おならがクサいのはあたりまえ、と開きなおってはダメ!
クサいおならは体に毒。原因と対策をご紹介。
おならのニオイは食べ物成分の腐敗臭
「パパのおならクサーい!」。これってよくある家庭の会話ですよね。
でもクサいおならを笑ってごまかしてはいけません。
というのも、おならや便のニオイの原因となる成分は、食べ物のタンパク質が腸の悪玉菌によって腐った腐敗臭。
ニオイ成分の中には、発がん物質にもなる有害物質も含まれており、活性酸素を発生させます。
これが腸から血流にのって全身にめぐると、体中の細胞を傷つけるとことに。
このクサいおならを撃退するには、下記で紹介する4つの対策があります。
おなら臭をクリーンにする4つのポイント
1)よく噛む
食べ物が消化不良だと、腸内で腐敗しやすくなります。
よく消化するためのファーストステップは「よく噛む」こと。食べ物を細かく噛み砕くことによって、胃腸で消化されやすくなります。
また、唾液には穀物を消化する消化酵素も含まれるので、よく噛んで唾液と交わらせることにより、口の中から消化が始まります。
「早食いはクサいおならのモト!」と心得て、1口30回ほど、しっかり噛みましょう。
2)胃の調子を整える
胃の消化力を落とす、暴飲暴食・アルコールの飲み過ぎ・ストレスには注意して。
また、口ですり潰されたタンパク質は、まず胃酸や胃の消化酵素で分解されます。
肉などタンパク質の量が多く、消化できないと腐敗を起こしやすいので食べすぎはNG。ただし、少ないのもNGです。
タンパク質を消化する酵素は、その原料がタンパク質なので、不足すると消化酵素が減り、消化力が低下します。
肉を食べると胃もたれする、という人は、タンパク質分解酵素を含む大根おろしやパイナップル・キウイなどを一緒に食べるのがオススメです。
3)腸の働きをよくする
腸内環境悪いと便がスムーズに排出されず、腐敗していきます。
腸の環境をよくするには、まず善玉菌を含む発酵食品をとること。そして、菌を育てるために野菜や海藻を食べて食物繊維をとりましょう。
一方、砂糖は悪玉菌のエサになるので控えて。その代りの甘みとして使ってほしいのが、オリゴ糖。
善玉菌のエサになるうえ、ダイエットにも効果的な甘みです。
ただし、オリゴ糖以外にショ糖(砂糖)や、ブドウ糖、アスパルテームなどの人工甘味料が含まれているものも多いので、オリゴ糖だけのものを選んで。
4)肝臓を守る
腸で食べ物が腐敗しても、肝臓で解毒されると、おならはクサくなりません。
肝臓を元気にしておくには、アルコール、砂糖、そして揚げ物などによる酸化した油のとりすぎは要注意。
また食品添加物や残留農薬は、肝臓の酷使につながるので、加工食品は控えめにし、野菜は流水にさらすなどして農薬を落として。
疲れた肝臓のサポートにいい成分は「グルタチオン」と「オルニチン」。
グルタチオンは治療薬としても使われる成分で、レバーや肉類、小麦胚芽、アボカド、キウイに豊富です。
オルニチンは、しじみに多いことで知られていますが、実はキノコ類にも多いので積極的にとりましょう。
【監修】桐村里紗先生
内科医・認定産業医。分子栄養学や常在細菌学、生命科学などの知識を活かし、執筆・講演を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)他がある。ブログ『進化しましょ。』
執筆/監修:株式会社からだにいいこと