「風立ちぬ」で話題沸騰のシベリアにいちご味も?レア種が買えるアソコへ行ってきた

2015/3/3 14:30 フレネシ フレネシ




こんにちは、フレネシです。

先週は「風立ちぬ」の放送後に話題となった「シベリア」について紹介しましたが、今週はいよいよ「シベリアが買えるお店へ行ってきた編」をお送りします。



というわけで、行ってきました。さいたま市は岩槻区のシベリア取扱い和菓子屋さん、「関根製菓」。

さて、大宮まで来ましたよ。

ここから「東武アーバンパークライン」という線に乗ります。アーバンパークラインは初めて乗ります。ワクワク。




虹のようなレトロなマークが素敵です。




東武線のシートは、今はなき「談話室 滝沢」の店内を思わせる抹茶色。




さあ、改札を出ますよ!




岩槻駅前の雰囲気です。




岩槻は、人形で有名な町。




桃の節句が近いこともあり、駅近くの古い会館で雛祭り展をやっていました。




古い雛人形が大好きなので、ちょっと見ていこう。。「ガラッ」(時間がないので少しだけ)

会館を出て進んでいくと、気になる理髪店の看板が。




駅からおよそ5分で到着。




向かいの中華料理屋の看板。けつのあなカラーボーイの牛頭さんことポテチ光秀さんの描くイラストっぽいキャラクターが気になります。

では、いよいよお店に。




入店します!




関根さん(以下、関):「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」

あたたかく迎えてくださった店主の関根さん。




店頭のウィンドウケースを挟んで、お話をうかがいます。




関:「試作品で作ってみたいちご味、ちょっと食べてみて感想聞かせてよ」

フレネシ(以下、フ):「えっ、いいんですか?ありがとうございます」

入店早々に、新製品のいちご味シベリアをいただきながら、お店のこと、シベリアのことなど伺うことになりました。

一口ぱくり。お、おいしい!!




いちご味の羊羹はとてもクリーミィで、コンフィチュールと羊羹とこしあんの中間にあるような、滑らかでフレッシュな味わい。




そしてカステラもカステラというよりシフォンケーキのようにふわふわでやわらか。何というか、これは、知ってるシベリアじゃない!




店頭にはシベリアの説明書きが。これを読みつつ、作業中の関根さんをしばし待ちます。

関:「いちご、どうだった?」

ヤマト運輸の集荷の手配を終えた後、ちょっと不安げな表情で感想を尋ねた関根さん。

フ:「とってもおいしかったです。お世辞抜きで、今まで食べたシベリアの中で、一番おいしいと感じました。羊羹もカステラも、ベーカリーで買うのとは全然食感が違っていて、もっと繊細な印象です。私の知ってるシベリアじゃなかったというか」

関:「本当? 驚いてもらえて光栄です。うちはね、実家がもともとパン屋をやっていたの。その頃からシベリアを作っていたんだけど、自分は次男坊だから、長男が戦争で帰ってきたら、家から出されたの。シベリアって、パン屋さんが多いじゃない?」




フ:「ああ、たしかに。和菓子屋さんでは売っているイメージないですね」

関:「よくネットなんかで話題になるシベリアって、パン屋さんが多いでしょ。でも、あんを使うのは和菓子屋だろうって。有名なお店がどう作っているかは知らないけれど、和菓子屋だとあんから作るのが当たり前だから、あんに工夫もできちゃうわけ」




フ:「甘さも調整できますものね。ところで、これだけの種類を常時揃えるとなると、それぞれの羊羹の部分にもこだわりがあると思うのですが」

関:「マンゴー味を作ったとき、配合間違えちゃって、倍の量入れちゃったの。しょうがないから娘に食べさせたんだけど、そうしたら『これちゃんとマンゴーの味がする!』っていうから、それ以来材料をケチらないようにしてる」




たしかに、先ほどいただいたいちごシベリアも、しっかりといちごの味を感じました。甘さよりもフルーティさが前に出ているというか…。他の味も気になります。

フ:「こんなに多くの味のシベリアを扱っているお店って珍しいですよね。羊羹だけでなく、生地もノーマルと違うものがいくつかありますし、手間を考えると多いほど大変だと思うのですが、なぜこれほど種類が豊富なのですか?」




関:「男性って単純だから、普通のシベリアを選ぶ人が多いんだけど、女性はいろいろ食べたいと考える。たとえば予算が500円あったとして、4つくらい買えるでしょ。でも6種類あったら、6種類買う。それが女性なの。言葉が悪いけれど、だましてるの。味ではだましてないんだけど」




フ:「いや、全然だまされてないです。私も今日、全種類買うつもりで来たので…」

関:「ファミレスで娘がドリンクバーを注文したとき、少しずつしか入れないの。少し入れてどうするんだ?と思ったら、オレンジとかメロンとかいろんなのがあるから、少しずつ飲みたいんだと。女っていうのは欲張りだなあと思って」

服にしても、色違いで同じデザインのものを買ってしまう心理、共通するところがあるかもしれないです。。




フ:「店頭では一律で価格が145円となっていますが、原価は絶対に違いますよね。この中で一番コストがかかっているのはどれですか?」




関:「うーん、この中では『黒糖』かな。黒砂糖って、原価が高いんですよ。普通のお砂糖の倍以上するから。生地も専用のを作っているし。でも、レジで計算するのが面倒臭くなっちゃうから、全部同じ値段つけてるの。岩槻は田舎だからね、田舎プライス」




なんと太っ腹な! 

