都心から1時間でいける廃線「西武安比奈線」を巡る旅
このタイトルを見て「ん?」と思った人はなかなかの廃線通(こんな言葉あるのか)だと思う。
というのもこの西武安比奈線は廃線ではなく、「休止線」として扱われている。つまり、廃止はされておらず、一時的に運行が止まっていますよ、ということなのだが、実質的には廃止状態として知られている。一部で。
安比奈線は西武新宿線「南大塚駅」から北に約3キロ伸びている。入間川から砂利を採取するためのものだったが、採取の禁止と同時に休止となった。住所で言うと埼玉県川越市。
1967年(昭和42年)から使われていないというから約半世紀は放置されているということになる。 前から存在は気になっていたのだが、予定のなかった休日電車に揺られて散策してみることにした。
Wikimedia:Ichiken-home
西武池袋線で池袋から急行で25分、めちゃくちゃ綺麗になった所沢駅で西武新宿線に乗り換えて各駅停車で15分。乗換など入れても筆者宅からは1時間程で南大塚駅に到着した。
駅前は至って普通の郊外の駅という感じ。
休止線はこの駅から続いているため、駅の脇の道へと歩くと早速発見。
右側の枕木が置かれている所が線路の跡。
こんな感じ。
その反対側はこんな感じ。
住宅街の中に吸い込まれていく風景にテンションが上がる。
住宅街の中を進むため、線路沿いに綺麗に歩ける訳ではないのが惜しい。しかし、結構近い所まで行ける場所は多い。
踏切関係の装置。だと思う。
そして道にぶつかる。テンションが上がる。
振り返るとこんな感じ。ゴミ捨ての「ミ」のフォントが凄い。
道を渡るとこんな具合
いたる場所に名残が。信号の名残。テンションが上がる。
渡った道を望む。
その先はこんな感じ。
ここは架線がある。架線柱が倒れないように補強されている。テンションが上がる。
さらに住宅街をクネクネしながら線路から外れにように歩いていくと意外な景色が。
庭になってる。
完全に庭。テンションが上がる。
花の世話をしていた方に話を聞いたところ、数軒の家が勝手に半庭化して育てているのだと言う。
これ、まともに育てたら「廃線と花の道」的な観光スポットになるんじゃないか。
その先はこんな感じ。いい感じ。
その先少し歩くと住宅が減り、景色が開けてくる。
ひらけてくる。入間川に向かって下がる部分は盛土となっている。
分かりづらいけど休止線は右手から中央の森へ向かって伸びている。
そしてこの森がすごい。
すごいです。
じゃん!
めちゃくちゃ整備行き届いている気がする。
綺麗。なんで入れないのか問いたい。いや入れないのは分かるけど入りたいです西武鉄道さん。お願いします。
森の脇を歩き、さらにその先10分、一部に有名なあの景色がある。
おおー。
おおー。
そして入れない、こんなに入れそうな感じ出ているのに……。どうやら元々遊歩道だったらしい。川越市さん、西武鉄道さん、復活させてください。
ところでこの場所、一部に有名と書いたが、2009年の連続テレビ小説「つばさ」のオープニングで使われた場所なのだ。ちなみに筆者は見ていないので分からないが趣のある素敵な景色ではある。
橋の奥に100m程行ったところ、ここにも素敵な景色が続いていた。
雑草はしっかり刈られている模様。
この先は雑木林の中を数百メートル進み、開けたところにゴールの採砂場があったようだが、今はもう跡形がないらしい。この辺りで引き返すことに。
帰りも線路沿いを歩いて往復2時間のミニ旅は終了。
気楽に行けるし、住宅街から田んぼ、森もあってなかなか楽しい旅だった。
ちなみにこの後散歩した川越の街が最高で、この旅の記憶はそこそこ薄れている。