離婚相談を受ける中で、一番といってもいいくらいよく耳にするのが「モラハラ夫」という言葉です。

モラハラ夫とは、道徳的なこと、つまりは正論を振りかざして妻に精神的な圧力をかけてくる夫のことをいいます。

そして、モラハラは、立派なDV(精神的DV)であり、重大な結果を生み出すこともあるのですが、意外と渦中にいると気付けなかったり、気付いたときには時すでに遅し……、となっていることも多いものです。

そこで今回は、「モラハラ夫診断」と題して、モラハラ夫とその夫婦の実態に迫りたいと思います。

あなたの夫は大丈夫?「モラハラ夫」特徴的な行動6つと口癖

モラハラ夫のあるある

行動編

モラハラ夫の特徴的な行動パターンを以下にまとめてみました。

  1. 理路整然と正論や道徳論を述べるが、たいした内容はなく、知識は一般常識に近い程度である
  2. 相手には過大な要求をするが、自分もそんなに褒められた言動をする訳ではない(他人に厳しく自分に甘い)
  3. 徹底的に相手をダメ人間扱いするが、暴力を振るったりはしない
  4. 外部の人間から見ると、「いい夫」のように振る舞うのが得意である
  5. 妻が、「どうせ私なんて・・・。」と自己肯定感を喪失するまで執拗に繰り返す。
  6. 相手が「分かった。」と言うまで主張し続ける。

口癖編

モラハラ夫がよく口にする言葉があります。あなたは日常的にこれらの言葉を聞いていませんか。

  1. おまえはほんとにバカだな(何も知らない、学がない、常識知らずなど)
  2. 誰のおかげで生活できていると思うんだ
  3. 舌打ちやため息で不機嫌をアピールする
  4. おまえ、母親として失格だな

こういう言葉を毎日繰り返すことで、モラハラ夫は妻を無力化していくのです。

モラハラの具体例

次は、典型的なモラハラ夫と妻の架空の会話例をご紹介したいと思います。

まずは、よくある夫の両親との同居問題についての会話です。

同居問題は、感情のぶつかり合いになることが多く、モラハラ夫にかかると、次のようなやりとりになるのです。

妻:あなたのご両親との同居はちょっと・・・。

 

夫:何か不満があるのか。

 

妻:家の広さにも余裕がないし、子どもたちもあまり慣れてないし・・・。

 

夫:君は、ぼくの両親を邪険に扱うというのか。

 

妻:そういうつもりじゃないけど・・・。

 

夫:じゃあどういうつもりなんだ。僕の両親は君の両親でもあるんだ。自分の両親を大切にできない人間はダメだ。

 

妻:でも、子どもたちの一人部屋もまだ確保してやれてないのに・・・。

 

夫:君のその態度そのものが子どもたちの教育によくないんだよ。老人を敬うってことくらい学校で習っただろう。自分たちのことばかり考えているようじゃろくな大人にならないし、それを親が助長してどうするんだ!

 

妻:でも、同居しないからって老人を敬ってないってことにはならないんじゃない?

 

夫: それは屁理屈だ!とにかく、一緒に住んでこそ身内の感情が湧いてきて、大切にするもんなんだ。分かったな!

 

妻:分かりました・・・。

 

そして架空事例をもう一つ。

この事例は、夫の喫煙を問題にしています。現在は、受動喫煙の問題もあり、家でたばこを堂々と吸える夫なんていません。

しかし、モラハラ夫は、自分を正当化するのがとても得意です。

モラハラ夫は、周囲をも巻き込み、モラハラ被害者を悪者に仕立てるのです。

妻:あなた、子どもの喘息によくないからたばこやめてくれないかしら?

 

夫:おいおい、おれのささやかな楽しみまで奪うつもりか?

 

妻:一切吸うなとは言ってないけど、換気扇の下で吸うとか、ベランダで吸うとかしてもらえないかと思って・・。

 

夫:仕事で疲れて帰ってきて、俺は家でゆっくりたばこも吸えないんだな!

 

(後日、友人夫婦との飲み会の場で)

夫:俺の嫁ってほんとこわいんだよね~。俺が疲れて帰ってきて一服楽しんでると、「換気扇の下かベランダで吸え!」だぜ。ささやかな楽しみを奪われて、俺ってかわいそう。

 

夫の友人:風呂上りの一服とかたまんないからな。お前もかわいそうだな。

 

みんな:ハハハハハ。

 

妻:(下を向いて赤面)

モラハラ夫の被害を受けやすい妻とは

モラハラ被害者になりやすい人には共通の特徴がいくつかあるように思います。

これは、決してモラハラ被害者にも非があると言いたいのではなく、モラハラに陥りやすい夫婦の組み合わせがあるということです。

ご自分に当てはまるところはないでしょうか?

  1. 自分の学歴や職歴に特段自慢するところがないと思っている(実際にどうかは別)
  2. 夫を立てようとする
  3. 自己肯定感があまり高くない
  4. 気が優しく、大人しい
  5. その場の空気を読んで、もめないよう配慮する
  6. 自分の意見を通すより、相手に合わせた方が楽

あなたの夫婦は大丈夫?!

はじめにも書きましたが、自分の夫がモラハラ夫であることに気付いていない人も多く、夫の愚痴をママ友に話した際などに、「あなた、それ、モラハラよ」と言われ、はじめて気が付くというケースも少なくありません。

しかし、モラハラは、立派なDVです。

夫のモラハラに耐えてきた結果、うつ病やパニック障害等の精神疾患を患うようになった方もいます。

まじめで神経が細やかな人ほど注意が必要です。「うちの夫、モラハラかも・・。」と思ったら、早めの相談がおすすめです。

専門家:小泉 道子■専門家プロフィール:小泉 道子
離婚テラス(相談機関)」及び「 家族のためのADRセンター(法務省認証機関)」代表。家裁勤務経験をいかし、悩めるご夫婦の仲裁役として奮闘中です。