2023/10/1 18:21

『金曜ロードショー』番組史上初、成功が約束されている

葬送のAmazon

40年近い歴史を持つ日本テレビ系「金曜ロードショー」。さまざまな作品を紹介してきた同番組ですが、2023年9月29日の放送は番組史上初となるでしょう。なぜなら今冬からはじまるアニメ新番組の初回2時間スペシャルが放送されるから。
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のマンガを金曜夜11時に新設される「FRIDAY ANIME NIGHT」(略称フラアニ)でアニメ化、その初回部分をお送りする『葬送のフリーレン 初回2時間スペシャル ~旅立ちの章~』が今週の金曜ロードショーだ!

『葬送のフリーレン』はよくある勇者もの・魔王もののパロディとして始まる。普通は勇者一行が魔王を倒す冒険に出るのが物語のはじまりだ。ところが『葬送のフリーレン』は冒険が終わってすでに魔王が倒されたところから開幕するという逆転の発想が面白い。
よくよく考えると、RPGの勇者たちは魔王を倒した後、何をして生きていくのか?それを勇者ではなく、パーティ(仲間たち)のひとりを主役にして展開する。

この世界では魔王は滅んでも配下の魔族たちはまだ生きているので、実は戦争は終わっておらず、あちこちで戦いは続いていた。普通の漫画なら生死を賭けた戦いが繰り広げられる熱い展開になるはずが、『葬送のフリーレン』は妙にテンションが低く、熱くならずに冷めた視点で物語が進んでゆく。ローテンションでオフビートの利いたタッチで展開するあたりが他の作品とは違う独特の面白さを誇っており、ジャンプやマガジンといった体育会系ではない、どちらかというと文科系のサンデーで連載しているのは納得。

アニメ制作は『サマーウォーズ』『マイマイ新子と千年の魔法』『きみの声をとどけたい』『若おかみは小学生!』『金の国 水の国』などの高クオリティの作画を誇る劇場用アニメで知られるマッドハウス。
音楽は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のEvan Call、監督は2022年最大の話題作『ぼっち・ざ・ろっく!』の斎藤圭一郎という、最初から成功が約束されたかのような布陣ではないか。
TVアニメの初回2時間スペシャルを金ローでやるという新たな試み、期待を裏切らないと思われる。作品自体は傑作なのだから。

そんな中、唯一の突っ込みどころがオープニング主題歌が音楽ユニット、YOASOBIだということ。タイトルが……『勇者』!
YOASOBIはアニメ『【推しの子】』の主題歌『アイドル』をヒットさせたが、アイドルをテーマにした作品で『アイドル』ってそのまんまだよ!『葬送のフリーレン』も勇者の出てくる物語だから『勇者』って……これがZ世代(すでに死語)の感覚なのか!?
物語は王道の物語をひねっているのに、主題歌はそのまんまなんだね、と日刊サイゾーは報じた。

『葬送のフリーレン』、成功が約束されている金ロー初の試み|日刊サイゾー 『葬送のフリーレン』、成功が約束されている金ロー初の試み|日刊サイゾー

編集者:いまトピ編集部