絶滅していなかった!6ヵ月も冬眠する謎の球体ニホンヤマネ15年ぶりに確認

2015/1/29 20:00 星子 星子



先日、佐賀県で15年ぶりにニホンヤマネの棲息が確認された、というニュースが話題になりました。ヤマネといえば丸くなって眠る小さくてかわいい森の妖精……。絶滅が危惧されていただけに、無人カメラが動く姿を捉えたという報道にヤマネファンの喜びの声がネット上にも広がりました。

今回は、そんなニホンヤマネのかわいらしい姿と生態をチェックしてみようと思います。



ニホンヤマネは体長8cm、体重18g程度のハムスターのような小さないきものです。モフモフしたしっぽと丸っこい体が特徴的で、1年のうち6ヶ月近くも冬眠しているというねぼすけキャラと、丸くなって眠る愛らしい姿が人気です。猫などにも言えることですが、“丸くてちいさく、いつも寝ている”という属性は、赤ちゃんを連想させるからか、人間の“可愛い”という感情をストレートに刺激するようですね。



冬眠時に体温が0度近くまで下がり、覚めるとすぐに活発に動く奇妙な体質も謎に包まれており、国の天然記念物にも指定され、その冬眠力を人類の長期宇宙旅行に生かすために国際宇宙ステーション(ISS)で飼育する計画も話題になりました。



冬眠前にはたっぷり食べて脂肪をたくわえ冬眠中は体温も脈拍数も下がり、ちょっとした刺激ではなかなか目覚めないと言われています。もし山で眠っているヤマネを見かけても、くれぐれも起こさないであげてください。



見ての通りぽわぽわとした非常に可愛い小動物ですが、天然記念物として国に保護されているので、許可無く一般家庭で飼育することはできません。



下は、モモンガでしょうか?ニホンヤマネとよく似ていますね。



ヤマネのほうは、起きていても少し眠そうに見えてしまうお顔立ちです。



頭が大きくてむっくりした体型が親しみやすいですね。ヨーロッパなど世界各地に仲間が棲息するヤマネですが、ニホンヤマネは、棲息できる環境が減少したことにより、絶滅が危ぶまれていました。



いかがでしたか?ニホンヤマネ、で検索してみたところ、ネット上に「山小屋などの施設のタンスや布団の中でいつの間にか冬眠していた」、というエピソードも記されており、かつては山で生活する人々にとっては比較的身近な存在であったことがうかがえます。そんなエピソードを読むと、保護活動が進み、タンスをあけたらコロンと冬眠中のヤマネが転がり出てくるような微笑ましい瞬間が再び訪れることを願ってしまいます。

【参考】

※ ニホンヤマネ:国天然記念物、佐賀で15年ぶり確認 - 毎日新聞

※ ヤマネ:八ケ岳に生息、宇宙へ - 毎日新聞

※ ヤマネの冬眠 - 新潮社



(星野小春)