ちなみにネットで購入する場合は、一律でおひとつ180円です。Yahoo!ショッピングで購入可能。この手間と和菓子ならではの繊細さを考えると、それでも安いのでは…と感じます。

フ:「ジブリ映画の『風立ちぬ』をきっかけに知ったという若い世代の人も多いようです。先週金曜のテレビ放送後、シベリアを買っていくお客さんの層に変化はありましたか?」

関:「ネットで一気に注文が入って、大変だよ。注文が多すぎて、間に合わないくらい」

やっぱり!「シベリア食べたい!」と思いながら観ていたのは、わたしだけではなかったのですね。

フ:「今シーズンの一押しの味のシベリアを教えてください」

関:「限定は、さっきのいちごと梅、それからさくらだよ」




フ:「そういえば、梅味って珍しいですね。緑色だと、よくあるのは抹茶か鶯あんですよね」

関:「そろそろお茶の季節になるから、そうしたら抹茶が出るよ」

やはり、抹茶味もあるんですね!季節限定も含めて、全種類食べてみたい!

フ:「ちなみに、一番人気はどのシベリアですか?やっぱりノーマルでしょうか」

関:「そうだね。でも、常連さんは普通のは買っていかないかな。『モカ』が好きっていう人が多いよ。ネットショップではやっぱり普通のが人気かな。そういえば、ネットショップの最初のお客さんは九州の人だった。以降、少しずつオーダーが入り始めて、日本国中がシベリアを求めているのかなあと思って」




フ:「私の印象ですけれど、シベリアって関東エリアではわりと買えるところもあるんですが、西の方に行くと、名前も知らないという人が多いような気がします。関西とか、九州とか…」

関:「従兄弟が大阪にいるんですよ、婿養子に入った形で。嫁のお父さんお母さんは知っているけれど、他はシベリアを知らないっていうんだよね。製菓学校の同窓会でも、九州のやつに『シベリアって知ってるか?』って聞くと、『知らない』っていうんだよ。九州の方には、そういう名前のものがないのかもしれないね」



↑シベリア以外にも、季節の練りきりや節句にちなんだお菓子が多数。


フ:「似たものはあっても、『シベリア』としてはないということなんですかね」

関:「谷村新司さんが、ラジオで『風立ちぬ』を話題に出して、シベリアを知らないと言っていたものだから、送ってあげたいなあと思って」

フ:「ぜひとも、谷村さんにも食べて欲しいですね」




関:「こうしてシベリアが話題になるのも、宮崎駿先生のおかげですね」

お話を伺っていると、お客さんがいらっしゃいました。シベリアを選びながら「懐かしいわね~」とニコニコ。話しかけてみました。




フ:「さっきおひとついただいたんですが、こちらのシベリア、本当においしいですよね。すっかりファンになりました」

お客さん:「あら、あなたも好きなの? おいしいわよねえ。大好き。私桶川から来てるの」

フ:「遠方からいらしているんですね。私は東京から来ました。今日は取材で、電車を乗り継いで…」

お客さんとシベリア談義に花が咲きます。遠方からも買いに来たくなるおいしさです。そして、関根さんのお人柄にも、きっとファンが多いのだと思います。

以前、和菓子を習いたいという女性のお客さんに、無料で教えてあげたこともあるという関根さん。そのお客さんは、謝礼を用意されていたそうですが、お断りしたとか。




関:「徳を積みたいと思って、いろんな人に優しくするように心がけているの」

プロの職人としてのシベリア作りへの情熱を垣間見せる一方で、こうした優しさを持って人に接するのも関根さんの魅力。関根さんとのトークも楽しむなら、ぜひ岩槻まで足を運びたいところです。ネットで買うよりちょっとお安く買える上、関根さんの人柄に触れることで、もっとシベリアを好きになると思います。

フ:「ところで、最後に一つ、聞いてもいいですか?」

関:「何でしょう?」

フ:「ノーマルのシベリアは『シベリヤ』って表記されているんですが、他のはすべて『シベリア』なんです。これには何か意図があるのでしょうか」

関:「えっ、そうなの?知らなかったよ」



指摘されて初めて表記ゆれに気づいたという関根さん。驚きの表情がかわゆいです。




↑帰りのホームにて。顔看板が90度傾いているネシ子。


● シベリア食べ比べ編

「自宅用」にも関わらず、きれいに包装してくださいました。




中身は…

じゃじゃーん!




7種のシベリアと、3種の和菓子。



シベリアを食べ比べてみて、個人的に「おいしい!」と思った順に並べてみます。どれも甲乙つけがたく、好みもあるので、気になる方は全種類食べ比べてみるのが良いと思います。




《個人的においしかったと思う関根製菓さんのシベリアランキング》

1位:いちご…酸味と甘みのバランスが絶妙。甘酸っぱい香りも素晴らしい。
2位:青梅…さわやかな色彩と梅の酸味が特徴的。春の訪れを感じる一品。
3位:黒糖…コクと深みが◎。生地もしっとり美味。
4位:ノーマル…定番のシベリアも、今までに食べたことのない繊細な甘さ。
5位:キャラメル…クリーミィで香ばしい。洋菓子のような後味。
6位:モカ…珈琲が苦手な私でもおいしくいただけました。品の良い苦味が特徴。
7位:さくら…ほんのり塩を効かせたさくら羊羹入り。




やっぱり、最初にいただいたいちごのインパクトが凄かったかも…。関根さん曰く「食べた人を驚かせたい」。

一口ごとにジューシーな香りが広がるいちご味。桃の節句や卒業のお祝い、花見のお共にぴったりだと思います。季節限定なので、お早めに。

関根製菓さんの通販サイトはこちらから→


(ライター:フレネシ、撮影:いまトピ編集部 吉永)