世間に昔から伝わる健康法の中には実は危ないものも。本当の「効く・効かない」をお教えします。
栄養満点のたまご酒は効果あり
親から教えられてきたことや、昔から効くとされてきた健康法。
すべて本当に効果があるわけではありません、と指摘するのは新潟大学名誉教授で医学博士の岡田正彦先生。
中には体にとって危ないものもあるそう。
風邪にいいとされているこんな健康法は大丈夫?
○たまご酒
よく知られる民間療法で、溶きたまごに温めた日本酒、砂糖やハチミツを加えて混ぜたものを、風邪のひきはじめに飲むのが「たまご酒」。
卵白に含まれているリゾチームという酵素の殺菌作用と、日本酒の体を温める作用で風邪に効くと言われています。
風邪には特効薬がなく、治すには栄養をとって、体を温かくして眠るしかありません。
たまご酒には、栄養満点のたまごと、体を温める作用のある日本酒が適量入っているので、そのサポートにはなると思われます。
お酒が苦手な人は、お酒を牛乳に代え、ホットミルクセーキにしてもOK!
乾布摩擦は抵抗力を下げる?
×乾布摩擦
おじいちゃんの健康法というイメージのある「乾布摩擦」。
皮膚を乾いた手ぬぐいなどでゴシゴシとこするだけ。
風邪の予防や冷えの改善、自律神経の働きを高める効果などがあると言われ、日本や北欧の一部などで古くから行われています。
しかし肌をゴシゴシこするのは、健康を守るうえでむしろNG。
というのも、皮膚の表面には角質層や皮脂層があり、これが病原菌から体を守る壁となっているからです。
乾布摩擦でそれらを傷つけてしまうと、逆に体の抵抗力がダウンすることも。同様の意味で“アカすり”も避けたほうがいいそう。
×首にネギ巻き
長ネギを生のまま、または火であぶってガーゼに包み、首のまわりにぐるりと巻く「首にネギ巻」。
首に巻くことで、のどの炎症など、風邪の症状を抑えると言われています。
しかし、これはまったくの迷信!
ネギはアリシン、ネギオールといった抗菌、抗ウイルス作用のある成分を含有しているため、そんなふうに言われたのかもしれません。
とはいえ、食べて栄養をとるというならともかく、首に巻いて肌から吸収させ、のどの痛みが治るというのはあり得ないとか。
執筆/監修:株式会社からだにいいこと