい外タレ」という質問だったとすれば、私は分かりやすいところでMOやGrimesが憧れなので…でも万が一なんかあったとしても前座やりたくないな~!自分のライブで全然盛り上がらなくてふてくされますね多分。でもいずれはそこまで行けるようにがんばりたいですね。


―――フ:【質問その23】お気に入りの機材は?



田:基本的に機材に興味がないんですが、ALESISのMICRONという赤いキーボードは好きです。でも、私はそもそも実機が苦手な上、これはなんかめっちゃ重くてライブでも録音でも全然使ってないです。音とルックスは素晴らしい。私じゃない人にオススメ…

―――フ:【質問その24】現在の活動において、最も影響を受けた有名人は誰ですか?

田:高校の時にP-MODELと平沢進さんにハマって、「歌詞をなんとか解読するスレ」とか読んでいましたが、それによってアンチテーゼ的な人格も形成されてしまったし、ただの屈性したファンといえばそうなんですが、やっぱり影響は大きいですね。

平沢さんは、人間から発されている情報という点では圧倒的に情報量が多すぎるので、必然と影響も大きくなりますが、でもその影響から派生した、ノイズ(私が日々の生活のなかで考えたことなど)のほうが、自分の音楽活動を含む人間性の拡張にかなり作用していると思ってます。


―――フ:【質問その25】私は2014年に音楽活動を休止しているんですが、最近製作活動を再開しました。それでアイドルに曲を書いたりしているんですが、1から10まで全てをセルフプロデュースしている田島さんも、ご自身以外のプロデュースに興味があるんじゃないかな、と思いました。ご自身が手がけるとしたら、どんなアイドルをプロデュースしたいですか?



田:今、私は「自分でトラックを作って歌う」という活動をしていますが、やがては「提供する」活動を主流にしていってもいいんじゃないかと思っていたりします。自分が歌うとなると、今自分が抱えている体力的な問題を乗り越えないといけないので、それをどうするかっていうのを今後考えていく必要があるんですよね。

そこで、「絶対やりたい!」と思っているものがあって、それは「男性ラッパーないしシンガーをフィーチャーして自分は音を作る人間としてメインにクレジットされているものをリリースする」ことです。そのためには確実に、音を作る方をブラッシュアップしないといけないので、今やってるようなものとは違うスタイルにはなるんじゃないかと思っています。

なお、これは今まで言わないようにしていましたが、「アイドル」に関して。今のスタイルの日本のアイドルはメジャー、インディーズ問わず10年以内に全員いなくなったほうがいいと思っています。もちろん仲良くしている人も、人間として好きな人もいますがいずれはなくなったほうがいいカルチャーであるとはずっと思っていますね。


―――フ:【質問その26】ご結婚のことなどTweetしていらっしゃいますが、新婚生活、いかがですか?音楽活動に影響はありましたか?



田:結婚それ自体ということより、結婚にまつわるあれこれによって、自分とはなんであったか、や、これまで生きてきたことの答え、みたいないろいろなことが見えてきました。音楽もそれによってかなり変わりました。

私は2016年4月に「暴力」というアルバムを出したのですが、あれはマリッジブルー前夜の「嵐の前触れのような不気味な躁状態」で、今制作中のアルバムは「晴れやかに葛藤している」みたいな感じです。


―――フ:【質問その27】私は出身が岐阜なんですが、歌詞の描写や音作りに多かれ少なかれ影響があると感じています。新潟ご出身だそうですが、「雪国」という環境が音楽を始めとする芸術活動に与える影響はありますか?

田:私の地元は平野部なのであんまり雪は降りません。なので期待されているような雪国じゃないんですが、地元が同じで上京してきた人たちが口を揃えていうのは「気候がよくない」ということです。どういうことかというと、ほとんど雨か曇りで寒々としていてどんよりしています。湿度も高い。

で、これは私の地元に限らずですが、イオンなどの大型ショッピングセンターを中心とした生活基盤が完成されているディストピックな地方都市から脱出してきた人にしか分からない共感覚みたいなものがあって、それは多くのそういった作家の作風に影響が出てくるものだと思っています。


―――フ:【質問その28】今、ライバルはいますか?目が離せないアーティストなど…。



田:いないんですよね…ライバル欲しいです!

―――フ:【質問その29】カバーしてみたい楽曲は?

田:めっちゃあります!今の気分だとLioのBanana Split。あと、Major LazerのGet Free。カバーはわりと頻繁にサウンドクラウドで公開したりするのでこの記事が公開される頃には場合によっては完成して公開しているのかもしれません。

―――フ:【質問その30】ご家族は音楽活動について理解してくれていますか?

田:理解を示すというか、とりあえずめっちゃチェックされてます。

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