長澤まさみ主演『エルピス-希望、あるいは災い-』を制作するために『カルテット』のプロデューサー佐野亜裕美がTBSを辞めて関西テレビに転職した理由とは?

2022/11/11 17:00 龍女 龍女

今回のコラムのテーマは、
TVドラマ『エルピスー希望、あるいは災いー』である。


今回取り上げるのは、脚本家渡辺あや(1970年2月18日生れ)が民放の連続ドラマを初めて手がける。
この秋季最注目の作品だからだ。

渡辺あやは映画『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)でデビューした。
原作者の田辺聖子(1928~2019)は朝ドラ『芋たこなんきん』(2006年10月~2007年3月。脚本は長川千佳子)のヒロイン花岡町子(藤山直美)のモデルである。
『ジョゼと虎と魚たち』は筆者が好きな映画の歴代TOP10には必ず挙げる。

脚本家デビュー作がいきなり映画の名作というのは、
橋本忍(1918~2018)の『羅生門』(1950年。監督と共同脚本は黒澤明)以来の衝撃である。

渡辺あやは、その後も一部では朝ドラ最高傑作と言われる
『カーネーション』(2011年10月~2012年3月)を手がけている。
『ストレンジャー〜上海の芥川龍之介〜』(2019年12月30日、NHK)は、橋本忍のデビュー作『羅生門』の原作者芥川龍之介(1892~1927。演じたのは松田龍平)自体を取り上げたドラマである。
ちなみに田辺聖子は1964年の第50回の芥川賞の受賞者(『感傷旅行』が対象)だ。

渡辺あやは東京ではなく、夫の実家のある島根県を拠点に脚本家活動をしている。
筆者がシナリオライターの勉強をしていた頃、地方出身でも上京した方が有利だと言われた。
渡辺あやは、その常識に従わず今も島根在住なのはスゴい。
しかし映像作品は金がかかるので、未だに東京有利なのだ。
スタッフがわざわざ彼女と仕事をするために島根に通うことになる。
本気で一緒に仕事をする気でないと計画は頓挫してしまうので結果的に寡作となってしまったそうだ。


(東京新聞のロングインタビューに答える渡辺あや イラストby龍女)

しかし、6年前からどうしても渡辺あやと仕事がしたい人物がいた。
その人物については後で触れることにする。
その結果うまれたドラマ『エルピス…』を後追いでもどうしても観て欲しい。
主な登場人物と第2話の途中まで簡単に紹介しておこう。

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