『THE SECOND』松本人志がアンバサダー「誰も損しない大会だった」とても楽しい大会

とても楽しい大会だった。21日に放送された『THE SECOND』(フジテレビ系)。結成16年以上の漫才師のナンバーワンを決める賞レースである。
漫才の賞レースといえば『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)だが、現在、同大会にエントリーできるのは結成15年までの芸人だ。M-1では芸人たちの漫才に挑む姿がしばしばエモーショナルに演出されるが、15年目の芸人は「ラストイヤー」と呼ばれ、ある種の“悲劇性”が強調されたりする。
なので、結成16年以上の漫才師が出場できる大会がはじまると最初に聞いたときは、そんな“悲劇性”をさらに強調した大会になるのだろうかと思った。一度敗退した芸人たちが、改めて勝ち星をつかむためのセカンドチャンス。そんなM-1ストーリーの続きが紡がれるのだろうかと感じた。
が、放送された『THE SECOND』を見終わって残ったのは、楽しかったという印象だった。
もちろん、番組はこの大会が漫才師たちにとってのセカンドチャンスであることをしばしば強調していた。オープニングのVTRでは、最終決戦に残った芸人たちの声でこれまでの不遇が語られた。各組の紹介VTRでは、これからネタをする芸人たちが過去に掴み損ねたファーストチャンスを語っていた。
松本人志は、アンバサダーとして今大会にかかわっていた。番組のオープニングで自ら「アンバサダーって何?」とツッコんでいたけれど、番組の象徴的な存在ということだろうか。賞レース時代の『THE MANZAI』(フジテレビ系)のビートたけしが近いのかもしれない。あのときもたけしは番組の象徴的存在として出演し、審査員ではないもののMCの横にいた。
さらに、ネタを終えた漫才師たちへのフォローもする。超新塾には「これから仕事結構増えるんじゃないかな」と言い、マシンガンズに対しては「たぶん、平場強いやろなと思ったよ」とコメントする。いずれも、今後の彼らの仕事につながるようなひと言だっただろう。
芸人相手には容赦なく踏み込んで笑いに変えるところもありつつ、観客相手には支持的な構えで適宜介入しながらコメントを待つ。『THE MANZAI』がとても楽しい大会だったという印象を受けたのは、芸人たちのネタの面白さはもちろんのこと、そんな東野幸治の司会によるところも大きかったように思うと日刊サイゾーは報じた。
編集者:いまトピ編集部