砂浜を駆ける人工の生命体「ストランド・ビースト」、大阪に初上陸!

2022/7/14 15:00 明菜 明菜

まずは「風を食べて動く生命体」の映像をご覧ください。



オランダのアーティスト、テオ・ヤンセン(1948~)さんが生み出した「ストランド・ビースト」です。オランダのスフェベニンゲンの砂浜を駆ける様子は、全身に喜びをみなぎらせた大型犬が全力疾走しているかのようで清々しく、可愛らしさすら感じられませんか?


アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ(2013)

素材は黄色いプラスティックチューブやペットボトルなど。物理工学を基盤とした設計により、風を動力源に動作します。電気の類は使っておらず、自然のパワーで動いています。ロボットなどとは根本的に異なるのですね。



ただいま開催中の展覧会『テオ・ヤンセン展』には、10作品以上のストランド・ビーストが来日しているので、私たちも実物を見ることができます。会場は大阪南港ATC Galleryで、会期は9月25日までです。


アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス(2006)

ストランド・ビーストたちは砂浜を歩行するだけでなく、さまざまな能力を身につけています。強風を感知すると飛ばされないように地面に杭を打ち付けたり、水を感知すると水没しないように避けたりもできるそうです。

方向転換や危機察知などの機能を備えているのは、作者亡きあとも自立して砂浜で生き延びることを目指しているからです。外部環境に適応できるよう、歩行以外の機能も身につけています。


【日本初公開】アニマリス・ミミクラエ(2019)

しかし、何よりも凄いのが生き物らしい愛嬌ではないでしょうか。私たちと同じ生命を持つ動物のような自然な動きをしますし、その動きからは喜怒哀楽すら感じられます。


アニマリス・アデュラリ(2012)

展覧会では、ストランド・ビーストの動く様子を目の前で見られる「リ・アニメーション」や、来場者が自ら触って動かせる作品の展示などを通し、歩行の様子を目の当たりにすることができます。関節と関節が連動し、全身の運動となって歩行する様は圧倒的でした。


ストランド・ビーストが大阪に上陸するのは今回が初めて。日本初公開の「アニマリス・ミミクラエ」を始めとするストランド・ビーストたちに、会いに行ってみてはいかがでしょうか。

テオ・ヤンセン展
会場:大阪南港ATC Gallery
会期:2022年7月9日(土)~9月25日(日)
休館日:会期中無休
開館時間:10:00~18:00(最終入場17:30)
https://www.mbs.jp/theojansen-osaka/