2023/5/28 20:33

M-1のために一本のネタを磨くことが「地獄」な理由

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南海キャンディーズ・山里亮太とオードリー・若林正恭の半生を描くドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)第7話では、南海キャンディーズのブレークのきっかけとなった『M-1グランプリ2004』が描かれた。当時、日本中に衝撃を与えた漫才を森本慎太郎(SixTONES)と富田望生が完全再現している。

客ウケは良いのに、1人のマネージャーの不当な評価に苦しめられていた南海キャンディーズ。ある日、東京から赴任してきたマネージメント部の高山(坂井真紀)から呼び出しをくらってしまう。ビクビクしながら話を聞く山里だったが、予想外にもその内容は「面白すぎる」「マネージャーになりたい」というものだった。

 南海キャンディーズは、客や芸人ではなく久しぶりに“大人”に評価されたことになる。若手芸人にとっての“大人”というのは、事務所の人間だったりテレビ局の人間のこと。芸人や客から評価されるのはもちろん格別に嬉しいことなのだが、大人に評価されるということはその道のプロに、「商品価値がある」と認められることになるため、また別の喜びがあるものだ。

 どれだけウケていても大人に評価されない芸人には、チャンスすら回ってこない。

 高山は、南海キャンディーズをマネージメントするために「とりあえずM-1グランプリ決勝に出てください」と難題を押し付けた。山里はこれまで夢の舞台だったM-1グランプリを、初めて明確な目標として捉えることになる。

 一方の若林(髙橋海人、King & Prince)は、テレビで南海キャンディーズの活躍を目の当たりにする。

「このコンビ優勝しなくても勝ちだよ」。

 南海キャンディーズは大きなインパクトを残していたことで、結果的に優勝を逃したことがよりブレークの後押しとなった。

 相方の春日(戸塚純貴)も「2位でも売れるね」と評していたが、この構図はまさに『M-1グランプリ2008』のオードリーと全く一緒だ。しかし、そんなことを知る由もない若林は2回戦敗退の現実に打ちのめされ、春日に当たってしまう。

「お前さぁ、芸人辞めたいって思わないの? こんな状況でも楽しいって思えるの?」

 春日は「楽しいですからね」と変わらない。続けるも辞めるも「任せますよ」としか言わない。しかし、これはただの無責任ではない。この先どうなっても楽しめるという自信の表れなのだ。

 当時の若林は、春日に対して納得できないものを抱えていたようだが、もし春日が一緒に悩み苦しむ普通の感性を持った相方だったとしたら、オードリーはとっくに解散していたかもしれない。ブレない相方は、売れない芸人にとってとてつもなく心強い。

 今夜放送の第8話では、売れた山里がコンビ内格差に苦悩。前代未聞の出演オファーもみ消し事件も描かれると、日刊サイゾーは報じた。

M-1のために一本のネタを磨くことが“地獄”な理由|日刊サイゾー M-1のために一本のネタを磨くことが“地獄”な理由|日刊サイゾー

編集者:いまトピ編集部